Bring Em Out

Bring Em Out

こんな旅のはずじゃなかったのに



アンコールワットのガイドをすっぽかしてQといたり。そのことをジャイアンに謝ったら「気にすることないよ。」色々話してくれた。自分は昔喧嘩ばかりしていたけど、今はちゃんと仕事をするように決めたこと。ぼろぼろの携帯を変えないで使っているのは、お兄さんにもらったのだと。
兄さんは今アメリカのワシントン州で働いていること。会いたいけど、会えなくてさびしい。など。 その後に二人で変なラブソングを作って歌ってみたりした。私はいつまでもジャアンの近くでぼーっとしてみた。ジャイアンは私をおんぶして運んでくれた。 ははは いい大人が。ジャイアンは私の兄弟みたいだった。

いろんな人が優しくて。うちはこの旅に来てまで何してんだろ??
段々自分が嫌になってきた。 もう、このゲストハウスを出よう。
そう思った。

翌朝ゲストハウスを探すことに。でもまてよ。どうせ1泊ならホテルでもいいじゃないか。お勧めのスパが丁度あったので、そのホテルに行ってみる。
お部屋を案内してもらう。あいにくプールサイドの部屋は空いていないそうだが、ここでもかなり十分だ。 1人でこんな贅沢していいのかな。 なんか、さびしいな。 でも、これで良いんだよ。

昼過ぎQが仕事に来る。なんとなく気まずそうだ。
「おはよう。あのね、明日もうここ出るから。」「えっ? もう決めてきたの?」「うん。」「風邪引いちゃった・・・」「あーあの部屋エアコン効きすぎていたかもね。」元気ない。 しょっちゅうため息ついているQ。

近づきすぎちゃったかな・・・でも、後悔しないよ。
明日がいよいよお別れだ。

その日の夜友達と一緒にフルーツシェイクを飲みにいった。
2人ともだんだん口数が少なくなる。
隣の椅子に座りながら自分の手の平に何か書いている。。。「好き。好き。」日本語で綺麗に書く。 悲しいため息がもれる。

「明日あさに来るから・・・」「ホントかな? 明日・・・ね。」

一人で部屋に戻る。 これで良いんだよ。もう、つらいから・・・


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