この門はくぐることができないけれど... Suh Do-Hoの2001年の作品、 '348 West 22nd St., Apt A, New York, NY 10011' 薄紅の布の家は中に入ることが出来る。 1999年の'Seoul Home'は 今回の門のように天井から吊り下げられ、頭上に影を落として 距離がある。
なんとなく'a feeling of being neither here nor there'、 蜃気楼のような気分の作品。 淡い薄絹の質感と、縫い重ねられた布が作るグラデーションが ポジャギを想起させもする。
「建築の20世紀展 」("At the End of the Century : One Hundred Years of Architecture")で コンペに勝たなかった設計は 現実の建築物とはなりえず、 すぐに忘れ去られる空間的な儚さがあると思ったのだが 砂上の楼閣、蜃気楼、そして幻のようなこの布の門は 空間的な儚さというよりは追憶のようなものも感じられる。 Suh Do-Hoにとっては 幼い時代も当時住んでいた家も、遠く儚いのだろう、but it's 'Home'...。