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原題: THE OTHER BOLEYN GIRL監督 : ジャスティン・チャドウィック 原作 : フィリッパ・グレゴリー 出演 : ナタリー・ポートマン 、 スカーレット・ヨハンソン 、 エリック・バナ 、 ジム・スタージェス 、 エディ・レッドメイン 、 アナ・トレント 公式サイトはこちら。<Story>16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿(マーク・ライランス)は一族繁栄のために才気あふれる美しい娘アン(ナタリー・ポートマン)を国王ヘンリー8世(エリック・バナ)の愛人に差し出すことを目論む。ところが、王の心を捉えたのはアンの妹で凡庸だが気立ての良いメアリー(スカーレット・ヨハンソン)だった。一家は宮中に移り住み、メアリーは王の子を身籠る。一方、妹に栄誉を奪われたアンは一時フランスへ追放されるが、やがて呼び戻され、大胆にも王妃の座を狙って策略を巡らすのだった。ブーリン家の姉妹 - goo 映画<感想>ようやく鑑賞できました。観たくて観たくてしょうがなかった1本。女は、男の出世や快楽のための道具なの? そう叫ぶレディ・エリザベス・ブーリンの願いも虚しく、ブーリン家の姉妹は歴史に翻弄されていく。 16世紀のイングランド。女は通貨のように取引されるのが当然であり、妃や愛人となって出世することはすなわちその一族の繁栄を表していた時代。この映画の構成する上で重要な要素として、ナタリー・ポートマン演じる姉、アン・ブーリンと、スカーレット・ヨハンソン演じる妹、メアリー・ブーリンの対比がかなりの比重を占めており、彼女たちの魅力も相乗効果で引き出されている。(c) 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved史実ではもう有名なお話です。実際は、メアリーが姉、そしてアンが妹という設定。この映画では姉妹の順を逆にしています。思いもかけず、先にヘンリー8世の愛人となった無欲な妹・メアリー。心優しく、地位や名誉よりは自分を愛してくれる男性と巡り合いたい。そんな彼女は、日々策略と闘っている王の孤独に触れ、そして素直に王を愛していく。だが一族に希望を託され、野心を持って王に近づく姉・アンと、気まぐれな王の心変わりによって、彼女の束の間の無償の愛も終わっていく。(c) 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved生まれながらにして利発な子っているもので、たぶん姉のアンはきっとそんな子だったんじゃないかと。一を聞けば十がわかる、打てば響く、そんな女の子のイメージ。ですがその利発さが、女の場合、時に邪魔をすることがあります。相手と共存できる聡明さならよいのですが、自分の存在を上げたいがために相手をやり込めてしまうものになると、その利発さは相手に疎まれてしまう。だから頭のよい女性は、身の処し方を考えないといけない訳です。愛の駆け引きの場合、相手の男性が必ずしも利発な女性を求めているわけではなく、側にいてくれるだけで満たされる魅力をもった女性がいいってことはよくある話なので。(c) 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved女として絶対の揺るがない愛が欲しい。そして社会的にも一番の地位を求めたかった。そのために策略を練った姉・アン。初めは王の心を惹きつけることに成功するが、1人の女性の存在が政治を変え、宗教を変え、国を変えてしまう恐ろしさに気がついて行く王は、次第にアンに対しても猜疑心を抱き始めて。そこで彼女が考える策略、これが結果、悲劇に繋がる。利発さも時には考えもの・・・ 自分の人生も含め、全てを狂わせてしまった存在である姉なのだが、それでもなお彼女を支えていきたいと願う妹。野心が歪んだものであり、そして質素であることが限りなく自然体に見える瞬間。どこまでいっても対照的なものを提示することによって、ラストの悲劇を際立たせる。 自尊心が強くて頭脳明晰、勝気な姉アンをナタリー・ポートマン、 そして心優しく状況が読める妹メアリーをスカーレット・ヨハンソンが演じている。 2大女優の共演、というところに注目が集まっているが、このキャスティングは正解。 ナタリーはどことなく冷酷な感じを醸し出すことに成功しているし、逆にスカーレットは、全てを忘れさせてくれるような素直さを備えて、謀略の渦に巻き込まれた男が思わず引き寄せられてしまう、温かみがあるキャラクターを出している。善きにつけ悪しきにつけ、2人の女優の素の部分を引き出せたのが、この映画にさらに魅力と深みを添えることとなった。 エリック・バナ演じるイングランド王ヘンリー8世。これはもう古今東西、王であるが故、血族を保つが故の男の勝手さ? ですね。あとはジム・スタージェスくん。最近注目株の彼、重要な役でここにもご出演です。彼のような存在があって、後のエリザベス・ゴールデンエイジが訪れたのもまた事実。*********************************今日の評価 : ★★★★★
2008.10.28
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映画5~6本の記事の間に、パンの記事っていうのが定着しつつある今日この頃(笑先日、フルーツチップを使ったんだけど、富澤商店さんで一緒に買っておいた、それのブルーベリー味を今回初めて使ってみました^^このフルーツチップは、加熱すると溶けるので、パン生地に混ぜ込むと、ちょうどいい感じに、ジャムの混ぜ込みみたいになるのよ。ブルーベリーフルーツチップ山食 1 posted by (C)rose_chocolat何となく、オーソドックスに山食にしてみたんだけど~ちょっと、フルーツチップが溶け出しているところが、たらぁ~~~って してる!?なんか、ホラーちっくね。。。 笑で、切って見るとこんな感じよ。ブルーベリーフルーツチップ山食 2 posted by (C)rose_chocolat断面はとても鮮やか~な感じ。本来のブルーベリーよりも明るめな色ですよね。ブルーベリーフルーツチップ山食 3 posted by (C)rose_chocolat朝ごはんのプレートにしてみました。かなりかわゆい!?この彩りって少女ちっくな感じじゃないですか??食べてみると、ふわんとした生地に、ブルーベリージャムの甘味がほんわかしてて、いい感じ~♪さてさて、またまた、嬉しいプレゼントが我が家にやってきております。。。s-DSC02658 posted by (C)rose_chocolatシネトレさんから、「Cinema Table 映画の中のレシピ」という本を、抽選でプレゼントして下さるということで応募しましたら、見事に^^ ゲット♪まあ、私に下さるなんて!!すっごく嬉しいわよ~。本の内容を、ちょっとだけお目にかけますと。。。。s-DSC02659 posted by (C)rose_chocolatこの本は、映画の中に出てくるお料理やお菓子、パンなどを、とてもスタイリッシュに本にして下さっています。とにかくお洒落。とても私はこんなにはできないけど~ちょっと気になるレシピもあるので、そのうちまた作りたいと思います。この本、気になる方はぜひ、見てみて下さいね。
2008.10.27
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監督 : 大林宣彦 原作 : 重松清 脚本 : 市川森一 出演 : 南原清隆 、 永作博美 、 筧利夫 、 今井雅之 、 風間杜夫 試写会場 : 有楽町朝日ホール公式サイトはこちら。「第21回東京国際映画祭」公式サイトはこちら。TIFF『その日のまえに』のページはこちら。<Story>育ち盛りの2人の息子を持つとし子(永作博美)は突然、病に倒れ余命を宣告される。“明日”を断ち切られたとし子は、夫・健大(南原清隆)とともに“その日”に向けて、子供たちの将来のことなどを相談したり、かつて結婚当時に暮らした街を訪ねたり、残り少ない日々を考えながら一所懸命生きていく。その日のまえに - goo 映画<感想>この日の2本目。急遽試写会があったので行って来ました。峰岸徹さんの遺作ということで大変興味があり、彼が一体どういう風に出てくるのかがとにかく気になって。大林監督作品は、『ねらわれた学園』『転校生』『さびしんぼう』などで昔観た記憶がありますが、正直ご無沙汰ですね。尾道3部作、あるいは少年少女向けの作品、というイメージが自分の中では強い。そして原作は重松清さんです。中学受験頻出度No.1作家としてもよく知られているくらいですから、おのずと彼の小説も少年少女の登場が多いです。このお2人のコラボ作品ですから、恐らくはある方向に誘導があって、しかもその作風が馴染むか馴染まないかが、この作品をいいと思うかそうでないかの分かれ目になるであろうとは大体は予想していました。