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岡寺の近くまでは電車とバスで行きました。蘇我入鹿が暗殺された飛鳥板葺宮跡。中大兄皇子の母、斉明天皇の皇居でした。この事件の後、難波宮に遷都され天皇中心の政治改革がはじまります。大化の改新ですね。岡寺の石楠花(しゃくなげ)が見ごろでした。岡寺から石舞台までは山側の道を歩きました。棚田や竹林が続きます。筍掘りが最盛期で掘り出したあたりには剥がされた皮があちこちに落ちていました。土の中の筍を見つけるのは至難の業ですね。石舞台を見下ろしながらお弁当を食べました。石舞台のお隣の広場で息子とフリスビーやキャッチボールをしました。家族連れや学校や子ども会のグループがたくさん来ていました。といっても混雑というほどでもなく。子ども会長の息子、「ここに子ども会で来て、みんなで缶蹴りしたいな。」と。隠れ場所など歩き回ってチェックしてました。石舞台から飛鳥駅まで歩きました。川原寺跡、橘寺、鬼の俎と雪隠、亀石、などに寄りました。史跡には説明の看板があるのですが、その横にQRコードが貼ってあります。携帯電話でアクセスすると説明が表示されたり、音声ガイドになったりします。息子は終始それに夢中でした。私なんか、繋ぐのが面倒と思ってしまうのですが…周囲の人の目も気にせず大きな声で音読するので、ちょっと恥ずかしかったです。猿石。欽明天皇陵のお隣の吉備姫皇女王墓の中にあります。飛鳥時代らしいユニークな石像です。吉備姫皇女王は斉明天皇の母。天智天皇と天武天皇の祖母になります。春らしいお天気の中、息子と二人での遠足でした。こんな時間がもてるのもあと1,2年かな。
2011.04.29
震災以降、日本の景気が急降下。その波がやってきました。当分の間、自宅待機です。契約期間が残っているので、新しい職探しもできない。他の仕事を見つけられたら困るみたいな事も言われたけど、この年じゃ雇ってくれるところはないでしょう。心配無用です。自分で考えて何かやれってことでしょうか?デザイン求人のサイトなど覗いてみましたけど、90%以上が東京のお仕事。我が家から自転車で行けそうなプロダクトデザイナーの求人が一軒ありました。ぬいぐるみ製造会社。。。微妙家にいる時間があるなら家族も巻き込んで公募に挑戦した方がいいかな。明日は飛鳥に行ってきます。岡寺の石楠花が見ごろなので。
2011.04.28
今日は市のがん検診がありました。胃、大腸、肺の検診です。バリウム飲んだので、一気に体調ダウンです。健康関連の本など読むと、お医者さんによっては検診も体には毒と主張される方もいらっしゃいますね。CT検査だって微量の放射線を浴びるわけですから、何度も受けると体に悪いとか。がん治療に関しては、抗がん剤が命を縮めてる原因だという人も。西洋医学が発達しているにも関わらず、がん患者は増える一方。病気ばかり診て人を診ない医療になってはいないかな?と思ってしまいます。今年になってから同級生が脳腫瘍で亡くなりました。職場の知人もがんが見つかり闘病中です。こういう事が続くと、健康について考えてしまいますね。どちらの方も仕事を一生懸命されていたので、やっぱりストレスかなと単純に思ってしまいます。自然のリズムで生活する体を甘やかさないこの二つだけは意識して生活するようにしているのですが、本当に難しいです。意外とできないのが「早く寝る」ことです。主婦って家族の中で一番早く起きて、一番後に寝るパターンが多いので。娘の塾通いがあったこの3年間はきつかったです。最近はダンナの帰りが遅いのでそれも困りますね。それから自然に近いものを食べること。工場由来の食品は最小限にしています。栄養面ではクリアしていても、酵素などが豊富な生きた食品とはいえないからです。手作りに勝るものはないと思います。でも食材にこだわると食費がぐんぐん上がってしまう。これも難しいです。体は特に鍛えていません。甘やかさないということで、なるべく「歩く」ようにしています。携帯電話に歩数計を表示させてます。毎日8000歩くらいは歩いてますよ。仕事に行かない日は歩いてお買い物に行ったり、家のお掃除を多めにしたり。それとスクワット50回。台所で料理中にできちゃいます。先日何かの番組で階段を1段上がれば、4秒長生きするって言ってました。(本当かどうかわかりませんが)将来またイタリアを歩こうと思ってるので、(行けるかわかりませんが)足腰だけは鍛えておかないとね。今日の健康に感謝です。
2011.04.27
お仕事の帰りに本日オープンしたあべのキューズモールに寄ってみました。平日なのになんと人の多いこと。天王寺ってこんなに人いたっけ?どっから湧いて出た来たのか!?飲食店はどこも行列です。ブティックのレジも結構並んでいました。会社でいつも通りにお弁当を食べてきてよかった。。。(ここで食べてみようかなと思ってました)土日はどれほどの混雑になるか恐ろしい。一番チェックしたかったお店はいつもお世話になってる「ABCクラフト」です。以前は北向かいの細いビルにあって、フロアが6階くらいに分かれていました。今度はワンフロアになってしかも店舗面積も広がりました。イメージとしては手芸材料の森。ジャングルといいたいところですが、ジャングルはやっぱりドンキホーテかな。入口付近はふらっと来た人でもできる手芸ミニ教室がありました。なかなか盛況です。それからハワイアンキルトもその横で島展示。30日にキャシー中島さんが来るそうです。ちょっと中に入るとナチュラル雑貨があって、これまでとは違う客層の人たちが物色してました。奥へ行くほど、マニアックな材料が置いてあるかんじでした。いや~広いね。目的以外のものも買ってしまいそうです。