すごい・・・ドキドキして読ませていただきました

出産も一人一人にドラマがあるものね
シェアしてくれて有難う
そして、お疲れ様でした
  (2007.08.31 06:48:43)

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2007.07.09
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カテゴリ: カテゴリ未分類
話が前後してしまったものの、肝心の出産のお話はこれからです。
あれは6月9日 土曜日のこと。
前日の夜から打った誘発剤。当日の夕方になっても、痛みはあまり
感じられませんでした。
点滴に縛られて動けなかった為に、予定していた
「早いうちに食べておく」
「部屋を歩き回る」
「シャワーを何回も浴びてリラックスする」
が出来ませんでした。


というお話だったので、まだまだ...と思っていたのです。

そうしたら。
夕方4時20分。
中年の女医のM先生が入ってきました。
M先生:「いまから破水させますからね~!」

え?
まって、そんな話聞いていない。

デカイ尖った棒を持ちあげる先生。
ぐさ。
ばーっ!!

「でたでた。」


このシーン、実は私の中でトラウマになってます。
あぁ、あのデッカイ棒。
少し心の準備が欲しかった。

で、その後どんどんやってきました。
波のような陣痛。


でも、「後から頼まれても困る」と言われ、カテーテルを
背中に突き刺されました。
この作業の方が、仰々しかった、というか。
このときだけなぜか、髪の毛を覆われ、動くなと言われ、両手を握られ、
「ご家族の方は外でお待ちください」、と。
なんで?

これからしばらく生まれるまで時間がかかります。

そう言われたにもかかわらず。
その後吐いてしまった。
それは、「もうすぐ生まれる」のサインだとか。

看護婦さん。母に「もうすぐ生まれるので、御主人に連絡してください。」
という。

そう。Jは、この時もまだ、家の床の張り替えの為に、
「週明けの出産」
に控えて、一生懸命、家の片づけをしていたのだ。

え?もう生まれちゃうの?
そう一番焦ったのは、他でもなくJ君でした。

母がかけた電話の向こうでパニックになったJ。
急いで家を飛び出し、車を飛ばして焦っていたJ。

そうとは知らず、そんな彼に、私は自分の携帯から電話をかけます。
私:「J君、頼みがあるんだけれど。」
J:「もう生まれちゃうの?間に合うかな?なんで君が電話にでてるの?」
私:「今晩長くなるかもしれないから、君とお母さんの夕飯、買って持ってきて。」
J:「でも、間に合わなかったらどうしよう!!」
私:「いや、まだ何時間かはある。お願いだからね。」

そういって電話を切った後、どうやらJはNYの両親に電話をして
「こんな時僕はどうすればいいの?」
と相談をしたそうです。
そうしたら、J母は、彼に言った。
「Mリンの言うとおりにしなさい。」
と。
J母。感謝。
たまにはいいことを言ってくださるではないか。

で、その後の陣痛...。
今セメスターに、学校の宿題として修行した瞑想。
鼻のてっぺんを見つめながら、風船を膨らますようにゆっくりと息を吐く。
そんなのを繰り返していたら、なんとか最初の頃は切り抜けられました。

陣痛と陣痛の間は、案外冷静に居られるものです。
自分で点滴とともにトイレに歩いていって、
紙がなかったから、手洗いの下の棚から紙を出して
トイレットペーパーをセットする。
そんな余裕もありました。

でも、陣痛の最中。
ちょっと呼吸をあいまいにしたり、油断をすると、

きぇー!と心の中で叫びます。

そこへあらわれたJ君。
ナースやドクターに一通り自己紹介をした後、私に向かって
「ねぇ、こんなものを買ってきたよ!大エビのグリル!すごいでしょ!」
「庭のハーブ、取ってきた。この香りでリラックスできるよ!」

私の鼻にハーブの束を突き付けるJ。
陣痛の最中やっちゅうねん。
空気が読めんのかぃ、君は。
とは言わず、
「ごめん、その匂い、きつ過ぎ。」
とハーブを突き返す私。

