2004年1月24日に行われた対大阪ロマンズのデーゲームは、今日明日の2試合に勝利すれば単独2位になるとのことで、なかなかの盛況だった。
スターティングメンバーは以下の通り。
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◆ 1回
先発高山、調子は上々…というわけではないようで、試合が開始して最初に投げた球はボールゾーンへ。センターフライ、セカンドゴロ×2と三者凡退ではあるが野手が支えての3アウトといったところ。それにしても今日から参戦のブライアントの打球音はすごい。バットに当たった硬球がぐにゃりと歪む様が見えるようだ。
その裏、大阪の鉄腕・村田に切り込み隊長石井(雅)、続く岡崎と三振させられ(この岡崎の打席で大阪の村田、キャッチャーからの返球を受け損なっていた。村田が余所見してたのか、有田の返球が悪かったのかは見えず)、石毛も内野フライに終わった。
◆ 2回
先頭村上にセンター前ヒットを打たれるが、次の柏原のショートゴロで6-4-3のダブルプレー。続く小川の打球はまっすぐライト方向に飛んで来たが、フェンス際で捕球し結果的には3人で攻撃を封じた。
その裏では先頭秦が内野安打で出塁し、続く広瀬が綺麗に転がして送りバント成功! 加藤のライトフライで三塁まで進塁したが、萩原がピッチャーゴロに倒れチャンスをものに出来なかった。
◆ 3回
先頭南牟礼がレフト方向へあわやホームラン、の長打を放つ。有田、村岡とヒットが続き、南牟礼が生還し先制点は大阪の手に。コーチがマウンドの高山の様子を確認に行くが、続投。その後は野手の好プレイで着実にアウトをとり、恐ろしい打球音を響かせるブライアントもセンターフライに仕留めて1点の失点で切り抜けた。
その裏、先頭大野はあっさりと三振に倒れるものの、駒崎の打球をセンターが捕球しそこねて(エラーではないが)ヒットに。チャンス到来! と思いきや、ここで悪夢が…。
次の石井の打席、駒崎は盗塁を試みるも刺されてアウトになってしまったのだ。石井、岡崎とヒットが続き、その後の石毛がショートゴロに倒れただけに、駒崎の盗塁死が悔やまれる。
ちなみにこの回の裏の開始前に、ベンチのアンビシャスの選手とスタンドの観客がオーロラビジョンを通じてじゃんけんをして、じゃんけんをした観客にグッズをプレゼントしていて、いつも選手は遅出しでわざと負けてくれるのだが、今日じゃんけんしに出て来た高田繁外野手は勝っていた。たとえじゃんけんでも八百長はゴメンだというスポーツマンシップの塊なのか、単に大人気ないのか…(笑)
◆ 4回
先頭村上にショートゴロを打たせてアウトにした後、柏原にセンター前ヒットを打たれるものの続く小川の打席で4-6-3のゲッツー。ここでも野手の好守が光る。
しかしその裏はフライとゴロであっさり三者凡退。
◆ 5回
徐々に調子が上がってきたのだろうか。3回に冷や汗ものの長打を放った南牟礼から今日最初の三振をとり、続く有田は内野フライ、村岡にもゴロを打たせて名手石毛に処理を任せ、3人で終わらせる。
その裏、4回の守備から入った大塚からの打線は、これまたフライとゴロで終わってしまった。
◆ 6回
ピッチャーは先発高山から津野浩に代わる。先頭田尾を内野フライ、本西をショートゴロ、米国製大砲ブライアントを三振に斬って取る。
その裏は打順良く1番石井から。まずはライト前ヒットで出塁し、さあ、まずは進塁、と岡崎は送りバントを試みるが失敗。岡崎が1塁に生き残って、肝心の石井が2塁でアウトになってしまった。続く石毛の打球はあとちょっとのところでセカンドの頭上を越えられず、秦もショートゴロに倒れてまたしてもチャンスを潰してしまった。
◆ 7回
先頭村上をライトフライに打ち取った後、続く柏原にセンター前ヒットで出塁され、小川のセカンドゴロの間に進塁されるが、次の南牟礼の打球を左翼で捕球し、矢のようなバックホームで見事アウトに! 今日は本当に野手が輝いている。