通路も広くなったので、ベビーカーでも大丈夫ですね。ABCクラフトは私が知る限り2回目のお引越し。毎回パワーアップしています。創作意欲がわいてきますよ。ブティックも飲食店もチェーン店ばかり。建物もでかいし店も大きいので、歩きまわることになります。疲れる。。。若い人向きですね。SHIBUYA109も見てきました。各店舗が好き勝手に音楽をジャンジャン流しているのでうるさいです。可愛い服、結構ありましたよ。でもゆっくり見る気になれなかった。3階の野外ステージではどこかで見たことのあるモデルさんが、講演会やってました。キレイに見える姿勢とかそんな感じのお話です。気になったお店は、1階の横丁みたいなところ。カウンターだけの飲み屋さんとか粉もん屋さんみたいなのでが続いてました。「マルヨシ」という洋食屋さん発見。ここには昔「あべの銀座」という商店街がありました。その中にあった老舗です。こんな風になっちゃったのか。。。お向かいにはエル・パンチョというメキシコ料理屋。心斎橋のお店は昔よく行きました。結構好きな店。私が通いそうなのはABCクラフトと新・あべの銀座かな。GWが終わってから行くのが無難そうです。
2011.04.26
直島で買ったお土産。都会でも買えそうなものですが、都会はモノが多すぎて逆に見つからなかったりしますね。私自身、普段はお買い物にはそれほどパワーを割かないので、こういう時には財布の紐が緩んでしまいます。息子がどーしても欲しいって。これを見て直島を思い出すんだって。直島では半額で購入しました。ネットが高すぎるのかな?草間彌生(クサマヤヨイ) Pumpkin私は草間彌生さんのフローティングペンを記念に。フローティングペンは万国共通のお土産。国内外問わず見つけたら買ってしまいます。直島ではケースなしで700円くらいでした。やっぱりネットは高いぞ。草間彌生ワールド☆デンマーク製のフローティングペン☆草間彌生 YAYOI KUSAMA☆かぼちゃ フロ...一輪挿しを持っていないので購入。ついでに一緒に展示したあったボタニカルペンも。うちの玄関は日が当たらないので、何も飾るものがないときにいいかなと思って。玄関でちょっとサインするのにもいいですよね。こちらはどちらもお値段は変わらないです。ユーモアをお部屋に飾りましょう。キュートな一輪挿し。NEKKO [フラワーベース]本物の花を使ったような美しい仕上がりのペンSALCO・サルコ ボンブーグ ボタニカルペン エター...娘がチョイスしたのがペットボトル用のキャップ。ボトルの再利用に使うんですが、「自分のだって目印になるから」だそうです。透明のピンクを買いました。ペットボトルのリユースと使う人にやさしい機能を考えた、ハート型の付け替えキャップです。ハ...食費はかなり抑えました。ベネッセハウスは素泊まりで、夕食は岡山で買った駅弁、朝食は本村地区で買ったパンを食べました。ホテルのスタッフさん「レストランの予約はされてませんが、お食事は大丈夫ですか?」と聞いてくださいました。「持って来ました。」と言ったら嫌な顔ひとつせず、「お部屋でごゆっくりしてくださいね。」と。いいかんじでしたよ。岡山の駅で買った「ままかり寿司」こはだのようなかんじ。味はさんま寿司みたい。ミュージアムカフェで食べたイカ墨カレー。意外とやさしい味で子どもも食べやすい。美味しかったです。直島レポートはとりあえず終了。1泊で引きずりすぎました。。。直島の後、倉敷にも寄りました。こちらはさらっとレポートします。
2011.04.25
大阪から直島までは公共交通機関で行きました。新大阪===新幹線===岡山---瀬戸大橋線(マリンライナー)---茶屋町---宇野線---宇野~~~四国汽船~~~宮ノ浦(直島)新幹線は乗ったのがたまたま九州新幹線の「さくら」でした。ラッキー落ち着いた雰囲気のインテリアでした。岡山までなので指定を取るほどでもないですよね。「さくら」は1時間に1本あります。岡山からは在来線でしたが、震災の影響で車両部品の調達ができないという理由で間引き運転や車両の数を減らして運行してました。宇野線はもともと1時間に1本しかない線。運休があると2時間もあいてしまいます。旅行の前日にJRのサイトで確認したら、運休列車に乗ろうと計画していました。ぎりぎりで助かりました。乗り換え検索サイトではそんな細かな対応してないので要注意です。今は通常運転に戻っているようです。宇野港~宮ノ浦港は2種類の船があります。行きは小さな旅客船。海面が近いのでテンションアップ(南瓜は合成です。かぶりものではありません)旅客船はフェリーターミナルとは別の桟橋です。船が到着すると、ホテルの送迎バスが待っています。途中の本村地区で降りて荷物だけはホテルに運んでもらいました。本村地区→地中美術館→ホテルも送迎バスでした。ホテルに着いたら荷物はもうお部屋に運ばれていました。帰りはフェリーでした。瀬戸内海の景色を楽しむなら甲板がいいです。直島には町営の「すなおくん」という28人乗りのミニバスもあります。乗車1回につき100円。1時間に2~3本。ベネッセアートサイトへは入口付近まで行けます。アートサイト内では無料の巡回バスがあります。歩くのもいいです。海岸沿いを屋外作品を身ながら散歩する方が楽しいです。一番遠い地中美術館でも30分ほど。途中にベネッセハウスのショップ、レストラン、ミュージアム、李禹煥美術館などあります。そのほかの足としてはレンタサイクル、タクシー(島に1台)など。もちろん自家用車で行くこともできます。無料駐車場は本村地区とベネッセアートサイトの入口付近。宮ノ浦の駐車場は200円/日。アートサイト内へ車で入れるのは宿泊者だけです。また島の北側の工場エリアにも自家用車では行けません。私はホテルの送迎バスに5回お世話になりました。特に不自由ということはなかったです。
