《櫻井ジャーナル》

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2020.07.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 アメリカ海軍の空母、ロナルド・レーガンとニミッツを中心とする空母打撃群が南シナ海に入り、軍事演習を実施したと伝えられている。中国は「海のシルクロード」と「陸のシルクロード」を組み合わせた一帯一路、あるいはBRI(帯路構想)と呼ばれているプロジェクトを推進しているが、南シナ海は海のシルクロードの東端にあり、中国から見ると出発点。重要な場所ということだ。

 アメリカが敵視しているもうひとつの国、ロシアはシベリア横断鉄道を延長して南下させ、朝鮮半島の南端までつなげ、それと並行してパイプラインを建設しようと計画している。

 そこでドミトリ・メドベージェフはロシアの首相だった2011年夏にシベリアで朝鮮の最高指導者だった金正日、つまり金正恩の父親と会い、110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにするだけでなく、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案している。

 アメリカは2014年にウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターによって傀儡政権を樹立、香港では配下のグループに「佔領行動(雨傘運動)」を実行させて中国政府を揺さぶった。ロシアと中国を同時に屈服させようとしたわけだ。「唯一の超大国」ならできると考えたのだろうが、これは思い上がりだった。

 そうしたアメリカの行動が引き金になって中国とロシアは接近し、2015年に中露両国は陸のシルクロードとユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結させると宣言、実際に両国のプロジェクトは一体化しつつある。中露は「戦略的な同盟関係」に入った。

 こうした動きはアメリカの支配層にとって青天の霹靂だったようだ。中国は1980年には新自由主義を導入、そのイデオロギーの教祖的な存在であるミルトン・フリードマンが中国を訪問してからアメリカは中国を自分たちの影響下にあると信じていたからだ。

 しかし、1980年代の後半になると新自由主義による社会の歪みが深刻化、88年に実施した「経済改革」は深刻なインフレを招き、社会は不安定化して労働者などから不満の声が高まった。

 そこで政府は軌道修正を図るのだが、その方針をアメリカの支配層は怒る。エリート学生も「改革」の継続、つまり新自由主義の維持を求めた。そうした学生に支持されていたのが胡耀邦や趙紫陽だが、このふたりの後ろ盾だった鄧小平は軌道修正に賛成する。

 学生運動の高まりに対する責任を問われて胡耀邦は1987年に総書記を辞任、89年に死亡。その死を切っ掛けに天安門広場で大規模な抗議活動が始まり、5月に戒厳令が敷かれ、6月を迎えた。西側では天安門広場で虐殺があったと宣伝されてきたが、本ブログで繰り返し書いてきたように、そうした事実はなかった可能性が高い。治安部隊とデモ隊が衝突したのは広場から少し離れた道路上で、そのデモ隊の主力は新自由主義に反発していた労働者だった。そこでは双方に死傷者が出ている。

 こうした動きの背景にはアメリカ側の状況が反映されている。1989年1月にジョージ・H・W・ブッシュが大統領に就任、ブッシュはその年の4月にジェームズ・リリーを中国駐在大使に据えた。

 ブッシュは父親がウォール街仲間のアレン・ダレスと親しかったこともあり、エール大学時代にCIAからリクルートされた可能性が高い。同じ頃にリリーもエール大学でCIAに雇われたと見られている。そうしたこともあり、ふたりは親友だ。ちなみにリリーの前任者であるウィンストン・ロードもエール大学の出身で、やはりCIAだと見られている。

 その後、アメリカと中国は関係を修復したが、2014年から15年にかけての時期に破綻した。アメリカはイギリスの長期戦略を引き継いでいて、ユーラシア大陸の周辺を支配して内陸部を締め上げる態勢を整えている。その締め上げる沿岸部の東端が日本。

 何度も書いてきたが、その長期戦略において日本列島は侵略の拠点であり、日本人は傭兵と見なされている。当然、その戦略にとって邪魔な存在は排除されてきた。明治政府は琉球を併合し、台湾へ派兵、李氏朝鮮の首都を守る江華島へ軍艦を派遣しているが、これはイギリスの長期戦略に合致している。その後、日本では「反亜教育」が徹底されたが、それは日本人がアジア侵略に反対しないようにするためだ。その洗脳は今でも生きている。

 現在のアメリカの動きを理解するためには、こうした戦略を知る必要がある。アメリカ軍とその傭兵の自衛隊が沖縄で行っていることもこうした戦略に基づいている。

 安倍晋三は2015年6月、赤坂にある赤坂飯店で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「​ 安保法制は、南シナ海の中国が相手なの

 当然、こうしたことを理解している中国はロシアとの関係を強化、エネルギー資源を確保しようとしている。またマラッカ海峡から南シナ海までの航路を避けるためにミャンマーでパイプラインを建設、パキスタンでも輸送路を作ろうとしている。

 そこでアメリカはミャンマーの軍事政権と話をつけてアウンサン・スーチーを送り込んだが、このスーチーがアメリカから自立する道を歩み始めた。最初から同じことをしていた彼女が突如、西側で批判されるようになったのはそのため。カシミールで軍事的な緊張が高まっているのも背景は同じだ。






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最終更新日  2020.07.08 13:53:34


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