予告やチラシ、ネットなどでおおよそのあらすじは出ていますので、そこから類推して、『おくりびと』系? って考えていたんですが・・・若干、と言うよりはかなり違う方向。「家族の死」がテーマなはずなのに、シリアスな部分はほとんど見えてきません。むしろ、死に際して、あんまり悲しまないで迎えられたら・・・ という雰囲気。原作は未読ですので何とも言えないのですが、こんな風に淡々と、家族の死を迎えること、実際は無理だと思います。自分が苦しむ姿を子どもたちに見せたくないから、元気な時に子ども達は病院に連れて来てね、と言われたって、子どもたちにしてみれば、母親と会いたい、話したいと思うのは至極当たり前の感情だと思います。それを母の側から封じてしまうのはどんなもんなんでしょうか。私だったらできないな。(C)2008『その日のまえに』製作委員会自分が死んでも、時は流れていくだけ、だからそんなに悲しまなくていいから。遺されるあなたたちは生きていくより他にない。だから私がいなくなっても、そんなに悲しまないでほしい。そんな想いがあったからこそ、永作さん演じるとし子は自分を封じ込んで、生き生きとした姿を見せたかったのかもしれません。南原さんとの夫婦役に違和感を感じる方も多いようですが、私はこれはこれでありかと思いました。わざとコメディに持って行っているわけではない。彼らもまた1つの夫婦のあり方だよと提示しているわけですから。彼らは彼らで最大限お互いを尊重しているからこその行動であり、またお互いのセリフになって表れてくるわけです。もうすぐパートナーを失う悲しみ。愛が深ければ深いほど離れ難いのに、それを見せまいとする。それは遺される者たちへのせめてもの思いやりなのでしょう。そして、そうでもしていかないと、迫ってくる「その日」、死の恐怖が纏わりついて離れなくなってしまう・・・ 時折見えるとし子の行動にもそれは垣間見えます。自分は今健康ですが、もしもたくさんの愛すべき人たちや、未練を遺してこの世から去らなければならないとするならば、その時はいろんなこと考えてしまうんだろうなと思います。そういう時っていったい自分はどんな行動をするのか。それはその人にしかわからないことですから。いろいろな要素もこの映画の中にはありました。宮澤賢治の「永訣の朝」を歌にしてしまう感覚。それを透過させて、詩の世界と劇中の「生」と「死」をつないでいく。それ自体はとてもよく知られている詩ですので、この映画と重ねて観ることができるかどうかがポイントかと思います。そして、いろいろと出てくる回想のシーン。これが映画の筋とはちょっと違う雰囲気で入ってくるため(しかも回数が多い)、ここに馴染めないとフィルム全体としては違和感残ってしまうかもしれません。そして峰岸徹さん。ほんの短いシーンですがご出演されました。きりっと、引き締まった表情で。全てを見通していたようなお顔でした。今となっては本当にご冥福をお祈り申し上げるしかないのですが、またお1人、いい役者さんがお亡くなりになったなと。*********************************今日の評価 : ★★★
2008.10.24
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監督・脚本 : 三原光尋 出演 : 中谷美紀 、 藤竜也 、 田中圭 、 下元史朗 、 木下ほうか 、 山田雅人 、 甲本雅裕 、 平泉成 、 八千草薫 鑑賞劇場 : シネスイッチ銀座公式サイトはこちら。<Story>港町の片隅にたたずむ“小上海飯店”。店主の王さん(藤竜也)が心を込めて作る料理を食べに、地元のお客さんで一杯の店に現れる貴子(中谷美紀)。貴子の、デパートへの出店要請を、即座に断る王さん。だが、貴子は諦めずに、客として通い続ける。トマトと卵の炒めもの、加賀芋の煮込み、蟹シュウマイ…。仕事を離れ、心から味わう貴子に、忘れていた笑顔が戻る。そして、王さんの突然の病と店の存在の危機に、貴子が一大決心。「会社辞めました。私に料理を教えてください!」再び開店する日を目標に、二人三脚の修行生活が始まる…。(作品資料より)しあわせのかおり - goo 映画<感想>とにかく予告のお料理がおいしそうでたまらなくて、これは絶対に観ようと思ってましたので。。。ジュワ~っと音を立てて出来上がっていく中華料理の数々。。。 たまりません^^実はシネスイッチで上映されていたもう1本、『マルタのやさしい刺繍』が観たかったんですが、もんのすご~~い人!!朝から「立ち見」だったそうで・・・ここでしか関東では上映がないみたいで、お客さんが集中しそうです。いくら何でも立ち見は、と思ってこちらに変更。早く拡大上映していただけないかしら。ですが『しあわせのかおり』も、かなりお客様入ってましたけどね。でもこれもとても観たかったので、かえって座れる余裕があってよかったかも。金沢の小さな中華料理店を営む初老の男・王、そしてそこに関わっていくうら若き女性・貴子。最初は商売がらみ、だが次第にその店の料理に惚れこむ貴子。それだけの魅力がある料理って素晴らしい。ただ「美味しい」だけではないんだろうな・・・ って感じます。その作り手の「こころ」が入っていないと、料理って人の感動を誘うことはできません。中国から渡ってきた時の想い、家族に対しての想い、映画の中で語られていく様々な想いが、王さんの料理にはきっと込められているのでしょう。そしてまた貴子も、自分自身の想いに押しつぶされそうになりながら生きている。そんな毎日に出会った料理。沁み渡るように身体に入っていくという感覚、そんな料理に出会えることが何ともうらやましくもあります。(C)2008「しあわせのかおり」製作委員会両者に共通しているのは、「再生」ということ。今まで起こってきたことからは逃れられない。だが、そこから先をどうやって生きていくのか。忘れればいいじゃない・・・ と人は簡単に言うが、どれだけの時間をかけたって忘れられないものがある。自分が今、必要としていることに打ち込んで行く。そのことによって癒えていく傷がある。とことん向き合って取り組んで。その中で確実にスキルとなるものがあり、評価もされて、自分の居場所ができて、傷口が少しづつふさがっていって。再生とは、ゆっくりと、ゆっくりと、行われていくものだから。中谷美紀さんは、あの華奢な身体でちゃんと中華鍋を振っていて、やらせなしでちゃんとお料理を作るところが収録されてました。いつも彼女のプロ意識には感心させられるんですが、今回もですね。中華鍋の「鍋振り」って、コツを覚えないと大変難しい。ただ力だけで振ったら身体痛めちゃいますから。中華料理の火力を鍋全体に均一に行きわたらせるためには、相当な技が必要なんですが、見た感じ彼女の鍋振りはとてもしっかりとしていたように思います。すごいですよね。そして藤竜也さんもちゃんとお料理シーンをこなしておられて。千切りなんてとてもお上手です。手元もきちんと写ってましたから。そしてこの映画で出てくる中華料理は何と50種類! どれも大変美味しそう。小上海飯店には「海定食」「山定食」があり、「海」だとエビチリとか鯛の蒸し物とかが出てきて、「山」だとトマトと玉子の炒め物や、鶏肉のから揚げのようなものが出てくるんですよね。それに小鉢とかご飯、副菜、麺なんかがついててね。あと極めつけは蟹しゅうまい・・・ いや~美味しそう♪ (→ そればっかり)下の写真はセットからのものです。(C)2008「しあわせのかおり」製作委員会伝えたいことはしっかり伝わっているし、視覚的にも(特に料理などはね)十分満足なのですが、ところどころ間延びしてしまったり、逆に肝心な説明がなかったりした部分がありました。すごく絶賛したいんですができないのはその点なんですね。ですが物語としては王道を行ってますし、紹興ロケも興味深かったです。美味しいものが大好き、温かい気持ちにさせられたい、そんな時にはいい1本じゃないでしょうか。*********************************今日の評価 : ★★★☆
2008.10.24