2011.04.23
直島のお散歩は前回のアップで終了です。1泊の滞在では全てを見ることはできないというのが正直な感想です。できれば2泊、3泊したいところでした。実は直島には別の顔があります。現代アートが堪能できる島というのは最近になってからのことで、それは島の南半分の顔です。北エリアには1918年創業の三菱マテリアル直島精錬所があります。銅製錬ではじまった島の基幹産業ですが、今では金銀の製錬も行いアジアトップの生産量ということです。またプリント基板などの廃棄物から金を取り出す有価金属のリサイクル施設も備えており、こちらは見学可能です。さらに香川県の豊島廃棄物等中間処理施設が併設されています。直島のお隣には豊島があるのですが、高度成長期に産業廃棄物が不法投棄されて島の環境が侵されました。住民による訴訟で業者の敗訴となっていますが、結局は税金で廃棄物を片付けることとなり今に至っているようです。こちらも合わせて見学可能です。これらの施設から出た無害化されたスラグを混ぜた粘土の陶芸体験などができる工房が宮ノ浦にあります。ガラス成分が入ってるので仕上がりがよいそうです。工場見学と合わせて体験すると子どもの夏休みの宿題にもってこいですね。自由研究と工作が同時に終了!ところでお隣の豊島にも西沢立衛設計の美術館があります。少し離れた犬島には銅精錬所跡があり、アートワークのある見学施設となっています。どちらもいつか訪ねてみたい場所です。直島を中心に現代アートの展示が瀬戸内海の島々に広がり、昨年は瀬戸内芸術祭という大きなイベントになりました。でも、今も展示し続けていたり、作品を入れ替えたりしていますので、今年も見学できます。詳しくはHPで。ヴェネツィアビエンナーレのような世界中から人が集まるようになるといいな。実際、直島へ向う船には外国のお客さんが明らかに多かったです。瀬戸内芸術祭直島レポート最後は交通と食事です。食費は抑えていたのであんまり期待しないでくださいね。
2011.04.22
たまには息子のことも…(忘れているわけではありません)もう5年生です。今はベイブレードとDSiのアニメやミニゲーム作りにはまっています。今年度の目標は跳び箱でヘッドスプリングをやること。なので週1回のスポーツクラブに今年も通っています。小学生までのクラブですが、6年生はいません。5年生の友達もごそっと減ってしまい、図らずもリーダー格です。お稽古関連ではECCも続けています。4月からはスーパーラーニングも追加して文法や書きのオプションを追加。宿題がちょっと多くなるかも。4年生からはじめた四谷大塚の予習シリーズ。ひーひー言いながらも全部やってしまった。これは我が子ながら偉いなと思いました。娘にはいろいろドリルを与えても、ことごとく放置されていたので。春休みからは5年生のをやっています。内容はさらにハードです。それでも塾生なら予習シリーズのほかに演習問題や宿題、月例テストとこなす量は半端じゃないらしいので、このくらいは家でやっておかないと、と本人も思っているよう。塾通いをはじめるお友達も増えています。昨日は参観と懇談でした。昨年度は学級委員をやっていた関係で引継ぎもあり、担任のH先生と学年主任のK先生両方のお話を聞くことができました。特にK先生は一度は子どもを受け持ってもらいたいと思う優秀な先生なのでわくわくして話を聞きました。やっぱり噂どおりでした。学校の先生の話は生活面9割、学習1割ってかんじですけど、学習面の話が多くより具体的でした。また厳しさも伝わりました。そこで感じたのはやはり家庭学習の大切さです。自分で弱い面を見つけて、自分で勉強方法を考え、テストに間に合うように学習していく。本当に基本的なことなのですが、中高の勉強スタイルの元になるやり方を高学年のうちに身につけておかないと後々厳しくなっていく、といった事をおっしゃっていました。一部のママさんから「塾に行く子が増えて、学校の宿題が減るそうですが…」という質問。ああ~、学校で塾の話はやめときな…それもK先生に…私、うつむいちゃいました。被害妄想的な発想をしたらきりがありません。宿題が少ないと思ったら、自分で考えてやればいいだけのこと。K先生も「自学ノート」を推奨しておられました。すでに毎日提出している子もいるということです。息子も四谷で「自学」してるんですが、学校に提出するのは面倒みたいでやりっぱなしです。別に先生に評価してもらおうとは思ってないみたいです。ま、それはそれでいっか。。。4年生の復習テストは学年全体では出来が悪かったようです。漢字のまちがい、計算まちがいが多く、「4年生の間、何しとったん?」って感じだったようです。息子もそういえば算数の計算まちがいがひとつあり、100点逃してました。週明けには都道府県のテストがあります。これは4年のときに100点だったので大丈夫だとは思うけど、春休みは遊んでいたからな。。。復習してるかな?さて、学校生活ではクラブはチャレンジクラブ(ドッジボールやバドミントンなど)に入り、委員会は体育委員になりました。これも娘と同じく勝ち取った系さらに副委員長に挙手してなったそうです。理由は「誰もやりたい人がいなかったから」ついでに子ども会では子ども会長。今年度はいろんな面でみんなを引っ張っていったり、まとめたりしなきゃいけない1年になりそうです。
2011.04.22