その裏、大阪はピッチャーを村田から伊藤にスイッチ。また、まんまる亀山がライトに入る。先頭広瀬の打球は、ファーストが手を出して方向が変わったが故にライト前に落ちてヒット。特別代走として沖が塁へ。続く加藤の打席では、打者に投げるより牽制球が多い。大阪は今日勝てば最下位脱出というので、必死なのだろう。
ここでピッチャーは遠山に。マウンドで遠山がウォーミングアップしている間、アンビシャス応援団からの「“命!”やってー!」とのリクエストに応えちゃってる亀山。…やらんでええっちゅうの。楽しいけど。
遠山に対して送った福島は、しかしベンチの期待に応えられずショートゴロに倒れる。続く大野を敬遠され、ならばと駒崎に代えて送り込んだ蓑田もショートゴロに。
◆ 8回
先頭は有田に代わって定詰。まんまとレフト前ヒットを打たれ、続く村岡には送りバントを決められて進塁され、ピンチ。しかし今日のアンビシャスはピンチに陥りはするが傷は広げない。田尾をショートゴロ、本西を三振に仕留めて追加点を阻んだ。
その裏、先頭の石井、続く岡崎とセンターフライに倒れ、ああ、この回も0点かと思った矢先にドラマは待っていた。
石毛がセンター前ヒット、秦が内野安打でそれぞれ出塁し、打席には男・広瀬哲朗! 力強い打球は左中間を抜け、先に塁に出た2人が生還して逆転! 野球は2アウトからとはよく言ったものだ。その広瀬には特別代走の藤野が送られ、更なる追加点を、と目論んだが続く加藤がピッチャーゴロに倒れ、広瀬の2点だけがスコアボードに記された。
◆ 9回
3イニングスしか投げられない“若手(30代)”の津野に代わり、マウンドには小野が上った。小野は先頭ブライアントにセカンドゴロを打たせ、続く亀山は気持ちのいい空振り三振、最後に柏原をショートゴロに仕留めてゲームセットと相成った。
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Ambitious
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◆ ヒーローインタビュー
お立ち台に上がったのは逆転打を放った広瀬、先発高山、中継で勝利投手の津野の3人。
まずは広瀬が、後半足の怪我でチームに貢献出来なかったので今日は久し振りに燃えた、とコメント。8回の打席については、もう長打しかないと思って思い切って振り抜いたと語った。今年から北海道の“地元のチーム”となるファイターズの出身ともあって、OBとして自分も活躍したかったとのこと。
残念ながら勝利投手とはならなかったが後から後から襲い掛かるピンチをかわし続けて逆転の機を狙った高山投手は、広瀬の一打には鳥肌が立ったと語り、インタビュアーから明日(の最終戦)も行きますか、と言われると、横から広瀬が「出来るよな!」と囃したらしくやれるだけやると心強いコメント。
最後に137km/hもの球速を叩き出した津野は、まさか(そんな球速が)出るとは思わなかった、と語り、前半戦は出来が悪かったが、地元札幌ドームで、たくさんの観客の中でいい試合が出来てよかった、とコメントした。明日は、とのインタビュアーの問いには(お立ち台の中では最年少なのに)カンベンしてくださいと笑い、横から高山に、広瀬さんにおこられるぞ、と突っ込まれていた。
◆ 総 括
広瀬のタイムリーは本当にすごかった。試合内容のメモをとるのも忘れて興奮した。そして、プロ野球の選手というのは、本当にアウトカウントが“3”になるまでは諦めないものなのだと、改めて感動した。
高山のマウンドは、試合中はやきもきしながら観ていたのだが、後から内容を見直してみるとなんだかんだ言っても1失点で抑えているのだから、ちっとも悪くなかったのだと気づいた。体調には、どう頑張っても生身の人間である以上波がある。力では抑えきれない時もある。そんな時は自分の力だけで抑え込もうと我を張らず、野手を信じて打たせることが出来るのも、投手としての才能の一つなのだろう。
今日はメリハリの効いたいい試合だった。特に、両チームともエラーがなかったのが、“プロの試合を観た感”が味わえて本当に楽しかった。明日の最終戦も、今日のようなわくわくする試合をして、勝って、単独2位を決めて欲しい。