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原題: En la Ciudad de Sylvia監督: ホセ・ルイス・ゲリン出演: グザヴィエ・ラフィット、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、ターニヤ・ツィシー鑑賞劇場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ「第21回東京国際映画祭」公式サイトはこちら。『シルビアのいる街で』のページはこちら。<Story>ある町で若者がひとりの女性を見ている。しばらくして、彼は別の女性を見る、そしてまた別の女性を…。6年前に出会った女性の面影を探して青年が街を歩く。究極的に静かでシンプルな設定の中に、これぞ映画という光が溢れる至福の映像詩。2007年ヴェネチア映画祭コンペ出品作。<感想>TIFF22日の2本目はこれ。プロモ写真がとても素敵だったので、ついついチケを買ってしまいました^^青年は、ひたすら女性たちを目で追いながら、忘れられない女性を探しているのでしょうか。今までの人生で出会った中で、どうしても忘れられない女性。何となくここのあたりは、男のロマンのようなものを感じてしまいました。それにしても、カフェで過ごす女性たちの美しいこと・・・。座っているだけで見事に絵になります。何気なく髪をかき上げたり、連れと話をしていたり、眺めるともなくどこかを眺めたり。動作そのものが無意識のうちにも美しいのです。上映後、ホセ・ルイス・ゲリン監督によるティーチ・インがありました。以下は監督のコメント。「自分は、この映画自体の中にたくさんのことを投げかけています。この作品で目指したこと、それは、フィクションの中にドキュメンタリーの手法を取り入れたかったということ。フィクションですから、全てのことに厳密に指示を出したわけではないです。雰囲気を盛り上げてもらいました。小津安二郎のような映画を撮りたかった。いろんな要素をコントロールしたつもりです。カフェの観客たちは完全に自分がコントロールしています。音の設計についてですが、撮影の前にまず音を録音して、それを聴いた後にシークエンスを作っていきました。主人公が立てる音、そして周りの音との対立を出して行きました。舞台は、フランス・ドイツ国境のストラスブールという街。ここは、どこどこの国という定義がなく、背景にもさまざまな言語が使われていて、どこにいるかわからない不定の要素が、観客に不思議な感覚を起こさせています。」ストーリーというよりは、視覚的効果や音の効果を楽しむ映像のようです。市電がたくさん使われているのですが、よく見るとその窓に映る映像なども仕掛けがしてあるようです。また、主人公たちが歩く街角などにも、監督が意図して作ったような痕跡もあって。エフェクトを映画に求める方にとっては非常に気になる映画ではないでしょうか。ただ、自分としてはこの作品、今一つ心には響いてはこなかったですね。あの終わり方でよかったのだろうかなと。。。今日の評価 : ★★
2008.10.22
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原題:LA GRAINE ET LE MULET監督:アブデラティフ・ケシッシュ出演:アビブ・ブファール、アフシア・エルジ、ファリダ・バンケタッシュ鑑賞劇場:TOHOシネマズ六本木ヒルズ「第21回東京国際映画祭」公式サイトはこちら。『クスクス粒の秘密』のページ。<Story>チュニジア系フランス人家族のクスクス料理店開業騒動を尋常でない緊張感で描く。ケシッシュ監督のアクの強い演出が鮮烈。<感想>TIFFですが今年も1日しか恐らく参加できないと思われまして、22日に2本観ることにしました。WORLD CINEMAから2本ともチョイスしました。フランス映画ながら、大きな社会的問題となっている移民について描いているようですので、その辺りからの関心もあってこれにしました。フランスに移民してきた人々のお話。 移民の厳しい状況、迎えるフランス人の意識、そして移民先での離婚・再婚・ステップファミリー。現代フランス事情といった感じです。 それを、クスクス店開店をめぐるよもやま話に絡めて描いていました。 複雑な家族の事情が浮かび上がってくる。 父の再婚相手とその娘にだけは負けまいとする、実の娘たち。 実の娘たちにバカにされてなるものかと、一生懸命手伝う義理の娘。 夫や姑、小姑たちに尊重してもらえないと嘆く嫁。 お世辞にも商売向きとは言えない、初老の男と、出来の悪い息子たち。 みんな精一杯虚勢を張っている。 その中で光るのが、義理の娘。 新しくお父さんになってくれた人に報いたい、今度こそ一緒に幸せになりたい・・・ そんな彼女は持ち前の才能で商売を立ち上げる。 そして窮地が訪れた時に、身体を張って義理の父を救おうとする。 新しいお父さんのために、そして自分の大切なお母さんのために。 彼女のベリーダンス。若いのに、お腹にうっすらと乗った脂肪が、彼女が躍るとぷるぷると揺れている。でもその揺れが、そして、踊ると光って流れ落ちる汗が何とも官能的。 祖先からの血の流れが彼女に集まっている。そして今、異国でしっかりと生きて行こうとしている姿。 母親を一生懸命説得している姿が素敵でした。どっちに転んでもブラックユーモアな展開が逆に面白い。 2時間半強の長尺ですが、とても見ごたえありました。 *******************************今日の評価 : ★★★☆
2008.10.22
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監督・脚本 : 河瀬直美 出演 : 長谷川京子 、 グレゴワール・コラン 、 村上淳 試写会場 : 新宿安田生命ホール公式サイトはこちら。<Story>人生のリセットを求めてタイに着いた日本人女性・彩子(長谷川京子)が、タクシーに連れて行かれたのはホテルではなく森の中。その川のほとりでフランス人青年グレッグ(グレゴワール・コラン)に出会った彩子は、彼が同居するタイ人母子の住む高床式の家に連れて行かれる。言葉も通ぜず、ここがどこかもわからない彩子だが、不安と苛立ちの中でそこで受けた古式マッサージで心の安らぎを得ていく。少しずつ周囲と調和していく彩子は、そこで七つの夜を過ごす。七夜待 - goo 映画<感想>河瀬直美監督作品って実は初めてです。昨年観たいと思ったのですが、上映館が少なく、時期もとても短くて行けない。DVDを家で見るのが苦手なので(中断されるから)、借りてきてはいないんですが、いい機会だと思って鑑賞してきました。タイに1人で日本人女性が旅をする、という設定。アジアって好きですので、どんな旅が始まるのか、と思っていましたが。・・・・うーん。何と書けばよいのか、難しいです。旅先で出会う人、起こる出来事が、モチーフとしてぽとん、ぽとんと置いてあるんです。ですが、そのつながりっていうのが見えてきません。初めに出てきた人。その人には、最後には彩子は全く違う気持ちで接しているのですが、その気持ちの変化の過程が出てきません。『七夜待』ということだったんですが、本当に七晩経ったのかということもはっきりとはわかりませんでした。一切の説明がないまま進んで行く映画、ということで、初めに私が浮かんだのはこちらの映画でした。これには「非日常」というテーマがあり、出来事もそこにほぼ固定されているのですが、『七夜待』にはもっと出来事が生々しく起こってきます。起こってくるのですが、それがどう展開するのかが見えてきません。旅先で図らずも知り合った人たち。その人たちが抱えている心の傷に触れたから、彩子は自分を解放することができたのか? そのくらいしか解釈が思いつきません。あと、時折映像に挿入されてくる、あらすじと全く関係ない男性と彩子との絡みのシーン。これの意味が分からなかった。これは必要だったのだろうか。性的なニュアンスを入れたことと、彩子がタイで直面している出来事を結び付けているのか、それともこのことが彩子がタイ1人旅をするきっかけになったのか。分からなかったな。。。そしてこれは現実的な話としてですが、片言の英語もできない女性が海外を1人旅するというのは、実際いかがなものでしょうか。自分の身に危険が降りかかった時に、状況を説明できるくらいはしないといけないんじゃないかなと。まして、相手の言っていることが分からない時に、"I don't know." くらいは言えた方が。。。 「わからない!」だけで押し通してしまえるほど、世界は甘くないような気がするんですけど。この映画では、長谷川さんはほとんどノーブラ、タンクトップの衣装です。それで大きく伸びをしてみたり、前かがみになってみたり。これでは何かあったって文句は言えません。全体的にあまりにも無防備過ぎますし、旅行の下調べもないし。環境系のプロモーションビデオや、観光地のPRならこれでもよいと思います。ですが映画としては、観客にわかるものがないと、ちょっと厳しいのではないでしょうか。「わかる人だけわかってくれればいい」、そう言われてしまいますと、はぁ、じゃあ私はわからなかったから・・・ と、言うよりほかにありません。こういう作風だから、と思うよりほかになさそうです。今、書きながら思ったのですが、彩子が「わからない」を連発したように、観客にも「わからない」状況に陥ってもらって、そこから何かを考えてほしかったのか? と、そこまで想像してしまいましたが。。。。タイが舞台ということで、タイ関連のスポンサーがたくさんついていて、そのどれもが、この映画によって癒されて下さい、と宣伝しています。癒されたかな?まあ、長谷川さんは頑張ったし、タイの自然が美しいのは認めますが。よくわからないまま、一切の説明がないまま、映画は終わってしまいました。*********************************今日の評価 : ★
2008.10.20