入学して20日。今日から部活が始まりました。一昨日までは体験ということで、いろんな部を回っている子もいたようです。早速バトン部のお知らせを持って帰ってきました。まず驚いたのが費用です。中学のときに使っていたバトンは小遣いで買える程度のものでしたが、高校で使うのは8000円もします。シューズは高くなるだけでなく、大会用と練習用が別。そんなのは可愛いもんで、チアリーディングのユニフォームや大会用のコスチュームだけで10万円超えた…それにコンテスト参加費、全国大会(幕張)、高校芸術文化祭(福島)への遠征費…ちょっとクラクラしています。。。コーチは外部の方で、バトン連盟の上級指導者、全国ソロトワール5位の実績のある方だそうです。はぁ。。。とりあえずは5月3日に大阪花の文化園でダンスを披露することになっており、クラブ結成前から練習しております。あと10日ほどしかないけど大丈夫なんでしょうか?とにかくやると決めた以上は突っ走るのみ!私も腹をくくりました勉強の方がどうなってるのかさっぱりわかりません。4月は前に通っていた塾で週1回だけ英語の講義を無料体験で受けています。昨日塾から帰ってきたら、「やっぱり英語だけは塾に行きたい。」と。この塾の高校生クラスは個別講習しかないので、先生とマンツーマンです。それがすごくいいみたいで…1日でも通えば自習室やコピーが使い放題なのでちょっと気持ちがぐらついてます。でもね、学校でもらってる教材には参考書や問題集もしっかりあるので、それを全部やりきるだけでも十分だと思うんですよ。娘としては勉強の相談ができるところを確保しておきたいようです。できれば学校の先生に相談してほしいな。それにしても部活にこんだけお金がかかると思わなかったです。
2011.04.21
ミュージアムについて書きます。直島にある美術館などは月曜日は一斉に休館になりますが、ベネッセハウスミュージアムだけは見学できます。月曜日に滞在される方は、ここで過ごされるのがいいと思います。屋外作品は誰でも自由に見られるのでお散歩にはもってこいです。屋内のミュージアムだけは有料となります。宿泊者は無料。開館時間外も見ることができます。ナイトミュージアムも面白いですよ。見学のポイントは、アーティストがいかに安藤建築と格闘したかということです。地中美術館が作品を前提に設計されているのに対し、ここは先に建築があって作品は後から入れたということです。安藤忠雄の建築は一般的な美術館に比べると個性が強いし、インスタレーションという見地からだとアーティストのコンセプトとぶつかってしまうこともあります。建築との関係が成功した作品はとても印象深いものになっていました。もうひとつ特長を挙げるとすれば、作品の銘板が目立たないところにあることです。「誰が、いつ」ということよりも、純粋に作品から何かを感じてほしいというミュージアムの配慮です。最近の美術館では有料で音声ガイドなどを貸してくれますが、そういったものはありません。そのかわりにスタッフによるガイドツアーがあります。時間は限られますが、都会ほど時間に縛られないところなので、待っているのも楽しいでしょう。スタッフさんの作品への思いや作品ができたときのエピソード、そのときの安藤忠雄さんとのやりとりなど、大変興味深いものがありました。いくつかの作品を紹介します。ミュージアム内は撮影禁止でしたが、ネット上で画像アップされてる方がいっぱいいらっしゃるのでそちらを参考にしてください。みんな無断で撮ってるんでしょうかミュージアムの地上地下にまたがった円筒形の吹き抜けの空間に展示されているのは、ブルース・ナウマン「100生きて死ね」ネオン管で作られた100の言葉が7分間のサイクルでひとつひとつ明滅します。言葉にはそれぞれ意味があり、自分の人生のさまざまな出来事や感情を思い出させます。最後には全部の言葉が点灯します。私はどれほどの経験をしてきたでしょうか?100の言葉をすべて実現するときこそ人生の最高の瞬間と示唆しています。昼と夜で少し印象が変わりますよ。作品の背後に階段があるのですが、上ると行き止まりです。安藤忠雄さん、かなり遊び心あります。(^^;)商業施設ではありえないですね。ジェニファー・バートレット「黄色と黒のボート」黄色と黒のボートの絵画とオブジェがミュージアムにあります。そこで振り返ると遠くに海岸が見えます。その一番奥に小さく黄色と黒のボートが打ち上げられているのが見えます。景色もアートの一部となっています。杉本博司「タイム・エクスポーズド」世界各地の水平線の写真。本来ならありえない屋外展示。写真と連続して瀬戸内海の水平線を見ることが出来る。世界の海は繋がっているなって思える場所です。柳幸典「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム」プラスチックの板に挟まれたたくさんの国旗の砂絵。それらをすべてチューブで繋ぎ、アリを放ちます。アリは国旗間を自由に行き来して、巣を作ります。人間が作った国境など関係なく生物の営みがあります。(展示作品の中にはもうアリはいません。)柳幸典「バンザイ・コーナー」万歳しているウルトラマンやウルトラセブンのフィギュアが白い台の上に円形に中心に向ってぎっしり並べられ、まるで日の丸のよう。コーナーに展示された作品で4分の1は実際に置かれたもの。後の4分の3は鏡に映っているだけ。全員が万歳してるみたいだけど、実際には4人に1人だけ。高度成長期の日本を思わせる。リチャード・ロング「瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環」直島来てから作品を作ったアーティストです。作品を展示するために用意された白い壁に泥を塗っちゃった作品。それ以外には近くの海で拾ってきた流木や九州から運んだ石を丸く並べた作品があります。直島の人たちも協力して作品を作っているそうです。須田悦弘「雑草」自然物と本物そっくりの木彫。家プロジェクトにもあったのですが、ぼんやり見ていると「あ、花がある」と見過ごしてしまいます。