1.討論会「結婚とは」

ジャ、ジャ、ジャ、ジャ~ン・・・

「結婚とは」

メンバー紹介 第一幕 第二幕 第三幕 第四幕

<メンバー紹介>2002年1月16日
・実況者: チャッピー
 は~い、いよいよ世紀の大バトル、始まりますねぇ。さあ、今日の日のために、それぞれ各人が、日頃の思いや愚痴と偏見とわがままと、そして、何よりも何よりも、憤懣やるかたなき心情をここに持ち寄って、戦うわけであります。
 おっ、赤のコーナーから、み目麗しき乙女(A)が現れました。若そうで、しかし、ひよっとしたら、三十路に掛かっているかも知れません。胸を張り、私こそ、絶世の美人よと言わんばかりの風情を漂わせております。
 さて、青のコーナーからは、好青年と申し上げましょうか、口元もきりりとした、二十歳も少しは過ぎたでありましょう、スマートな青年(B)であります。
 さ~て、黄色コーナーからは・・、お~、中年の紳士、ゼントルマン(C)です。あるいはまた、銭取るマンと申しましょうか、銭稼ぎはわしに任せろと言わんばかりの鼻息を感じさせております。
 さあ、さあ、緑のコーナーですが・・・、う~ん、どっしりとした出で立ちで、血色の良い緑のおばさん(D)とでも申しましょうか、まさに、オバタリアンの名に相応しい中年のご婦人であります。
 さて、最後に、紫のコーナーはと言いますと、や、や、や、これはご老人です。おばあちゃん(E)のようであります。まさに、老骨に鞭打って、今ここに世紀の言論戦を戦い抜かんとて、戦列に加わりました。お年は80歳くらいでしょうか、やや腰を前に屈めながらの登場です。
 ・・・本日は、以上、5人の方々、そうですねぇ・・いろいろな世代を代表した方々によって、激論が繰り広げられるものと思われます。
 はい、審判が出て参りました。は~い、お待たせいたしました。本日の討論のテーマは、「結婚」でございます。一部例外を除いて、殆どの方が人生途上の一コーナーとして、迎え、送り、そして、別れていく、いえ、いえ、これは私のことでございます。はい、無制限一本勝負、いよいよ開幕です!

<第一幕>2002年1月27日
紳士 「結婚は人生の墓場です。世界的に著名な誰だったっけ、?さる方も、こう言ってましたね。つまりは、落ち着くところに落ち着くってことなんだね。」
乙女 「まあ、なんてことを仰るの。結婚こそ人生の理想です。まばゆい光ですわ。あ~、愛しのジェリー!早く私の許へ!」
紳士 「馬鹿だね。何も知らない、よちよち歩きさん。」
青年 「おじさん、まだ、畳み掛けないで下さいよ。俺が思うに~、やはり、結婚は人間の生活の基盤じゃないですか。そう、家庭だね。家庭を築いて行く形ですね。」
おばさん 「若いのに、よう、弁えとるねぇ。感心、感心。私なんか、さっきの乙女さんじゃないけど、若い頃は、やっぱり、結婚に憧れたねぇ。素敵な人と一緒になって、子供作って、二人で育てて・・・、永久就職、よね。ところが、夢と現実は・・・、ちょっと、違ってたねぇ。でも、だんだん、こう言うものなんだって、諦め掛けたりもしたわ。」
老婆 「ふむ、ふむ、なるほどじゃなぁ。じゃが・・、わしの場合は、亭主に若いうちに、先立たれてねぇ・・・。ああ、思い出すだに、泣けてくるよ。グシュ、グシュ。」
乙女 「あ~、やめて!皆さん、私から夢を奪わないで!私はこの美貌に人生を懸けているのよ。クレオパトラも楊貴妃も、美貌を持って、並み居る男達を従え、自由を得たのよ。この美しさをどこまで、高く売るかが私の勝負なんだわ。」
おばさん 「ふん、何が美貌なのさ。あなた、悪いけど、そのお目目、作ってない?そう言うごまかしが、結婚してからばれるのよ。」
青年 「それはそうと、紳士さんの人生の墓場論、一寸気になるんですが・・・、どう言うことなんですか?結婚に絶望した人の言葉では・・・。」