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原題: BE KIND REWIND監督・脚本 : ミシェル・ゴンドリー 出演 : ジャック・ブラック 、 モス・デフ 、 ダニー・グローヴァー 、 ミア・ファロー 、 シガーニー・ウィーヴァー 鑑賞劇場 : TOHOシネマズ川崎公式サイトはこちら。<Story>いまだにビデオテープしか置いてない街角のレンタルショップ。そこは30年代に活躍した伝説のピアニストの生家だというが、いまや再開発のため取り壊しの運命に。そんな中、店員のマイクは店長から店の留守を預かる。やる気満々のマイクだが、近くのトレーラーハウスに住む友人ジェリーが起こした「事件」のせいで、店の全ビデオの中身が消去されてしまう。困った二人は自分たちで映画をリメイクし、それを客に貸し出すのだが…。僕らのミライへ逆回転 - goo 映画<感想>実はこれ試写会が当選していたのですが、何とその日に義父が亡くなってしまいまして、当然のことながら行けませず。。。予告で、映画へのオマージュのようなものを感じ、また楽しそうでしたので応募した記憶があります。なのでぜひ観たかった1本。ポイント鑑賞ですので一応無料で観るという目標は達成しました(笑レンタルビデオ店に勤務しているんだけど、その商品の映像が消えてしまって、そのリメイクをする、っていうことなんですが、これがめちゃくちゃ面白い。リメイクなんていっても極めていい加減。主題歌まで歌ってますが全然違ってる(笑「・・・の、ようなもの」、なんちゃってリメイクなんですが、これが手作り感溢れていて楽しい。雰囲気だけだけどそれでも面白いしウケてる。(C)Newline Productions/Junkyard Productions館内はかなり人が入っていて、爆笑の嵐みたいな感じ。もちろん私も笑わせていただきました。このリメイクの元となった映画たちを観ていれば、その数の分だけ倍に楽しめること間違いなしです。実は私は『ゴーストバスターズ』しかちゃんと観ていないのですが。。。汗子どもだったり、映画鑑賞の空白期間がありましたので。でも、ここに出てくる映画たちは、それぞれがちゃんと名作と認められていたりするものばかりで、それを登場させてリメイクする過程がもう、たまらなくあったかい雰囲気なんです。そもそも、ビデオの映像が消えてしまうのは、ビデオテープが磁気だからであって、そこがもう1つ前の時代なんですよね。今ならDVD割ったりしない限りはそうそう映像は消えないけど。便利じゃなかった分、みんな手をかけたし、手をかけた分愛着が湧きます。ゴンドリー監督が、そんな感覚を大事にしたいっていう想いが伝わってきます。DVDプレーヤーじゃなくってみんなでワイワイ言いながらビデオを観たり8ミリを観たり。いつまでも、思い出を忘れないでほしい。 素敵な映画でした。この映画を観に来る人ってきっと本当に映画が好きな人なんだなあ・・・って、周りのお客さんを見ながらそう思いました。同じところで笑って、最後はみんなですすり泣いて^^こういう映画観るとすごくお得だなって思いますし、嬉しくなってしまいます。********************************今日の評価 : ★★★★★
2008.10.18
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どうしても、スーパーでロングウィンナーがあると買ってしまって、冷凍庫にストックしておく癖がついちゃいました。それは何でかって言いますと、いつでも、ジャーマンスティックが作れるようにです!!思い立ったらすぐ作れるように!だってこれ、うちでは一番人気の、ウィンナーパンですから。。。。ジャーマンスティック 081017 posted by (C)rose_chocolatこれを作ると必ず長男の入試を思い出す。入試の前にたくさん作って、2月1日に偶然同じ中学を受けることがわかっていた長男の友達に、入試会場で差し上げたから。男の子だもん、お腹空くの当たり前だよね。入試が終わってすぐに簡単に食べられるものを用意しておくのは非常に有効ですからね。頭使って闘って来たんだから、ブドウ糖のようにすぐに体内で活性化するものを食べたいと思うじゃないですか。そういう心理にも応えてあげたいのです。次男の中学の説明会にも着々と行って、願書を入手しています。そろそろ、戦いモード、出てきました。長男の時に、これ以上できないって言うくらい私も一緒に戦いましたが、今回は子どもが違うからね。。。 苦笑いつでも平常心、あきらめず、気合い入れていきます!!
2008.10.18
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原題: THE NANNY DIARIES監督・脚本 : シャリ・スプリンガー・バーマン 、 ロバート・プルチーニ 出演 : スカーレット・ヨハンソン 、 ローラ・リニー 、 アリシア・キーズ 、 クリス・エヴァンス 、 ポール・ジアマッティ 公式サイトはこちら。<Story>無事に大学を卒業したものの、人生の方向性を決められない21歳のアニー(スカーレット・ヨハンソン)。就職活動も上手く行かず、公園で途方に暮れていた彼女は、1人の少年を事故から救う。少年の母親ミセスX(ローラ・リニー)に名前を聞かれ「アニー」と答えたところ、彼女は「ナニー(子守り兼教育係)」とカン違い。こうしてひょんなことからX家の“ナニー”となったアニーは、5歳の息子グレイヤーに振り回されながら、アッパー・イーストの超高級アパートに暮らすX家の生活を観察し始める。私がクマにキレた理由(わけ) - goo 映画<感想>スカちゃんの秋の2本のうちの1本目です。可愛らしいというかコメディちっくな予告で、楽しみにしていました。それにしても、この邦題。そもそものテーマであるところの "nanny" が全く入ってないから、ベビーシッターとも違うことがわかりづらい。何で「クマにキレる」のかなんて、物語の最後にならないとわからない訳ですから、せめてもう少し気の利いた題はなかったものかなと思いました。NYで暮らすことはそれなりにステイタスではあるけれども、同時にそれを維持するためには相当なストレスがかかっているという話を聞いたことがあります。ここに出てくる、ローラ・リニー演じる子守の依頼主さんたちのものすごいこと・・・ 彼女たちは専業主婦なんでしょうか。 それにしても実にいろんな「会合」があり、それに参加することによって自分たちの社会的地位を誇示しようとするかのような姿勢は、「究極の専業主婦」になるための関門なんでしょうか。日本でもたぶん、セレブな主婦さんたちはそういうことしているんでしょうけど、その中にちらっちらっと垣間見える互いの家庭の中身、そしてそれを話題にされちゃうような世界は、見ていて実にいやらしいなと感じますね。で、彼女たちは何のためにnannyを雇うの?? って感じました。社会的活動は大事。でも家庭も大事。だけど面倒くさい子育てはイヤ。誰かにやってもらおうかしら。。。 でもそれには自分の指図を完璧に聞いてくれて実行してくれる人じゃないと困るし、大事な子供とも相性が良くないと困る。ただ仲がいいだけの相性じゃなくて、教育も授けてくれる人じゃないとね!・・・ って、どこにそんなことやってくれる人がいるのよー!! と言いたくもなりますよね(笑そんなにご注文が多いんならご自分ですればよいのにね~。母親なのに(苦笑そうして子どもに一心に注がれる愛情が多い分、自然と旦那さんがないがしろになることは間違いなく、不仲 → 離婚へまっしぐら。。。 という公式が成立していきます。実際にこういうご家庭があるからこそ、こういう話も出てくるのでしょう。「nannyとの関係を考える」みたいな講演会で顔を合わせた、nannyとその雇い主たちのご対面は、まるでアメリカ社会の経済格差を見せつけられるようでした。雇い主たちである専業主婦はほぼ100%WASPだったりセレブだったりするのに対して、雇われる側のnanny達の顔ぶれを見てみると、ヒスパニック系やアジア系の移民たちが多いんです。それだけ、nannyは必要とされてはいるけれど薄給だったり社会的地位が低かったりするわけです。だけどnannyだって人間なんだし、無理な注文ばかりさせられたらキレたくもなるわけで。(c)2007 The Weinstein Company, LLC. All rights reserved. それよりも何よりも気の毒なのは子供たちです。親に構ってもらえない寂しさからnannyに対して反抗したりいたずらしてみたり。迷惑被るのは周囲です。親の愛情を必要としている時に邪魔者扱いされてしまって、この寂しさの行く先をどこに持って行ったらいいんだろうね。。。 可哀そうに。 グレイヤーのふくれっ面を見ながらそんなこと考えました。育てないなら子どもなんて作らないでよ! って言いたくなるくらい、親たちは勝手でした。父親はビジネスと愛人三昧、そして母親は夫に構ってもらえない不満をたっぷりと溜めながらそのはけ口を求めるかのように社会的活動にのめり込んでいく。気がついた時は子どもがどういう状態になっているかなんてわかっていない。けど自分たちは中心になっちゃっているから、自分たちの方針が実に滑稽であることは絶対にわからない・・・ 見ている側としては面白すぎる設定ですね。ちょっと気になったのは物語の設定です。文化人類学を専攻したからと言っても、家庭の中に子守として入ることでその学問の足しになるとはあんまり思えないような・・・。児童学や社会学だったら参考にはなりそうですが。その視点で子守に入るのですから、長く真っ当に努めようとはさらさら思っていない。けどもうちょっと考えて他の仕事にするんじゃないのかなあ~ って私なら思う。そうすることでアニーが高いポジションに上って行ってしまったら、彼女はもしかしたら将来的にはnannyを雇う側になるのかもしれないですしね。・・・とまあ、そんな余計なことに思いを馳せつつも、自然体のスカちゃんの本音系の演技は久しぶりのような気がしましたので、その爽やかさにまたまた秋の2本目(→ これが大本命ですよねw)に期待を抱きつつ劇場を後にしたのでした。ここ数年は、役になりきらないといけない役が多かったような彼女でしたから、こういう、素に近い演技もたまにはいいものです。ラストに希望も持てましたし。あとは、アリシア・キーズですよね。。。 まさか映画に出るとは思わなくて、でもとっても素敵でしたし大人っぽい演技でした。願わくばサントラでも歌っていただきたかったけどね。********************************今日の評価 : ★★★☆