ミュージアムでは展示スペースとは思えない場所に「雑草」が生えていて、実はそれが作品でした。安藤忠雄さんも面白がっていたということです。写真はこちらで「黄色と黒のボート」「タイム・エクスポーズド」「ザ・ワールド・フラッグ・アント・ファーム」「バンザイ・コーナー」「瀬戸内海のエイヴォン川の泥の環」「瀬戸内海の流木の円」「雑草」安田侃「天秘」コンクリートで囲まれた中庭のような空間。頭上には四角い空が。展示室との境は全面ガラス。真ん中にどーんと鉄骨があるので、大きな彫刻を真ん中に置くのが難しい。そんな場所に置かれた作品は柔らかなたれパンダのような形の大きな白大理石。ビアンコ・カラーラです。こんなでかいのがあるなんて!。このストイックで厳しい空間にこの形が2個あります。邪魔になる鉄骨がアクセントになってる!?石の上に寝転んで空を眺めると気持ちいいです。夜は星空です。「天秘」その他の作品はこちらで屋外作品も揚げるときりがないですが…大竹伸朗「シップヤード・ワークス 船底と穴」 カフェから見える作品。レストランやラウンジ、ホテルの通路など至るところにアートがちりばめられています。テレジータ・フェルナンデス「ブラインド・ブルー・ランドスケープ」これもそのひとつ。パーク棟からショップへの通路。1つ1つが鏡です。ジョージ・リッキー「三枚の正方形」大きな作品は距離を置いて鑑賞するのが常ですが、近寄ってさらに凝視すると呼吸しているかのように動いています。気づかない人、多いだろうな。ウォルター・デ・マリア 「見えて/見えず 知って/知れず」なのに、これを通りすぎてしまった。階段の壁の下に大きな花崗岩の球が海に向って置いてあったのに!なんで見忘れたんだろう(泣)題名の通りです。。。杉本博司 「タイム・エクスポーズド」なんと波がかかりそうな崖にまで写真を展示しちゃってます。何枚見つけられるでしょうか?実はホテルのお部屋からも発見しました。それもカメラの望遠で。ニキ・ド・サンファール「会話」一歩間違えば公園の遊具!?草間彌生「南瓜」直島のシンボル。息子のお気に入りです。ジェニファー・バートレット「黄色と黒のボート」浜辺のオブジェまで散歩しました。↓高台にミュージアムが見えるかな?
2011.04.17
ベネッセハウスのミュージアム棟に泊まりました。その名の通り美術館の中に宿泊施設があります。安藤忠雄の設計の建物はこれまでにもいくつか体感してきましたが、泊まるのははじめてです。高台の斜面に沿うように建てられており、宿泊部屋、カフェ、美術館ともにオーシャンビューです。エントランス。美術館も宿泊施設も同じ入口です。こじんまりしています。ミュージアムカフェでウェルカムドリンク。私はシャンパンを、子どもたちはオレンジジュースをいただきました。部屋からの景色。サンセットを満喫できます。春と秋の太陽の位置がちょうど真ん中に来るそうです。ベッドはすでに子どもたちが飛び込んでしまったので、もう一度元に戻しましたっ(^_^;)壁の絵は本物のアート作品。トーマス・ルフの宇宙の写真が2枚掛かっていました。 直島から見る夕日。お天気に感謝。ちょうど精錬所(本土)のところに沈んでいるようです。朝はテラスでコーヒーを頂きました。波の音がここまで聞こえる。。。直島の現代アートや建築に関する本が置いてあったので結構勉強になりました。なにせ直前になってバタバタと決めた旅行だったので、あんまり下調べしてなかったのでこれは嬉しかった。お部屋の備品です。テレビがないのがいいです。その代わりにBOSEのCDラジカセ。名品ですね。かっこいいです。CDはホテルで貸してもらえるんですけど、ラジオを聴いていました。借りてもよかったかも…お茶のセットにはレギュラーコーヒーもあってコーヒー大好きな私は感激。その他には紅茶3種類、緑茶、ミネラルウォーターも。冷蔵庫にはジュース、ワイン、ビール、ウイスキーなど(これらは有料)。銀色の南瓜のような箱はサービスの夜食です。中にはおにぎりが入っていました。気が利いてますよね。バスルームです。バスルームには窓があり海が見えます!アメニティは一通りものものがありました。よかったのは歯ブラシの色が全部違うので、誰のかすぐに見分けがつきます。ドライヤーもありますよ。ソープやシャンプー類はハーブの入ったすごく贅沢なかんじのものでした。これらはショップで買うこともできます。バスルームには、物干し用のワイヤー(リールタイプ)もあり便利です。すごく機能的で乾燥能力もばっちりです。スリーインワンなんですけど、バスタブに熱いお湯が入っていても湯気がこもらない。びっくりです。夕食の後、ホテルのスタッフさんが美術館を案内して作品の説明をしてくださいました。現代アートの面白さが少し理解できた息子はチェックアウトまでに6回も美術館を見に行ってました。美術館のことはまた別にアップしたいと思います。
2011.04.16
いつか必ず行ってみたい美術館の一つでした。若い頃は海外の美術館ばかり憧れていましたけど、日本にもユニークな美術館が各地にできていますね。地中美術館チケット売場と美術館の建物は少し離れています。200mくらいかな。チケット売場の建物では荷物預かり、カフェなどがあります。美術館への道沿いはモネの「睡蓮の池」が再現されており、草花も美しいです。美術館の門からは撮影禁止となっています。クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの3人のアーティストのために安藤忠雄が設計した美術館。建物は地中に埋まった形になっており、地上に構造物はなく、採光のための開口があるだけです。建物内部には2つの中庭があり、1つには砥草(トクサ)という常緑の茎だけのような植物が敷き詰められるように植えられ、もう1つには白い岩石がやはり敷き詰められていました。