confuoco Dalnara

make’n’take


白い回廊、柱廊のあいだで師匠の若き日のすがたに相まみえた。
酒(と詩の?)神・Dionysusに会えたのはとてもexcitedだった。

めぐった順番につらつら書き留めると...
入館券が興味深い。時間まで書いてある。
閲覧室を訪ねたマルクス、レーニン、ドイル、熊楠の署名を見ることができて
感慨深い。
熊楠のとったノートは、英語の中にギリシャ語がまじっていて
その語学力と天才ぶりに感嘆した。
門番のおなかをつきだした姿が
アリスの本に出てくるハンプティ・ダンプティみたいでおかしかった。

リラの弦はなにでできているのだろう、どんな音がするのだろう。
4千5百年も昔のものとはおもえない。ラピス・ラズリが輝いている。
時を越えていろいろな土地のさまざまな時代のものと
出逢えるのはすごいなぁ、と思う。
make’n’takeと記したように、作るひとがいれば取るひともいる、という思いは消えないけれど...。
瀕死のライオン、血管の浮いた顔が痛ましいけれど
その表現力に圧倒された。
名もなき作者の技につよく惹きつけられた。

ミイラマスクの鮮やかさに目を瞠る。
現代より頭が小さく(小顔?)奥行きがあるかたちのような気がした。
ミイラは小さかった。
ほんとうはみつめるのが失礼な気がした。
静かな眠りの国から喧騒のなかに連れ出されてしまった死者...
でも、楼蘭の美女とちがって
すべて布で巻かれているので
彼女もぶしつけな視線の矢は感じなかったかも、とも思う。
死者の書を見れたのもexcitingだった。
文字や像がくっきりしている。

2本指形護符の2本指(人差し指と中指?)はどういう意味があるのだろう。
心臓の形の護符だって驚きだ。
心臓の形を知っていたんだ!
私たちの世界では『ターヘル・アナトミア』の出版はオランダで1734年に
『解体新書』は日本で1774年だよ...。

『エトルリアの壺』の本に出てくるのはこんな壺かなぁ、
赤像式酒杯を見てそう思った。

金貨の意匠がおもしろい。
マケドニア王国時代やローマ王国時代は
皇帝の肖像だけど、
出品されていたケルトの金貨の意匠は抽象的な文様のようなのもあって
対比が興味深かった。

デューラーの「騎士と死と悪魔」や「メランコリア」の実物を見ることができて
またまたexcited。教科書で見るだけだった作品を間近で見れたから...。
絵の中に魔法陣が描かれていておもしろかった。34になるのだったかな。

ダ・ヴィンチの戦闘車両は火星人の乗る宇宙船のよう。
ミケランジェロの素描はやわらかく美しく、絵葉書を買った。
レンブラントの「三つの十字架」の2枚は表現方法が異なっていて興味深い。
ゴヤの闘牛の絵はとてもいきいきしていて情景が目に浮かぶようだった。

アラスカやカナダの住民の衣服の模様も
シンプルだけれど深い意味がこめられているようでじっと見つめてしまった。
とっても気に入ったのがマーシャル諸島の海図。
木の細い棒を横と斜めに組み合わせて位置や波を表し
ちいさな白い貝を木が交差するところにつけて島を表しているそう。
天窓があって星空のみえる子ども部屋にこの海図を置いたら
船に乗って旅をする夢が見られそうな気がした。

半島のはひとつだけ。
青磁鉄絵唐草文梅瓶。
いちばん地味な(?)作品のような気がした。
星型のタイルはイランあたりのもの。
トルコのトプカピ展でみた紋様を思い浮かべた。
同時にテロのことも...。

見るものがあまりに多かったので
機会があればもういちど行きたいな、個々の印象もだいぶ忘れてしまっているし...。

大理石の像にはどこどこ産の大理石、とキャプションがつけられているのがおもしろかった。
産地によって白さがちがうからかなぁ、味もちがったりして。
Dionysusの像はたしか荒粒大理石製らしいので
近づいて肌のなめらかさをたしかめたけど、そんなにきめの粗い肌でもなかった。
Bacchusの絵は、酒太りのおっさんぽく恵比須っぽく描かれているのしかしらなかったけど
Nietzscheを読んだときもそういう姿しか頭に浮かばなかったけど
この大理石の像は爽やかで素敵だった。Beaujolais Nouveau みたい。
ディオニュソス師匠、Master Dionysus、こんどまた酒についてもっとおしえてください!

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