願い
結婚前はとても優しくて、よく私のことを気遣ってくれた
私達って、いい夫婦なれる！と思った遠い記憶．．．
夫は、変わってしまった
久しぶりの夫の休み
子供と３人で、近くのデパートへ買い物に
子供をカートに乗せて、必要な物を買い込んでいく
レジで会計を済ませたところまでは良かったのだが．．．
その後、久しぶりだったから、お父さんに抱っこして欲しくて子供が夫に向かって手を差し出した
それに気づかなかった夫
子供は無視されたと思って泣きだした
まだ小さい子供だ、泣くのも仕方がない事だ
なかなか泣き止まない
しかし夫は、また突然キレたのである
子供の手を振り払い、「うるさい！」と言って一人で帰ってしまったのである
呆然と立ち尽くす私
子供はお父さんの突然の激しさに、より一層泣き叫ぶ
慌てて、買い物袋を手に子供を抱きながら夫を追いかける
ずっと先を歩いている夫の姿が、涙で霞んだ私の目が追いかける．．．
子供の前では、立派なお父さんでいて欲しい
私が冷たくされるのは、仕方がない我慢する
せめて、子供の前だけでは．．．
家にて、夫が言った言葉
「こんなに泣く子は、見たことない！」
「もう２度と、子供と一緒に買い物なんて行きたくない！」
私は、何も言い返さずに黙って聞いていた
夫の前で、子供の泣き叫ぶ姿は厳禁である
子供の前で、キレて欲しくないから．．．
時々、夫の氷のような冷たさを感じる
実は、子供もなかなか懐かなかった
ＴＶに夢中で、子供が寄って行っても無視していたり
そんな日常の些細な積み重ねも、そうさせていた
子供は愛情を注いでくれる人を知っている
それに純真に答えようとするものだ
原因あっての結果である
「僕のこと嫌ってるよ、この子は」夫が不満そうに言っていた
もっと子供に愛情を注いでくれたら．．．いつも、そう願っていた
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