chickenboyの嘆き

chickenboyの嘆き

『愛』という名の幻想曲





部屋の片隅にある 小さなピアノ

紅い塗料はほとんど剥がれていて

真っ黒になって 埃をかぶっている

小さなピアノ


私がまだ小さかったころ 

母と父の愛情を いっぱいもらっていたあのころ

少しでも母に褒められたくて

多くでも父と話をしたくて

使い始めたピアノ


小さかった私は 曲は全然弾けなかったけど

音譜とか楽譜もわけわからなかったけど

でも ピアノを弾けば そこには愛があった

父と母と 愛があった


真っ黒なピアノは

愛をもっている

紅い塗料は 愛なのかな


私は 母と父にもう一度会いたくて

ピアノを奏でる

昔弾けなかったあの曲も

鮮やかに演奏する


部屋には虚無の空間が広がり

私とピアノ それと 愛だけがある

このピアノを奏でている間は

私は小さかった私にタイムスリップをする

ピアノも一緒に 元通りの紅いピアノになる


今 部屋には ピアノの奏と

私の涙が響いている

母は いない

父も いない


だけど私には 愛がある

このピアノと 愛がある


母と父の優しさは 

母と父の愛は

紅いピアノと一緒に

私の胸に 私の心に

いつまでも響いている


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