2008.10.15
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また久しぶりのパンネタですが f^^;富澤商店さんで、フルーツチップマンゴーというのを購入しました。これ、加熱するとジャム状になるので、パンやお菓子に入れると、その部分がジャム状になってしっとりして、美味しいのよ。Mintちゃんも日記で取り上げてたよね?今回買ったのは、このマンゴー味と、ブルーベリー味です。今日ご紹介するマンゴーのチップは、そんなに色がつかないので、見た目は入っているのかそうでないのかはわかりませんが、食べると生地が全然違うのでわかると思います。エキストラマンゴーココナッツ 1 posted by (C)rose_chocolat見た目はこんな感じですが。。。お約束の、断面見せですよ~ごろごろとマンゴーが入ってます^^このマンゴーは、缶詰の角切りを入れてますので、ジャムじゃないんですが、生地にはジャムが入ってますのでジューシー感いっぱいなんです。で、生地にはもう1つ、ココナッツパウダーも入っていて、上にはココナッツロングもあり・・・。 と、季節はずれなトロピカル!?エキストラマンゴーココナッツ 2 posted by (C)rose_chocolatジャムの分がジューシーなので、今までのフルーツ系パンよりももっともっとジューシーに!って考える人にはおすすめのフィリングです。
2008.10.15
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原題: GET SMART監督 : ピーター・シーガル 出演 : スティーブ・カレル 、 アン・ハサウェイ 、 ドウェイン・ジョンソン 、 アラン・アーキン 、 テレンス・スタンプ 、 テリー・クルーズ 、 デイビッド・ケックナー 、 ジェイムズ・カーン 公式サイトはこちら。<Story>極秘諜報機関「コントロール」で情報分析官を務めているスマート(スティーブ・カレル)の夢は、エージェントとなって活躍する事。ある日「コントロール」本部が犯罪組織「カオス」に襲われ、すべてのエージェントの身元が知られてしまう。そのため、顔が知られていないスマートはエージェントに昇格。整形した美人エージェント99(アン・ハサウェイ)と組んで、カオスの陰謀を暴く使命を受ける。張り切るスマートだが、失敗の連続。しかしついに敵ボスの居場所を突き止める。ゲット スマート - goo 映画<感想>ほとんど、アン・ハサウェイを観に行ったようなものです(笑何となく、予告も楽しそうでしたしね。試写会も気合を入れたんですが当たらず(涙) で、ちゃんと観に行きました。三連休疲れ?を吹き飛ばすには、笑いたい気分のこれをチョイスということで。予告にたがわず、面白い&ありえないエージェントたちですよね。もう、普通のというか、本当だったら、彼らは10回くらい死んでます(笑ですが、その「詰めの甘さ」がギャグなわけで。(C)2008 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITEDこういう系は、特にあらすじといったあらすじはなく、ただ敵を倒す!ということが命題なんで、そんなに語ることはありませんが(笑)、この雰囲気がこの映画の持ち味でしょうか。カレルのずっこけ振り、ハサウェイの、決まっているようで実は敵からしたら隙だらけな女エージェント振り(→ でも、カレルよりは全然使えるけど)とか。鉄道とクルマを使ったチェイスシーンは結構迫力ありましたね。あとはハサウェイの衣装かな・・・。『プラダ』でも決まっていたけど、ここでも女心をくすぐるようなファッションですから^^それから、自分的には、ダリーブ・シンがものすごく可愛くって(笑)、ツボでした。何も考えずに笑いたいときなんかにはお薦めですね。あとエンディングがMadonnaの"4 Minutes"(・・・だったと思ったけど)っていうのも、軽い感じで自分は好きでしたね。******************************今日の評価 : ★★★★
2008.10.13
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原題: YOUNG@HEART/YOUNG AT HEART監督 : スティーヴン・ウォーカー 出演 : アイリーン・ホール 、 スタン・ゴールドマン 、 フレッド・ニトル 、 ドラ・モロー 、 ボブ・シルマン 試写会場 :ヤクルトホール公式サイトはこちら。<Story>米・マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンにいる、平均年齢80歳のおじいちゃんとおばあちゃんたちで構成されたコーラス隊「ヤング@ハート」が歌うのはクラシックやスタンダードではなく、ロックやR&Bの曲ばかりだが、驚くべきことに彼らはその曲を完全に自分たちのものにしている。コンサート前の6週間、彼らに密着し、リハーサルの様子やプライベートを追う。感動を呼ぶ彼らのパフォーマンスはどこからくるのだろうか。ヤング@ハート - goo 映画<感想>プレミアの翌日でしたが、お誘いいただいていたので行って来ました。ハッキリ言ってかなり疲れが残っていましたが(苦笑)、電車で爆睡してパワー温存しました^^;これは、初めて紹介文&スチールを見た時に、一見、ただ老人たちが何となく歌っているだけの映画なのかと思っていました。ですが・・・全然違う!!みんなパワフル、そしてセクシーで面白いんですよ。往年のアメリカン&ブリティッシュ・ロック。。。 クラッシュ、コールドプレイ、U2、ラモーンズ、トーキング・ヘッズ、ボブ・ディラン、ジェームス・ブラウン、ソニック・ユース・・・ hot&coolなサウンドは、通常パワーと愛を歌い上げるものとして私たちの中に染みついているものなのだけど、彼らにかかると、それは全く別の音楽に変身する。(C) 2008 Walker George Films (Young at Heart) Limited.歌い出し。92歳のメイン・ヴォーカリスト、アイリーンが叫ぶ。「Ah~~~~!!」何ということはない、文字にすると普通の叫び。だが、これを音で聴いていると、とても普通には聞こえない。どこかに魂が宿っていて、まるで叫びだけが聴衆を包みこんでいるような気がするのだ。全員、当然ながら若い歌い手ではないから、声の張りも違う。身体だって、70代80代、真っ直ぐ立っていられない時もある。それでも、彼らの歌声は、有名なヒット曲が全く違う曲になって帰ってきてくれたかのような錯覚を起こさせる。どうしてこんなに彼らの声に惹きつけられるのだろうか?それは彼らがヤング@ハートの活動を通じて、生きることに対して前向きに希望を持っているからではないだろうか。(C) 2008 Walker George Films (Young at Heart) Limited.彼らが彼ららしく、生き生きと過ごす秘訣として、指導者であるところのボブ・シルマンの存在も大きいのだろう。恐らく彼らの子世代に当たるであろうボブ。その指導も、いささかダイナミック。ある日突然新譜を持ってきて、「じゃあ今日からこれをやるから」とどんどんメインヴォーカルを選んで練習していく。年寄りだからこれはできない、こんなこと無理。。。そういった、「年寄りへの枠」と概念を一切持たず、オリジナルとは全然違う、ヤング@ハートの曲にしていく作業。「じゃあ、今日からこれをやるから~」と差し出す新譜・・・ それがストーンズだったりプリンスだったり。「クラッシックが好き」「オペラが好き」と言うメンバーに、如何に「自分たちのロック」を歌わせるのか。ボブの眼差しはどこまでも温かい。音程が取れなかったりリズムが合わなかったり。そんなメンバーにも根気よく指導していく。その歌が結局、彼らが生きる上での励みとなっていたりするのだから。