<第二幕>2002年2月2日
紳士 「ハハハ、絶望ね~。うん、結婚に希望を抱いた者は、それに応じた絶望もあり得るかな?大抵の男どもが言っているよ。“結婚は夢のゴール。楽しいのは結婚まで。あ~だ、こう~だ、好いた、惚れた、あ~して、こうしよう、こうして、ああしよう、嬉しいな、嬉しいな、ポヨヨヨ~ン。大体、一年だね。楽しいのは”ってなことをね。」
おばさん 「お、ほ、ほ、ほ。そして・・・、女の場合は、亭主に飽きたら、子供、かな。」
青年 「う~ん、少しがっかりして来たかな。愛よ、永遠なれって願うよ。」
乙女 「愛こそすべてよ。私を支えるのは、愛のみかな?エ~と、それから、お金ね。お金もまた愛なのよ。ふふ。」
老婆 「あんた方、戦争知ってるかい?わしの亭主、戦死じゃよ。わたしら、結婚相手は、親に決められただよ。ええとこの息子じゃ、家もある、財産もある、あんた幸福もんじゃ、とか言われてのう、結婚式の前に一寸、顔見ただけで、ゴールじゃよ。男前のええ人じゃった。じゃがねぇ、三年目に、赤紙ちゅうか、召集が掛かってのう、わたしゃ、乳飲み子抱えて、駅まで“出征万歳、万歳”で、見送ったじゃよ。それっきり帰って来なんだ。楽しい三年間じゃったがなぁ。」
乙女 「おかわいそうに」
老婆 「国から遺族の年金もろうて、今日まで来ただよ。フニャ。」
青年 「おばあちゃんにとって、結婚って、何だったですか?」
老婆 「あ~、あ~、青春だったのう。短い青春だったよなぁ。」

<第三幕>2002年2月5日
青年 「愛に支えられた長続きする結婚はないのですか?」
おばさん 「あ、ら、ら、結婚は捨てたものじゃないのよ。私のお知り合いのご夫婦のことだけど、70歳越えても、まだお風呂、ご一緒にお入りになるそうよ。まず、まず、檀那さんが奥さんを大事にしてるのよ。絶対、護るって姿勢なのね。だから、奥さん、檀那さんを信じて、和気あいあい!分かる?」
乙女 「まあ!理想的!いいわ~。」
青年 「なるほど」
おばさん 「相手をどこまで大事にするか、ここよ。人間、一人で生きていくものじゃなし、相手を尊重する姿勢、これこそ結婚の要諦。いいや、結婚だけじゃなくって、社会すべてじゃないかしら。」
紳士 「う~ん、弱いとこ突かれたなあ。わしゃ、女房のこと、全然構ってないや。お互い様と思ってね。空気みたいなもんよ、お互い。」
おばさん 「その空気がくせ者。空気だから、気にしない。空気だから、どうとも思わない、と言うのじゃ間違いね。空気だから、有り難い。空気だから、大事。これよ。そう言う、私も、子供のことに追われて、主人を構わないことがあったけど、私が一度病気して寝込んだとき、主人が細かい気を配ってくれて、あれっ?この人、こんなに私のこと、考えてくれてるんだ、と気が付いてね。それからよ。最近は、子供に手が掛からなくなって、昔知り合った頃のように、いや、前よりも、相手を思いやれる自分になったのね。自分のわがままでなく、ほら、言うじゃない?運命共同体・・として、ね。」
青年 「う~ん、感動!」
乙女 「そうか、お互いを愛するって、尊重するって、ことか。勉強になりました。」
紳士 「しかし、そうは仰いましても、肩が凝らない?相手を思いやる、思いやるって、一日中、考えてたら・・・」
おばさん 「ほ、ほ、ほ、ほ、そう来ましたか。問題は、この辺りかしら。さあ~、話がだんだん深まって来たわね~。腕が鳴る、鳴る、腕が鳴る、だわ。」

<第四幕>2002年4月19日
おばさん 「自分の世界って、結局自分が作っているのよ。相手に感謝できるとき、やっぱり、それが相手にも伝わっているのね。共鳴するのかしら、相手を悪く思っていると、やっぱり相手も良くは思っていないのね。演技じゃなく、ほんとに思っていることが相手に伝わるのね。だから、一日中、相手を思いやっていなくちゃ、ってのは演技だから・・・、分かるでしょ。」
青年 「うん、うん、何となく分かる気がする。」
乙女 「そうなんだ。」
おばさん 「人を大事にできる人は、人からも大事にされるのよ。」
紳士 「わしは、あんまり、人を大事にしとらんが、わしの回りのもんは、皆、わしの言うことを聞いとるわい。」
おばさん 「ハ、ハ、ハ、それはあんたを怖がってるからでしょ。権力だね。会社でのあなたの立場に皆が付いているだけよ。権力を取り払ったとき、あなたはどうなるかしらねぇ。人間、最後は自分の裸の力が勝負ってところかしら。」
紳士 「ぎゃふん。」
老婆 「なるほどじゃのう。わての場合も、親身で世話してやった人たちゃ、今でもわしのこたぁ、心配しとるとよ。持ちつ持たれつってえ、こったのう。」
おばさん 「は~い、そうですねぇ。だから、やっぱり、大事なことは自分を磨くってことになるわね。」
青年 「パチ、パチ、パチ・・・・。」
乙女 「あたし、顔は毎日、毎晩、磨いてるけど・・・、いかが。ピカ~!」

・・・休憩・・・



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