人は入れません。町屋の坪庭のように空への吹き抜けのある空間になっています。人が少なかったせいか、静けさの中で足音が響き、まるでコンクリート製の神殿のようでした。展示室は3人のアーティストの作品を最大限に生かせる空間となっています。空間も作品の一部といってよいでしょう。従来的な美術館では3人の作品の良さが解らないと言っても過言ではありません。クロード・モネ「睡蓮」5作品真っ白な柔らかな自然光で満たされた空間に、大きなモネの睡蓮の絵だけが掛かっています。床は白い2cm角の大理石タイルが敷き詰められています。空調のせいもありますが、真っ白なのにとても暖かい印象の部屋です。モネが生前に望んだ睡蓮の見せ方を実現しているそうです。パリのオランジュリー美術館もよく似た展示方法です。ずっと以前にNHKの特番でやっていました。印象派の中でもモネはやはり別格だなと感じていました。天から入る光は真っ白な空間の中で乱反射し和らげられています。時間によって変化する睡蓮の池の色の微妙な違いがよりわかりやすくなります。そこにはガラスの壁やカバーはありません。また睡蓮の絵にもゴテゴテした額縁はなく、まるで窓から睡蓮の庭を眺めているようなかんじです。とてもピュアな気持ちになる空間でした。それは近代西洋美術のタブローの世界では画家のわがままと捉えられたかもしれません。アートは空間全体で感じるものという今日の考え方が、やっとモネに追いついたかんじです。ジェームズ・タレル「アフラム、ペール・ブルー」「オープン・フィールド」「オープン・スカイ」「アフラム、ペール・ブルー」青い光を壁のコーナーに映して、立方体を感じさせる作品です。タレルの初期作品ということです。「オープン・フィールド」最初見たかんじは壁に大きな長方形の青い光が映されているだけに見えます。ちょうどプロジェクターの初期画面みたいに。でも近づいていくとそれが映像ではなくて青い光が充満した空間だということがわかってきます。中に入れるのです。ヴァーチャルな空間の中に現実に生きている自分が入っていくという変な感覚です。中では光源もなく影もない。ただ青い空間の中にふわふわと存在している感覚です。床、壁、天井の境が認識できない空間設計です。また床がスロープになっているのも不安定なかんじです。振り返ると先ほど入ってきた開口部の外側はオレンジの光の空間に見えました。開口部に戻って壁の形状を手で探ると断面が鋭角になっていました。壁の厚さを感じさせない設計でした。この異次元的な空間を作り出すために相当神経を使っているな。子供たちもすごく面白がっていました。「南寺」の体験も面白かったけど、これもまた刺激的だったようです。「オープン・スカイ」白い部屋の壁に沿ってベンチが作りつけられています。座ると座面と背もたれが暖かかった。長く鑑賞してもらうためでしょうね。天井には四角い開口があり空が見えます。その開口部の色の変化と部屋の色の変化を体験する空間なのです。この作品の一番の見所は朝日や夕日などによって空の色が劇的に変化する時間帯に見ることです。それを見るためには美術館のナイトプログラムに参加しなければなりません。日曜日はやってないので見ることはきませんでした。残念です。ウォルター・デ・マリア「タイム/タイムレス/ノー・タイム」広いコンクリートの空間には壁から壁へ部屋の奥までずっと上り階段が続いています。壁のところどこに大きなコンクリートの棚が設けられ、金箔の角柱が3本ずつ配置されています。階段の真ん中あたりには踊り場が設けられ、真っ黒な花崗岩でできた見上げるほどおおきな球が置かれています。ちょっと押せば転げ落ちそう…この場所こそ、神殿という名が相応しい。そんなかんじです。震災を目の当たりにして、人間はどう自然と向き合えばいいんだろうという問いが襲い掛かってくる、そんな場所です。安藤忠雄の建築は、自然を恐れながらも自然とは毅然と対峙していく、そんな印象をもっていますけど、この作品にもそれを感じました。ウォルター・デ・マリアと安藤建築はベストマッチですよ!まるで西洋の教会にいるかのように、足音が、人の声が響き渡ります。震災を乗り越える力が沸々と湧き上がってくる場所です。信仰とは自分を信じることなのかもしれません。以上が各作品の感想です。美術館ということで、子どもたちは持て余すかなと思ったけど全然そんなことはなかったです。むしろ滅茶苦茶楽しんでしました。行ってよかったです。またの機会があるならナイトプログラムに是非参加したいです。次はベネッセハウスについて書きますね。
2011.04.14
角屋・修復監修 山本忠司「Sea of Time '98」「Naoshima's Counter Window」「Changing Landscape」宮島達男作品は知っていても作者の名前までは覚えていなかった、そんな作家さんです。宮島達男について調べてみたら「Mega Death」という作品が1999年のヴェネツィアビエンナーレに出品されており、私がイタリア旅行をしていた頃とも重なりチェックしていたのを思い出しました。ビエンナーレには結局いけなかったんですけど、テレビで紹介されていたのを見ました。LEDのデジタルカウンターを寿命に例えた作品です。カウントの速度は速いもの遅いものいろいろあります。じっと見ているといろいろ考えさせられるんです。それと似た作品を「角屋」で見ることができました。民家に一歩足を踏み入れると昔は座敷だったと思われる暗い空間があります。靴を脱いで上がると大きなプールがあります。部屋の壁に沿って通路や造り付けの腰掛があります。暗いプールの底には赤、黄、緑などのLEDデジタルカウンターが明滅しています。それぞれ違う速さになっています。