そしてそんなボブに応えようとしている、ヤング@ハートのメンバー達も、大変魅力的である。活動がだんだん評判になって、ツアーも実現して、そのために一生懸命歌う。だがしかし、厳しい現実は容赦なくやってくる。もう若くはない。みんな身体のどこかしらに持病があったり、生きていく上での不安と闘ったりしているのだから。「あたしが死に いなくなっても、七色の虹に腰を掛けて あなたたちを見下ろしている」そう語るアイリーン。いつかはみんな天へ召される。でも身体が動かなくなるその日まで、精一杯できることをして、生きているという実感を抱いたまま生を終えたいという彼らの切なる願いが、見ているものにひしひしと伝わってくる。そしてもしも自分が死んだとしても、その魂は今まで愛した人たち、愛すべきものたちを見守って生き続けているよ・・・ "FOREVER YOUNG"、天に捧げるディランのメロディー、それはまぎれもなく彼らのメッセージでもあった。そんな彼らに勇気づけられて若い者たちも、こんなに楽しそうに年が取れるんだと、希望を持つことができるような気がした。*******************************今日の評価 : ★★★★★私事ですが先月義父が他界し、かなりその姿とメンバーがかさなってしまいました。たぶん義父も倒れるその日まで精一杯生きていたのだろうと。そして死してなお、愛すべき者たちを見つめているのだろうという気がしてなりません。
2008.10.10
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原題: EAGLE EYE監督 : D・J・カルーソー 製作総指揮・原案 : スティーヴン・スピルバーグ 出演 : シャイア・ラブーフ 、 ミシェル・モナハン 、 ロザリオ・ドーソン 、 ビリー・ボブ・ソーントン 、 イーサン・エンブリー 試写会場 : 東京国際フォーラム公式サイトはこちら。<Story>「私の言うとおりにしなさい さもないと死ぬことになる」突然かかってきた1本の電話。その瞬間から、コピーショップの店員ジェリー(シャイア・ラブーフ)と、法律事務所で事務係として働くシングルマザーのレイチェル(ミシェル・モナハン)の平凡な生活は一変する。アリアという謎の女性に引き合わされたまったく面識のない男と女。彼らの愛するものを奪い、目的も知らせぬまま、次々と指示を伝え秒単位で行動させていくアリアは、二人を戻ることのできない恐怖へと巻き込んでいく…。イーグル・アイ - goo 映画<プレミアの感想>いつも当たらないんですが、別にハズレてもいいや! って思ってたら、当たってしまいました。初のプレミア自力当選です☆イーグル・アイ試写状 1 posted by (C)rose_chocolat今回は引き換えが午後2時という速めな設定で、おまけに仕事がちゃんと定時に終わるかわからず、結局同行者様が並んで下さり、2階席前方というベストポジション(→ と自分は思ってるんですが)を確保していただくことができました。お忙しい中いろいろご無理されて並んで下さってありがとうございました^^応募するときによく考えていなかったんですが、この映画の試写会ってこの日限りだったんですね。たった1回しかないらしくて。スペシャルゲストによる舞台挨拶、一体舞台には誰が登壇するんでしょうと思っていましたら。いきなり、よくわかんないお芝居? が始まってしまいました。女性ゲストの、耳をつんざく叫び声が響き過ぎて、頭が痛くなってしまった。試写会に応募するってことは、基本的に映画を見に来るわけで、それに関係する方々が登壇して、エピソードをお話して下さるのは映画ファンとしては嬉しいこと。なのですが。。。 キャストさんが来日できなかったからと言って、無理やりに何か関係ないものを作り出す必要ってあるのかしら。遠目に関係があるのなら、ただ登壇してお話していただけばそれで済んだ話のはず。ラブーフくんは、エジプトで『トランスフォーマー2』の撮影だそうで来日はなし。代わりにビデオメッセージを寄せてくれました。そして今回は、D・J・カルーソー監督が来日して下さいました。「最初の50分間は携帯電話から聞こえてくる『声』の指示に従うのみ。選択肢がない状態。ビデオゲーム的な展開です。このような状況に陥ったら、自分なら果たしてどうするのだろうかと考えながら観て下さい。スピルバーグ監督に、この映画の製作を依頼されたのは非常に名誉なことと思っています。10年間かけた企画ですが、10年前はその企画を実現するだけの技術がなかったから。シャイア・ラブーフは常にリアルな彼を演じている役者ですね。うまくいかなかったカットなどは、必ず素の彼が出し切れていなかったりします。そのくらい彼は自分を大切にしていると思います。最初のシーンが非常に大事ですのでよく観て下さいね。この映画を観た後は、携帯を取るのが怖くなるかもしれませんよ」という談話でした。通訳さんが非常に優秀な方で、監督の話を漏らさず速記してイメージを損なうことなくこちらにお伝えしていました。さすがです。<感想>これはネタばれはしてはいけなさそうですね^^; ですので以下読みたい人はドラッグしてください。とにかく展開が早い。ぼーっとしているとあっという間に置いていかれてしまいますwどうして? ということを考えている余裕もないくらいの出来事が次々と起こっていく。それもただ携帯電話の指示に従うだけ。(C)2008DREAMWORKSLLC.AllRightsReserved. 街頭や駅、公共施設に監視カメラが取り付けてある現代では、いつでも誰かによって自分が見られていることを十分覚悟した上で行動しないといけない。。。 という心理を逆に取っています。あなたたちのことは全部知っている、誰よりも。そんな意識がもし、監視する側にあったとしたら、彼らは自在に監視対象を操れるはずなんです。監視する側が暴走していったとしたら、こんな風に人間を管理し、支配していくのではないかという仮定もなかなか面白い発想です。それも、普段は手放せなくなって、依存している携帯電話というツールであることもまた皮肉。それがないと行動できなくなるほどに人間のあらゆる能力 ~コミュニケーション、記憶能力~ を弱体化させてしまっていますから。カーアクションのシーン。これだけ派手で、かなりの人が死んでいるように感じるにも関わらず、主役2名が大した傷もない所などはご愛嬌ですが(笑)この中にも、機械が作り出す規則性の中にすっぽりはまり込んで自滅していくクルマとかあって、またしても人間が生み出したものに人間が破壊されてしまう皮肉が描かれている。シャイア・ラブーフ演じるジェリー。自分は所詮、優秀な双子の兄と比べたって大したことない存在だし・・・ と何となく毎日を過ごしていた彼。でも突然事件に巻き込まれて、兄の死の真相に迫っていくことになる。そしてアリアに選ばれてしまうもう1人の人物である、ミシェル・モナハン演じるレイチェル。しがないパラリーガルとして、シングルマザーしないといけない余裕のない日々。予告もなく行動を共にすることになる2人。その間にいつしか互いを想う気持ちも生まれていくのだけど・・・息子を助けたいがために誘惑に負けてしまうレイチェルに対して、それでいいとつぶやくジェリー。母心がここでも強くなっちゃってる。でもジェリーの取った行動は、監視社会に立ち向かっていくために投じた一石だった。そして、『庭から昇ったロケット雲』で最近は鑑賞しているビリー・ボブ・ソーントン。彼はジェリー達を追う立場なのに、いつの間にか監視社会の矛盾に立ち向かっていく。そこに転じるいきさつが、展開が速すぎて少々わかりにくかったかな。。カーアクションの派手さには目を見張ってしまうんですが、あらすじ展開がとにかく早くて、ぼーっとしているとわからなくなってしまいます。私も終わってから同行者様を質問攻め^^;あんまり疲れている時は見ない方がいいかもです。疲れているとついていけなさそう(汗・・・・と、こんな所ですが。ミシェル・モナハンは、『近距離恋愛』で初めてだったのですが、さっぱりとしていい感じの女優さんで好きですね。何気なく使っていて、それなしでは生きていけない!! っていうお声が聞こえてきそうな携帯電話やPC。常にどこかで誰かが自分の情報を手にしている時代だからこそ、人間が生み出した便利さの裏に隠された危険とは背中合わせということを意識しないといけないし、「機械を人間が支配している」という認識もまた思い上がりと考える必要もありそうです。*********************************今日の評価 : ★★★
2008.10.09
