真実一路

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自殺はまったくの「悪」なのか?


だが、ほんとうに自殺は悪なのだろうか。
私はそう思わない。むしろ、最も人間的な行為といえる。他の動物にはけっして出来ない行為だ。政府の言う゛国家の重大な損失゛というのも、根本的には税金や社会保険料の負担者が減るという意味ではないのか。
自殺は本人の自由意志でなされる限り、個人の権利を行使するものである。
生き続けるか、生きるのをやめるか、その決定権は自分にある。
私はそう考えている。
「自殺はよくない」と主張する人々はなにを根拠としているのか。
「人の命は貴い」からか。しかし、この「人の命が貴い」というのはどうも疑わしい。多くの人が考えているのは、「人の命は貴い」のではなく、「自分の命は貴い」と扱われてほしい-ということではないのか。
私には、人が他人の自殺について本心から心を痛めているとはどうしても思えないのである。
実際、他人の自殺を防ぐために自分の命や財産を提供する人間はいない。
親しくしている隣家が何かの理由で多重債務者となり自宅までも失う羽目になったとき、たとえ僅かでも自分の貯金からお金を下ろして、「これ少ないけど足しにしてください」と提供するだろうか。
自殺予備軍の人に、「自殺なんてやめて、生きることを考えなさい」という偽善者たちには、自分がその人に対し言葉だけでなく現実的に具体的な助力ができるかどうかを考えてほしい。多重債務で行き場をなくした人に必要なのは何よりも金(カネ)なのである。

自殺の名所などと言われる場所がいくつもあり、地域の人々はたいへんありがたくないことだという。
だがこれも仕方がない。自殺できる公所はないのだ。自殺する人のために役所はそのための施設をつくるべきだと思う。そのような施設がないから自然のなかの適所を選んで自殺するのだ。


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