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2022年10月19日
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カテゴリ: 坂田 博昭

​​ 水曜日の担当は、坂田博昭です。

 今週は、名古屋競馬場での話。
(取材日:10月13日木曜日)



 平日の朝一番から訪れる熱心なお客様方。
 それぞれの場所に陣取って、馬の姿を視線で追っています。

 先週の開催(10月11~14日)の間に、数多くの「区切りの勝利」が生まれました。

10月11日
榎屋充調教師   100勝

10月12日
今津博之調教師 1000勝
岡部誠騎手   4600勝

10月13日
今井貴大騎手  1400勝

10月14日
宮下瞳騎手   1100勝
坂口義幸調教師 1100勝

(いずれも「地方競馬通算」の記録)

 その前の週に達成されたものも含めて、全部フォローしきれなくて申し訳ございません
 m(_ _)m



 10月13日第4レース  今井貴大騎手  33歳
 キタノフランクースで通算1400勝達成



「あと600…かな」

 今の気持ちをそう話した彼。
 当面の目標は、通算2000勝。



 こちらはその後、残念ながら僅差で2着の表情……

 この日は、メインレースの重賞・ゴールド争覇で大井所属のメイショウワザシへの騎乗予定がありました。

「笠松(3走前のくろゆり賞・優勝)で代打で乗せてもらった後、まさか佐賀(2走前の鳥栖大賞・2着)でも乗せてもらえるとは思いませんでした。そして今回も。難しさがある馬で、自分の中では決して完璧に乗れているとは思っていないのですが、こうして依頼してもらえるのは有り難いです。」



 メインレース・ゴールド争覇でのメイショウワザシと今井貴大騎手

「なので、こういう依頼があるように、リーディング上位に居続けないといけないですね。」

 勝ち鞍の数字の、彼にとっての意味のひとつを、こんな風に話してくれました。

 これまで、怪我で戦列を離れることが多かった彼。
 昨年秋にまた骨折で乗れなくなって…それから丁度1年。いつも彼が言うのは 「怪我なく無事に」

 「あと600」が、次「あと500」に……そしていずれ……
 そんな歩みを、これからも追いかけていきたくなる。そんな魅力がある人です。

 彼のお手馬である、昨年の東海ダービー馬・ トミケンシャイリ が、次の開催あたりから戻ってくるようです。今年の終盤の彼にとっての、そして私たち見る側の者にとっても、大きな楽しみになりそうです。




 今井騎手1400勝のキタノフランクースは、 榎屋充調教師 (写真一番左)の管理馬でした。
 この勝利が地方競馬通算102勝目。



 勝った後も、馬の様子を入念にチェックする榎屋調教師

 39歳 開業3年目での100勝達成。
 今年は、昨年1年間の勝利数42を越える、48の勝利をあげています。

「100勝ですから。そりゃ行くでしょ(苦笑)。特別にこう、っていうことはないかな」

 と、つれない返事(汗)。
 それでもちょっと粘って話を聞いてみると…興味深い話が聞けました。

「調教師になって、やりたいことはいまやれています。スタッフに給料も払えて、厩舎としてちゃんと経営できているっていう気持ちが大きいですね。あまり『数』を求めすぎると、名古屋の規模だと特に馬主の方が苦しくなってしまう。無理せず、十分競馬を楽しみながら、上を目指していきたいですね。」

 どうしても私たち見る側は、単純な数字を追ってしまうのだけれど…
 プレイヤー側からしたら、日々の仕事であり、生業であり。
 それが競馬というスポーツであるだけのこと。

 その日々のこと、がきちんと「続いていける」ための心の持ちようとか、そこに根ざしたプレーとか、そういうことなのでしょう。

 今年はリンクスターツで笠松の新緑賞、そしてペイシャシオンで名港盃を勝ち、重賞勝ちも2つ。

「そうは言っても、重賞は、やっぱり嬉しかったですね。」

 彼の活躍、やはり目が離せないところです。


 こちらの方は、1000勝という大きな区切り。



今津博之調教師  52歳
 開業20年目での1000勝達成
 この日は、セレモニーが行われました。

「初めは預かる馬も少なく、1000も行くなんて全く思っていませんでした。頑張って7~800とか行けばいいかなというぐらいの感じ。この2~3年で勝ち鞍が伸びてきて、1000まで行くことが出来ました。」