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いや~、今週めちゃくちゃ忙しかったんですよ。水・木と大きな仕事がありまして、出張でした。朝6時前に家を出るなんて(滝汗結婚前だってそんなことなかったんですけどね。久しぶりにラッシュピーク時の緊張っていうのを味わいました。(普段の仕事はピーク外れての出勤なんで、空いてるんですよ)この日の仕事場に行く途中に見かけた、紫式部です。地味ですが大好きな花。そんな季節になったんですね。紫式部 posted by (C)rose_chocolatよそのお宅に咲いていたものでして、こういうご時世ですので、あんまり長くカメラを向けられず(汗急いで取りましたのでブレました(笑仕事場の建物が芸術的だったので、ちょっと1枚撮ってしまいました。s-DSC02632 posted by (C)rose_chocolat吹き抜けの部分が素敵でした。今回の仕事はかなり英語を使いました。と同時に自分の英語力のなさも痛感。。。 笑かなり周りの方に助けていただいちゃって。一番困ったのは、スペインの方が質問に来られた時に、そこにいたみんながスペイン語が分からなかったんですが、ささ~っと、若いスタッフさんが飛んできてくれました。すごい。彼がknightに見えてしまいましたね♪本部のスタッフさんはみなさん腰が軽くて機転が利く人ばかりで、大変私もご一緒しやすかったです。今回の仕事は、意見の相違が多々起こって、メーリングリストのグループメールを読みながらかなり心配したのですが、どうにか、それらを乗り越えて無事成功裏に終了したように思います。この日のお昼ごはん。お昼ご飯 posted by (C)rose_chocolat美味しそうでしたので、迷わずこれでした。湯気が写ってません!?美味なカレー~~♪これでしばらくは大きい仕事はありませんが、いい経験になったと思いました。いろんな人と円滑にやっていくことってかなり楽しいです。そして家族の協力にも感謝です。で、この日の夜、これが当選してたんですよ。。。イーグル・アイ試写状 2 posted by (C)rose_chocolatプレミアなんでハズれてとーぜん、というか、仕事なんで行けなくて当たり前だったんですが、当たっちゃってました(汗またレポは後日。。。。
2008.10.09
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監督:林田賢太出演:中村梨香、中村美香、平林鯛一、瀬戸口剛、小田豊試写会場 : KINEATTIC公式サイトはこちら。<Story>高校生の日名子(中村美香)は、北国の町でケーキ屋を営む叔父さん(小田豊)と二人暮らし。どこかクールな雰囲気を漂わせる日名子は、ちょっとした癖があった。それは“ある”衝動に駆られると小さな放火を繰り返すこと。そこに、幼い頃に離ればなれになった妹の水那子(中村梨香)が現れた。一卵性双生児の日名子と水那子は10数年ぶりに再会した。水那子も誰にも言えない秘密があった。共に暮らし始めるが、バランスが崩れていく。いつもの日名子の火遊びが、思いもよらない大火事になり、二人は逃走することに…。日名子は、なぜ火をつけるのか?放火の謎と逃れられない運命が、行くあてのないふたりを加速させる。※2008年10月25日(土)より、ユーロスペースにてレイトロードショーユーロスペース 『ブリュレ』の紹介文より<感想>シネトレさんの、ブロガー試写会に当選しました。実は、今日の試写会だっていうことに気がついたのが、昨日でした(笑メールチェックできないほど仕事も忙しく、やっとメール整理していたら!!「当選メール」出てきたじゃないですかwちょっと待って。。。 これ日曜じゃないの! 明日じゃん! って大慌てでした。何故かと言いますと、今日は朝6時台から外出しないといけなかったのよー。しかも大変気を遣う用事。。。なので試写会どうしようかと・・・しかも、添付PDFがDLできませ~ん。これじゃ本人確認できませんよ。。。 ま、いいか。行けたら行くし、入口で断られたら帰ればいいしw (→ そんなことはありませんでしたけど)無事に昼までの用事も終わって、時間ができそうでしたので、そのまま子どもと別れて試写会場に行きました。すっごく久々の原宿。。。 中学の頃は塾が原宿にあったんで帰りによく遊びましたが(笑)、さすがに今は行かない。 渋谷は行くけどね。なので余計にあの人ごみ見るだけで疲れました。でもフェイスビルを過ぎてキラー通りに入ったら、さすがに喧騒からは離れました。 試写会場はさらに奥まったところにあって、外観も素敵なところでした。さて映画です。ユーロスペースのレイトで10月25日より公開予定ということで、きっと自分はまず見には行けない時間帯です。なので、こういう風に試写していただけるのはお得なことです。子どもがいる人は、近所のシネコンならともかく、ミニシアター系でのレイトはまず無理ですからね。約5年前に主役の双子さんのオーディションをして、合格したのは実際の一卵性双生児でもある、中村美香さん、中村梨香さん。とても美しい双子ちゃんです。ただ綺麗だけではなくて、何かを訴えかけるような意志の強さを持っている雰囲気です。ブリュレ posted by (C)rose_chocolatこんなに大きなポスター、初めてです^^ いただいちゃいました。 小さいのはチラシです。試写の後に、林田監督が来場して下さいました。「双子の絶対性というか、そんな感じのものを描きたかった。現代へのアンチテーゼという意味もあります」というお言葉でしたが、自分には今一つ、「現代へのアンチテーゼ」が映画からは伝わってこなかったかな。。。 ごめんなさい。。今は家族がつながっていないから、双子の姉妹という絶対的なものを掲げて、その重要性を示したかったのでしょうか?ネタバレになるのであらすじは詳しくは書きませんが(↑のダイジェストをご参考に)、あらかじめ、紹介文を読んでおかないと、話についていけなさそうです。2人や、おじさんの会話の中から断片的に拾い上げていかないといけないのでは、初めて劇場で鑑賞する方などはかなりストーリー追うのに難しそう。それでも、火遊びをするに至る経緯まではわかるのですが。(C) 2008CINEVITAL放火をすることによって、過去のトラウマを打ち消して、姉妹としての絆を確認する。。。 ような展開ではありました。 ラストに、全て燃やし尽くして昇華させていく、というのは確かにわかるのですが、いかんせん、やっていることがやっていることだけに、これを素直に納得していくのはかなり自分としては難しかった。決して賞賛はできない題材ですから。それでも、能代や角館といった場所の自然の美しさは伝わってきましたし、雪と炎の対比などは視覚的効果を考えていると思いました。この映画は公開までに約3年かかったと仰せでした。ずいぶんご苦労をされたのではと推察されます。前売りの売れ行きがよいので、公開も1週間伸びたとか。主役のお2人も舞台などで経験を積んでいらっしゃるようです。またどこかで、このお2人がご活躍されることを期待しています。*********************************今日の評価 : ★☆
2008.10.05
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原題: MEIN FUHRER - DIE WIRKLICH WAHRSTE WAHRHEIT UBER ADOLF HITLER監督・脚本 : ダニー・レヴィ 出演 : ウルリッヒ・ミューエ 、 ヘルゲ・シュナイダー 、 シルヴェスター・グロート 、 アドリアーナ・アルタラス 、 シュテファン・クルト 鑑賞劇場 : ル・シネマ公式サイトはこちら。<Story>1944年12月、連合軍の進攻によりナチス・ドイツは劣勢に陥っていた。そんな中、宣伝大臣ゲッペルス(シルヴェスター・グロート)は、新年に行われるヒトラー(ヘルゲ・シュナイダー)の演説を成功させ、国民の戦意を高揚させようと試みる。しかしヒトラーは心身共に衰弱し、自信喪失状態。そこでゲッペルスは、かつてヒトラーにスピーチ指導をしていたユダヤ人俳優グリュンバウム(ウルリッヒ・ミューエ)を収容所から呼び寄せる。戸惑う彼だったが、他に道はない。敵を教える苦悩の中、事態は意外な方向へ…。わが教え子、ヒトラー - goo 映画<感想>この日2本目。昨年、自分の鑑賞映画で第1位だった『善き人のためのソナタ』に出演し、絶賛されながらも、若くして昨年逝去したウルリッヒ・ミューエ。彼の演技が大好きなので、遺作ともなるこれは鑑賞したいと思っていました。第2次世界大戦末期、ヒトラーに威厳を取り戻して年頭の演説を成功させるために、演説の指南をした人物が実際にいたらしい。その設定をユダヤ人に変えたというのが本作品。ナチスに対抗する勢力側から描かれた映画を観ることは多いのですが、こうして内部事情をさらけ出すようなものは初めてです。戦局の悪化に伴い、独裁者だって自信喪失したりするのはごく自然なんですが、如何にしてそれを周囲に、国民に悟られないようにしていくのかは、戦意高揚のためにはどこの国だってするものでしょうね。勝利のためなら手段を選ばない。例えそれが、迫害しているユダヤ人の手を借りなければいけないとしても、ヒトラーが国民を高揚させられるならば。互いの憎悪を利用させる、ゲッペルスの策略も、人間心理の痛い所を突いています。ユダヤ人にとっては、憎しみの象徴のようなヒトラー。ですがグリュンバウムは彼に、愛への渇望を見て取ります。「こんなに愛に飢えているのに・・・」家族と暮らせない自分たち民族も同じく愛に飢えている。飢えさせた張本人を救うことが、自分たち家族の愛につながる。