この作品は本村の人々も参加して創ったそうです。デジタルカウンターの速度は担当した人が自分の好きな速度に設定したのだとか。一人一人の時間の流れが水の底にありました。私の人生のスピードはどんなものでしょうか?tatsuomiyajima.com護王神社「Appropriate Proportion」杉本博司本村地区の高台にある神社です。改築のときに設計を現代アーティストの杉本博司が担当したということです。神殿に上がるガラスのオブジェのような階段が目を引く。「面白いね。」と言いながらあっさりと通り過ごしてしまったのだけれど、実はこの階段、地下まで続いていたということを後で知り後悔。地下へは別の入口があり、狭い通路を通って行くようなのですが、この入口を中から見ると海が見えるそうです。ああ~、悔やまれる。。。またいつか行かなくちゃ。。。さて、家プロジェクトはこれで最後です。もっとゆっくり散策したかったのですが、次の日は月曜日で家プロジェクトも地中美術館もお休みなので、本村地区はこれで切り上げて地中美術館に向います。
2011.04.13
新学期が始まっております。高校が決まってから入学式までは本当にバタバタでした。その後すぐに旅行に行って、帰ってきたら今度は実家の母が桜見物(近所の大学の桜)のために泊まりに来て、日曜日は中学の同窓会でした。気が付いたら学校が始まってましたよ。高校では始業式の日から新入生テストが二日間ありました。昨日はテストの後、「お前ら、ちゃんと勉強しろ。」みたいな説教があって、今日からやっと授業が始まったようです。部活率が常に95%以上で、行事は生徒主体ですごく盛り上がるらしい学校なので、先生は子どもたちに勉強させようと必死です。合格者説明会のときからそんな雰囲気でした。中庭の横断幕・先生の叫び金曜日はまず委員会を決めたそうです。これは全員参加。うちの娘は文化祭委員になりたいって受験する前から言ってました。クラスで4人の枠に9人が立候補したらしい。そのうち何人かが自体して、最後はじゃんけんになって見事、文化祭委員の座を勝ち取りました。やる気満々です。ま、3年でやるよりはいいかな。。。クラブは迷っていましたが、バトン部に入部しました。全国大会出場経験もある練習量の多いクラブなんですけど、バトンだけじゃなくてチアリーディングもあって、ユニフォームがすごく可愛くて、決めちゃたみたいです。バトン部だと朝、昼、放課後と1日3回練習するので、体力持つかな。。。お弁当も何回にも分けて食べられるように工夫をと言われています。そのほかに交換留学制度というのがあって、自宅にホームステイの学生を受け入れられるか、留学生に教えられることがあるか、留学に興味があるかなどのアンケートがありました。うちの娘は、「オーストラリアに行きたい!『興味ある』にしといてっ」聞いてないし!頼むから短期でお願いします。もー、今はなんでもかんでもやりたい時期なんですかね。そんならもっと英語の勉強しろ入学式の後、保護者説明会で印象に残った先生のお話を。うちの子供たちは部活や行事にみな全力投球します。3年生でもそれは変わりません。なので大学入試では推薦入試に勉強が間に合わない子が結構います。特に私立校に通う子は2年生で高校の勉強を終え、3年生は受験勉強だけにあてています。推薦入試は私立高校が圧倒的に有利です。でも集中力を発揮すれば必ず後期試験で結果を残せます。どうか子どもたちを信じてやってください。予防線を張られたということもありますが、それくらいぎっしりの内容の3年間になるということなのかな。覚悟しておかねば。
2011.04.11
家プロジェクトの他の作品の感想など。基本的に撮影は禁止なので、参考サイトでイメージを膨らませてくださいね。「石橋」千住博Benesse Art Site Naoshima,Ishibashi千住博の作品といえばまずは滝をイメージしますが、まさにそれが「石橋」の中にありました。以前NHKで大徳寺の障壁画の製作過程を見たときにすごく感銘を受けて、いつか見たいなとずっと思っていました。庭に面する座敷には、その庭の借景となる山の絵が障壁画として描かれていました。民家の奥にある蔵には滝の絵がありました。蔵の床は黒光りしていて、まるで滝壺のようでした。その水面(床板ですが)には滝の絵が映りこんでいました。静けさの中で滝の音が聞こえるような気がしました。彼は日本画家ということですが、私は番組を見るまでは写真家だと思っていたんです。絵を描くときは顔料をたらしたりエアブラシを使ったりと、日本画とはかけ離れた技法を使われますが、完成した作品はとても日本的、写実的、抽象的です。写実と抽象が同居することなんてあるんだろうかと思ってしまうんですけど、それが私の印象です。再生だれた民家そのものが千住博のギャラリーのようになっていて、何気なく飾られた掛け軸なども彼の作品でした。「石橋」と名づけられた民家自体も一見の価値ありです。「はいしゃ」松岡明芳もともとは歯医者さんだったお宅をアート作品として蘇らせています。人が住んでいた頃の生活の気配のようなものを残しながら、オブジェを組み込んだり、ペインティングを施したりしています。2階までの吹き抜けに自由の女神っぽいオブジェが入っています。どうやってこの家の中に入れたのかな?多分わざとだと思いますが、ものすごい圧迫感があります。また鯨のような巨大なオブジェも外壁に嵌められ、内側には新たな空間ができていました。家の中の壁面には、この家の子どもが描いた落書が残されていたり、配管のあった場所に配管のイラストが描かれていたりと、家の記憶を留めたいという作家の思いを感じました。自分の家のことをふと考えました。今の家が空家になったら、私たち家族が住んでいた痕跡あるかな?
