一人の宇宙


閉じていたいのです
鴉の色したカーテンを
ぴったりと閉じていたいのです

そして誰の声も眼差しも
完全に遮断して
わたしは一人の宇宙を漂うのです

しゃがみこんでいたいのです
しゃがみこんでいたいのです
制服の色した空の重さに
押し潰されてしまわぬように

そして楽しい記憶のひとこまを
唯一の燃料にして
わたしは一人の宇宙を彷徨うのです

望んだままに
漆黒の世界を彷徨いながら
だけど私は奇妙に哀しくて
気がつけば
誰かを待っている自分に気付くのです


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