しかし民族的には到底それは我慢できない・・・。グリュンバウムの葛藤が始まります。グリュンバウムは家庭人として家族を守りたかったと同時に、民族としての誇りも失いたくなかった。それがあのラストにつながっていくわけです。彼にとっては辛い選択であっただろうし、そうしたとしても果たして家族が安泰だったかどうかはわかりませんが・・・。両方の狭間で悩みながら、だけどヒトラーだって同じ人間だったということを彼は飲み込んで、自分1人で全てを背負って行ったのでしょう。彼の任務が終わった後、一体彼はどうなるのかと、この映画を観ながら自分は考えていて、わかってはいるんですが無慈悲な立場を見るのはちょっと辛かったです。コメディタッチの場面もたくさんあったんですけどね。 それは専らナチスの矛盾を突いたものとなっていました。エンドロールで、今のいろんな年代のドイツ人達に、「ヒトラーをどう思うか」と訊ねています。小さい子は「知らない」、年寄りは「言いたくない」「話したくない」と。そして「グリュンバウムって知ってる?」という質問には、ほぼ100%が、「知らない」「何それ?」という反応でした。そのくらい歴史に埋もれてしまっている事柄なのですが、こうして脚色して考えてみるとなかなか考えさせられるものがありました。ウルリッヒ・ミューエの演技。やっぱり好きですね。彼自身の生い立ちがもう、ある意味現代の東欧史が色濃く影響しているだけに、考え方や演技などにも自然と彼の姿勢が表れているような感じです。もっと長生きしていただきたかった。 合掌。**********************************今日の評価 : ★★★☆
2008.10.01
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監督・脚本 : 黒沢清 出演 : 香川照之 、 小泉今日子 、 小柳友 、 井之脇海 、 井川遥 、 津田寛治 、 役所広司 鑑賞劇場 : CINECITTA'公式サイトはこちら。<Story>健康機器メーカー、総務課長として働く佐々木竜平(香川照之)は、人事部に呼び出され、リストラを宣告される。突然の出来事に、呆然としたまま帰宅するが妻・恵(小泉今日子)にリストラされたことを言い出せなかった。夕食時、小学校6年生で次男の健二(井之脇海)はピアノを習いたいと言い出すが、竜平は反対。翌日から、会社に行くフリをして、毎日ハローワークへ通っていた。ある日、大学生の長男・貴(小柳友)が、世界平和のためにアメリカの軍隊に入りたいと言い出す…。トウキョウソナタ - goo 映画<感想>ここのところ『グーグーだって猫である』、『TOKYO!』を立て続けに観たせいでしょうか。どうもこの映画も、主役がかぶっているだけに、何となく別々の映画とは思えない感じがしてました。『ゆれる』ですっかりファンになってしまった香川さん。そして昔から、危なっかしさが気になるキョンキョン。やっぱり観ておきたいです。平凡な家族。夫婦に子供2人の核家族。傍から見ると、大して事情もなく、特段変わったこともないように見える中で、家族それぞれの心が揺れている。その揺れる心の波がぶつかりあっていく。当人たちはぶつかっていることはわからずに。波がぶつかりあっていくひずみが、どうにもその細かい衝撃に耐えられずに、ある日一気に津波となって襲いかかってくる。家族の事情、それはいきなり起こるものではなく、予兆は確実にあるわけだから。竜平のリストラこそ青天の霹靂とは言え、それがきっかけとなって浮かび上がっていく家族のきしみ。(C) 2008 Fortissimo Films/「TOKYO SONATA」製作委員会家族が「つながる」ことが本当に難しい時代だと感じます。どこかうちの家族はヘン、誰もがそう感じていても、誰もそれを修復しようとしない時代です。「家族だからお互いが大切」。 その価値観はそれぞれが持っているものの、それが歩み寄ることが少なくなりました。竜平がしがみつく「権威」。家長としての、という、とてつもなく旧い概念が彼にはあるのかな。この言葉を思い出してしまいました。何をそんなに繕わないといけないんだろうと思うくらい、がっしりとした殻に覆われた彼は、家族の存続に関わることですらパートナーには言えなくなってしまう。恵は、目の前に与えられた自分の役割をこなすこと。ここに縛られてしまっている。女性にはありがちなことですが。現実的な心配をしない主婦はおりませんが、ただそれがルーティーンのように流れていってしまっている。この夫婦を見ていて思うこと。 それは、家庭生活の方針に関して歩み寄った気配があまりないまま過ぎてきたんだなということ。 子育ての方針然り。 それぞれバラバラなことを考えていて、問題が表面化した時だけ、お互いを攻め合っている。そんな両親に対して、力を合わせようと子どもたちが思う訳もなく。夫婦のひずみが最も強く現れたのは、長男の貴がアメリカの軍隊に入隊したいと言い出した時ではなかったか。子どもが訥々と語る「希望」「夢」に対して絶句する竜平と恵。恵は、目の前に展開される彼の希望に愕然としながらも、それが貴の希望であるならばと、流されていくばかりだが、真っ向から「権威」を振りかざして抑え込もうとする竜平。その、合わなさっぷりを眼前で見ながら、更に距離を離していく貴。 これでは家族に夢や希望を抱けと言う方が無理というもの。次男の健二も、ピアノを習うことを竜平に抑え込まれようとして、真っ向から「権威」に立ち向かっていく。否定されてもされてもめげずに。子どもだって感じている。何がそんなに偉いのか。何でそんなに抑え込むのか。認めてほしい、それは昔から、子供たちが大人に抱く切なる願いのはずだから。自分を抑え込もうとする大人たちへの、井之脇海くんの表情がとても凄味があった。何とも言えない心の境界が現れています。将来いい役者さんになってほしいですね。男は弱い生き物だと思う。 黒須の危うい虚勢、そしてそれが決壊した時の結末は哀れである。しかし現実、失敗したら根こそぎ奪われてしまう社会に日本はなってしまった。失敗は許されない、白か黒か。失敗したら絶望だけが待っている現実の中、何を望めばいいのか。そんな男たちの慟哭も聞こえてきそうで。役所さん。壊れている家族のお話が続いている中、突如として入ってきて、辛うじて秩序を保っていた佐々木家を一旦バラックにしてしまう存在。それは冒頭で恵が、雨嵐が吹き込んでくる床をきれいに掃除した後、暴風雨が入ってきて再度家の中が濡れるとわかっているのに、それでもなお、窓を開けてみたい衝動に駆られてしまうのに似ている。「つぶれちゃえ、そんな権威」そう言い放つ恵は、どこかで自分を取り巻く世界が一度ぶっ壊れてしまえば、どんなに楽になるだろうと、潜在意識の中で思っているのでしょう。どこの家にも、「澱」は存在していて、それは溜めたくもないけどいつの間にか溜まっているもので。みんなその「澱」を、敢えて見ないようにしながら家族してます。ですがそれがある時、何かのことがきっかけで、ぐちゃぐちゃにかき回され、沈澱していた家族の「澱」が浮かび上がって水が濁り、そして水が衝撃であふれかえってしまった時・・・その後始末は一体どうするのか。元通りになれるのか。水は浄化されるのか。あの役を演じていたのが役所さんとわかった時に、いささか、この映画のそれまでの語り口とは異質な印象を受けました。『パコと魔法の絵本』も最近観ているせいか、「異質なもので壊す」という役どころなので致し方ないかと思いつつも、どうもジェスチャーが大きく感じてしまいました。あの体験で、それまで得体のしれない流れに流されるしかなかった恵は、流れに踏みとどまることの必要性を感じたのだろうか。ラストへの伏線がいささかこじつけっぽいのは多少目をつぶるとしても、お互いの存在をしっかりと意識して、認めていく。そんな当たり前のことがなかなかできずにいることも改めて感じます。そこができた時、人はつながり合っていくのだろうから。虚勢を張っている裏に、何とも言えない弱さや不安を隠しきれない人間を演じている香川さん。こういう演技はさすがだと思います。そして、『グーグー』の時もそうでしたが、心が一瞬、目の前から彼方へと飛んで行ってしまうような、遠くを見つめている小泉今日子の表情も、もう彼女しか出せない味のようなものとして、大いなる魅力を醸し出している。そして2人の子ども役も、繕わずに、家庭にある心のずれや揺れというものを出していっていたと思う。あと、個人的には津田寛治も好きなだけに、彼の微妙な小細工が切なくなってしまうくらいうまかったのが、やっぱりいいなと感じましたね。『TOKYO!』も、この映画もそうなんですが、タイトルに東京とついている割にはテーマ的には殊更東京を強調しなくてもよく、普遍的なものを描いていると感じます。要するにどちらもかなりな「こわれもの」を描くという点では共通しています。その象徴として、雑多な人間が集まる東京が選ばれているだけなのかもしれません。**********************************今日の評価 : ★★★★☆
2008.10.01
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