confuoco Dalnara

歌追い人


アパラチアの山奥で200年近く歌い継がれてきたBalladは
古風なうねるような旋律だった。
こぶしがきいた、というのだろうか、専門的なことはよくわからないけれど、
時間の波にあらわれてつるつるになってしまった歌とはちがう、
剄さ、太さの残る節回しだった。

「山の人」という呼称は蔑称のようだった。
100年位前の山岳地帯の人々の生活は
楽なものではなく
毎日顔を洗うこともできない/しないということが画面から伝わる。
だから『風の谷のナウシカ』の山の人ではなく、
今年観た『おばあちゃんの家』の生活を思い浮かべた。
私たちの口から出るのは散文ばかりだけれど
山の人たちは歌で会話をしているようにも感じた。
厳しい環境と純粋に甘い歌の対比が胸に沁みた。

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