2011.04.09
南寺・設計 安藤忠雄ジェームズ・タレル「Backside of the Moon」 この建物はジェームズ・タレルの作品のために設計されたものです。もともとはお寺があった場所なので南寺と呼ばれています。ジェームズ・タレルは光そのものを作品として扱うアーティストです。この建物には全く光がありません。本当はわずかな光があるのですが、目が暗闇に慣れるまでなかなか感じられないのです。建物の中のベンチに座るまでは手探りで壁を伝って行きます。一度に入れる人は10人程度です。係りの指示に従ってベンチに座ったら目の前にある暗闇を眺めます。私の隣に座った息子は1分もたたないうちに「赤い小さな光が見えた!」と。でも私には見えません。しばらくすると赤い光が見えてきました。でも今度は係りの人が「前方にスクリーンのようなものが見えていますか?」私には何にも見えませんが、娘も息子も「ぼんやり見えるわ!」と。もうしばらくすると二人とも立ちあがり、「お母さん、行ってくるわ。」と暗闇の中へ消えてしまいました。このときは焦った!とにかく私もスクリーンが見えるようにならなくちゃ!目を凝らします。ようやく前方に暗くて青い長方形が見えているような、いないような。さらに目を凝らすと長方形がぼんやりした人影のようなもので遮られたりしているような…そう言いきれるほどまだ見えてないのです。私から少し離れて座っていた方は「まだ何にも見えない」って係りの人に訴えていました。私はまだはっきり見えていなかったけど、立って歩くことにしました。そろりそろりと…スクリーンに近寄ってみました。それはスクリーンではなくて薄い壁に開けられた大きな開口でした。手を入れると何にもありませんでした。その奥でどこかからほんのわずかな光が漏れているのでしょうね。息子と娘が声をかけてくれて安堵しました。二人ともこの暗闇の中がはっきり見えているそうです。係りの人はずっと中にいるので、なにもかもはっきり見えているそうです。私は息子の手を握って、建物を出るまでそれを放すことができませんでした。ここで体験したことは自分の潜在能力を引き出せたということです。これほどの暗闇の中では絶対に物を見ることなんて無理だと思っていたけど、厳しい環境の中に身を置き必死になって見ようとするとわずかでも見ることができました。普段使っていない自分の知らなかった自分自身の能力に感動するのです。もちろん見えるまでの時間には個人差(主に年齢差)はありますが、時間をかければ目が慣れて誰にでも見えるということです。ジェームズ・タレルの作品はこの後地中美術館でも体験できました。それはまた後ほど。
2011.04.08
本村の家並み・護王神社の石段より臨む島の生活が営まれている地区で空家をアートとして再生する試み。見学可能な「家」は7ヶ所あります。それ以外にもこじんまりした飲食店やギャラリー、手作りの雑貨店などが点在しています。狭い路地の土壁にも作者不明のレリーフがあったり、気の利いた道しるべがあったりして、時間があればあるほど何かが発見できそうなところです。集落全体が美しく感じるのはやはり各お宅でのお掃除が行き届いているからなと思いました。洗濯物などもきちんと干してあるんです。何かお店をやってる家では門や玄関に色のついた暖簾がかかっているのですぐにわかります。門をくぐった中庭で地元の人と訪問者がおしゃべりしている光景をよくみかけました。島の人々はフレンドリーで、積極的に話しかけてくださいます。子どもたちもよく話しかけられました。港近くのレストラン。ピッツァが美味しそう…宇野(本土)で昼食したことを後悔。本村ラウンジ&アーカイブ・設計西沢立衛レオ・ヴィラリアル「Chasing Rainbow」作家のHP家プロジェクト散策の拠点。荷物の預かり、家プロジェクトのチケット販売、デザイン・アート系の雑貨書籍の販売など。名作チェアに座って休憩できます。角屋、南寺、きんざ、護王神社、石橋、碁会所、はいしゃの7つの家が作品となっています。きんざは予約制で、予約できなかったので見れませんでした。各作品の写真はこちらでベネッセアートサイト直島・家プロジェクト南寺では衝撃的な体験ができました。別にアップします。
2011.04.07
SANAA(妹島和世+西沢立衛)「海の駅」宮浦港のフェリーターミナルです。実は旅行の下調べを充分にやれないまま来てしまい、いきなりこの建築に出会って感動してしまいました。まさかここでSANAAの建築を体験できるとは!印象としてはガラスの箱ってかんじですが、フェリーの甲板から見る限りでは大きな平面の屋根の下に待合所やカフェやイベントスペースがあることがわからないです。周囲の景観を邪魔しないデザインがよいです。SANAAらしい軽快な爽やかな空間です。草間彌生「赤かぼちゃ」直島の玄関とも言える宮之浦のランドマーク。上の写真の背後、50mほど離れた船着場の先端にあります。後ろにフェリーが見えますね。子どもたち、荷物をほったらかしで走って行きました。黒い模様のいくつかは穴になっていて中に入れます。こんなパブリックアートも都会やテーマパークにあると存在感が半減するように思います。直島の自然や歴史の中にあるからこそ、人間が創るものって面白いなって思えます。Yayoi Kusama Official Site
2011.04.06
草間彌生「南瓜」子どもたちと3人で直島に行ってきました。瀬戸内海の自然と安藤忠雄さんの建築と現代アートを堪能してきました。今は日本中が震災から復興に向けて立ち上がらなければならないときですが、日本の方向性を考える場所としては最高かもしれません。厳しくもあり美しくもある自然と人間はどう向き合っていけばいいんだろう?人間らしく生きるってどういうことなんだろう?一体私たちは何をしてきたんだろう?そんなことを考えさせてくれる島でした。しばらくは直島のことをアップしていきたいと思います。参考サイトベネッセアートサイト直島素顔の直島
2011.04.06
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