ねこ日記

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チラリン物語


ある日、母親が、『ペットショップに子供の頃のちびくんにそっくりの子猫がいるよ』と言いました。

写真ではあまり気付かれないのですが、チラリンは正面から見ると、ちびくんと目などがよく似ているのです(横から見ると平面なので似ていませんが)。

早速翌日見に行くと、ふわふわのネコがショーケースの中で、あおむけに寝ていました。

顔はよく見えませんでしたが、とても可愛かったのを覚えています。

これは一緒に暮らすしかない!』と思い、値段を確認すると・・・

『・・・!!』という感じで、結構無理系でした。

しかしながら、どうしても諦められず、毎日ショップに通い、親に懇願し続けました。

そんなある日、いつものように仕事帰りに会いに行くと、ショーケースは空っぽになっていました。

『誰かに買われたんだ・・・』

泣きそうになりながら帰宅しました。

数時間後、弟が帰宅し、『あの、ちび似のネコ、セールになってたね!』と言いました。

驚いてペットショップに向かうと、『半額です!【処分価格】←(この表現なんか嫌・・・)』と書かれていました。

どうやら先程は、ちょっと席を外していただけだったようで、チンチラはまたもやあおむけで寝ていました。

私は連れて帰る決意をし、店員さんにその旨を伝えました。

購入の段取りが進んでいき、

『やっぱり相性ってあるんですね!この子をだっこして平気だったなんてすごいですよ!』と、店員さんが言いました。

私は毎日通っていたものの、だっこをしたことはなかったので、

『・・・!?だっこさせてもらってもいいんですか?』

と言いました。

すると店員さんは『もしかして・・・まだ、だっこしたりしたこと、なかったとか?・・・』と、とても気まずそうな雰囲気で言いました。

店員さんは、とても気まずそうに、そのチンチラをだっこするように促しました。

私は普通にそのチンチラの両前足の付け根あたりをつかんで持ち上げ、自分の左肩寄りでだっこしました。

そして、『とっても小さいですね☆可愛い~』と言いながら撫でていると、チンチラはとてもおとなしく、お利口さんでした。



店員さんはとても安心した様子で『あ、とても仲良しそうで安心しました。』と、購入手続きを再開しました。

その途中、店内の扉が開き、コーギーとその飼い主が訪れました。

さっきまでチンチラが入っていたショーケースの前で寂しそうにたたずんいるコーギーに、飼い主の方が、『あれ、お友達いないわね。』と話しかけました。

すぐに、チンチラの購入手続きが進んでいることに気づいたコーギーの飼い主さんは、私に、『あなたがこの子を飼ってくれるのかしら?うちの子(コーギー)はこの猫ちゃんが好きみたいで、二匹はガラス越しのお友達なのよ。会えなくなってしまうのは寂しいけど、優しそうな方に飼ってもらえて嬉しいわ。大切にしてあげて下さいね。』と言いました。

そして、ドックフードを購入して帰って行き、チンチラを連れて帰るための箱に入れようとした店員さんは、

『よかったね・・・よかったね・・・チラリン・・・』 とつぶやきました。



『チラリン?チラリンっていう名前なんですか?』
と尋ねると、店員さんはとても焦り、
『あ、すみません。名前なんて付けちゃいけないんですけど、この子、ずっと売れなかったから、遊んであげる時に名前を呼んであげられないのが苦しくて、勝手にそう呼んでいただけなんです。なので、帰ったらちゃんとした名前を付けてあげて下さい。』
と話し、なぜか店員さんは泣きそうになるのをこらえているようでした。

こうしてチンチラはペットショップから徒歩2分の我が家にやってきました。

私は、そのいきさつを母親に話し、色々な名前を考えていました。

そして、初めての環境にビクビクしながら徘徊していたチンチラを母親が抱き上げました。

『このネコちゃん、とっても大人しいんだよ』

母親に初だっこされたチンチラを覗き込むと、緊張しているのか固まっていました。そして、突然、

『フッフッフッフッフ・・・・・』と言いました。

『あれ?笑ってるのかな???』と私がさらに覗き込むと、

『いや、怒ってる気がするけど・・・』と母親が言うや否や・・・

『フッフッフッフ・・・シャー!!』と言って、暴れだしました!

チンチラは母親の手を離れ、走り出し、そこらじゅうの壁に三角蹴りをかまし始めたのです!



これに驚いた他のネコたちは共に走り回り、収拾がつかなくなりました。

ななこはもう完全にチンチラにキレていて、その後およそ5年間不仲は続きました。



走り回るチンチラに、私が『チラリン!』と話しかけると、少しだけ大人しくなったので、変な名前だけど、可哀想だからこのままチラリンにしてあげようという話になりました。


しばらくして、気を取り直したちびくんがチラリンのもとを訪れクンクンと匂いを嗅ぎ始めると、チラリンは案の定、『シャー!』と怒りました。

穏やかなちびくんは2~3秒、『!?』という表情でしたが、ボス猫の威厳を見せなくてはならなかったらしく、座りなおしてから『シャー!!』と威嚇しました。

これ以降、彼らの間に適度に距離を置いた関係が始まりました。

後日、購入したペットショップから、シャンプー半額券が届いたので、連れて行きました。

購入時にお世話になった店員さんにそれらの出来事を話すと、色々と裏事情を教えてくれました。

チラリンはなぜか、長野のブリーダーさんの元から生後2週間でペットショップにやってきたそうです。

その影響で、精神的に不安定になり、購入希望者にだっこされると大暴れするため、買い手がつかなかったそうです。

その店員さんは雇われ店長さんで、ペットショップの悲しい裏事情に心を痛めておりました。

そして、それから数か月後、そのペットショップは倒産してしまいました。

そして、チラリンが我が家に来てから一週間後、発情が始まり、その影響でなつくようになりました(後に避妊しました)。

今ではとてもお利口さんになり、とても仲良しになり、幸せに暮らしています☆

おしまい♪



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