「かわいそうだったじゃないの。」
と後から母に言われました。
でも、だって。
これがこの時、精一杯丁寧にしゃべれる言葉だったんですもの。

で、手を握っていたのが母だと思っていたら、
いつの間にかJに代わっていました。
隣でナースと同じように掛け声をかける途中で、
ナースといくらでもおしゃべりをするJ君。
「ねぇ、Mリン、そうだよね!?」
と私にも語りかける彼。
「ちょっとまった、今からまた陣痛が来る。」
そう言って、大きく深呼吸をして、静かに長ーく息を吐く私。

J:「わーぉ。こんなに静かな妊婦見たの初めて。
   僕がレジデントとしてトレーニングした時も
   みんな叫んでばっかりだったよ!すごいね!Mリン!」

ちょっと、J君、うるさい。

で、やっぱりつらい、つらいわ。
深呼吸しながら体が震えちゃうほど痛いわ。
やっぱ、もうここまで頑張ったし、痛み止めもらおうかな。

そう思ってナースにその旨を告げた私。
そうしたら、このナース。
「ここまでがんばったんだ。こっからはいきむ時。
 もう、エピドラル打つときじゃ、ないわね。」

言われてしまった。
そうか。遅かったか。

で、この後は、いきみいきみの時間が始まったのです。

陣痛が始まる数時間前、Jの友達の友人の女性ジュディさんが
電話をくださいました。

彼女は現代医学に対抗する自然派のホメオセラピーなんちゃらを
重きとする医学を現在勉強している真っ最中。

自然分娩に痛み止めを使わないメリットを色々教えてくれた後、
座って分娩を行うのがよい、この方法は、重力がかかって子供が出やすいから
病院に座娩させてもらうように、専用の椅子を出してもらうように
頼めばよい、などとアドバイスをくれました。

座っていきむというやり方は、友人のRさんからも聞いていました。

この電話の後、ナースにそのような椅子があるかをお尋ねします。

「ないのよ、ウチは。」

の一言。

でも、このナース、その後気を利かせてくれて、
なんと、トイレで行きませてくれたのでありました。

トイレで分娩。

いやはや。しかしいきんでいる最中は、そんなことよりなにより。
とにかく、少しでも早く子供に出てきてもらおうと、
妊娠中にも鍛えた腹筋でもって、とにかく押し出すことのみ考えます。

しかしこの子。
Jに似て、頭が巨大。
私は和の国の人間。
当然、産道を通るのに、赤ん坊は苦労するのであります。

「もうすこし!」
「あとちょっと!」

で、2時間。
この子は2時間も頭を締め付けられていたのか。

最後の最後になって、先生が「ちょきん」
とハサミを入れた途端、この子は、
どば!
っとでてきました。

先生はフットボールを受け止めるような格好をしていた。
そして、出てきた途端、私は
「あ、人間の形をしている!」
と叫んでいたのを覚えています。

らーらー、と泣く子。
「猫みたい。」
そんなことも言いました。

生まれた。生まれちゃったのだ。





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最終更新日  2007.08.23 10:20:20
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Re:忘れもしないあの日・2 出産 - 子の誕生のこと(07/09)  

Re[1]:忘れもしないあの日・2 出産 - 子の誕生のこと(07/09)  
Mリン さん
gogor-gonさん
>すごい・・・ドキドキして読ませていただきました

*あー!来てくだすったのね、r-gonさん!

>出産も一人一人にドラマがあるものね
>シェアしてくれて有難う

*もちろん、r-gonさんに直接お話したかった事ばかりですよぉ。

>そして、お疲れ様でした

*いやはや、お母さん達は皆こんな思いをしているのか、と敬意の念がぐっと深くなりましたよ。すごいわ、自然分娩した人皆さん。それに妊娠を通してもうひとつ新しいチャンネルで、またさらにr-gonさんとぐっと近くなれたのも嬉しかったです。サポート本当に感謝!ですっっ。
(2007.09.05 03:45:41)

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