 この2~3年活躍できている要因は……? と尋ねたところ、それは秘密、と(汗)。



 記念撮影
 写真左後ろの方には、厩舎から駆けつけたスタッフの方々の姿。
 喜びを分かち合っていました。


 ここで少し休憩して、キッチンカーで腹ごしらえ(笑)。



 以前もお知らせした、元力士の方々が運営しているキッチンカー
大ちゃん食堂  ちゃんこが食べられます

 夏場は、珍しい冷たいちゃんこを提供していたのですが、秋に入って温かいものが恋しくなってくる季節、温かいちゃんこが用意されていました。



「ちゃんこは、相撲部屋では毎日作るものですから、入れる肉を鳥と豚で変えたりという具材の工夫とか、あとは味付けを変えてみるとか、色々工夫しています。そう言う工夫を、キッチンカーの商品にどうやって生かしておいしいものを出して行くか。いま研究しているところです。」

……と話すのは、 元幕内・大喜鵬の山口さん (右)

 話しているうちに、こちらも元力士・海猿の小川さん(左)がちゃんこを出してくれました。




 そう、野菜がたくさん食べられるのが、ちゃんこのいいところです。
 私も、おいしくヘルシーに頂きました。

 毎開催1日は来ておられるようなので、温かいものが食べたくなったら是非。
 B級グルメのご飯ものや麺ものと一緒に、っていうのもいいですよ。



 傍らを見ると…
 ヤギのチップとポテトもおなかがすいているみたい。
(草をあげているのは、競馬場の担当者の方です)

 ヤギにあげるエサ、スタンド内の売店でも売っています。
 家族連れでお越しの方など、少しの間ヤギと戯れる時間を過ごしてもいいかもしれませんよ。


 さて、この日のメインレースは、1500m戦の 重賞・ゴールド争覇
 全国交流で、11月下旬に行われる笠松グランプリのトライアルとあって、強力な遠征馬5頭も参戦して、注目のレースとなりました。



 最初のゴール板前
 逃げたニシノステラの直後につけたのが…​​

​​​​​​​​  吉原寛人騎手 騎乗の ​ベストマッチョ​ (川崎)
 地元期待の コンビーノ は中団の6番黄色帽黄色服

 注目された高知の ​ダノングッド​ は…2番枠を捌けず、内目の4~5番手



​ダノングッド​ ​多田羅誠也騎手​
​「外に出したかったけれど、これは出せないなともう早い段階で腹をくくりました。」​

 直線、番手から早めに出ていった ベストマッチョ に対し、外からグイグイと ダノングッド が迫る!



 とは言え…まだ余力もあったのかな……
ベストマッチョ が追撃を凌ぎきって勝利。



 引き上げてきた ​ダノングッド​
 タラちゃんの、この表情が全てを物語る。

 序盤に外に出せれば違ったと思いますが…
 それでも、ワンチャンある乗り方はしましたよね。
 順調に行けば、次は笠松グランプリではないでしょうか。
 雪辱に期待したいです。



 こちらは、地元期待の コンビーノ
 3歳馬として初の古馬との対決、それも一線級に入っての競馬で3着と気を吐きました。

 この2回、惜敗で苦い表情を見せていた 塚本征吾騎手 も、今日は 「次につながる走りができたと思います」 と、気持ちは次走予定の園田・楠賞へ。
 こちらも、順調に次走に向かうことが出来れば、とても楽しみです。



 吉原寛人騎手の勝利騎手インタビューの模様は、​ 名古屋競馬オフィシャルYoutube映像 ​でご覧下さい。

 これで、弥富の新競馬場での騎乗成績は、重賞ばかり乗って4戦3勝。
 ベストマッチョも、全くのテン乗り。

「この馬の走りを見て、ピリッとした脚に乏しい印象を受けたので、少し早めに動かしていきました。」

 過去のレースを見て、それを感じるところまでは、ああやっぱり一流のプロだなって感じます。

 しかし…「少し早めに」ってコメントでさらっと出てくるんですけど……
 これで差されてたら「早仕掛け」って言われてしまうところでもあります。
 それを、自分の感じたままにプレーに反映させて、馬を勝たせてしまう。
 今回も、着差を考えると、結果的にフカしていくタイミングはこれより早くても遅くてもアウトでした。アウトって言っても、2着なんですけどね。

 レースはシンプルな「番手抜け出し」でしたが……
 その中に、なんだか吉原寛人という存在の「凄み」みたいなものを、改めて目の当たりにしたような気がしました。



佐々木仁調教師 (写真中央)の話

「この馬は気持ちが表れていた方がいい馬なんです。この何戦かは少し大人しい感じがしていたのですが、今日は馬場にキャンターで出て行った。これならもしかしたら、と思っていました。距離はあと100mが長いと思ったけれど、騎手がうまく乗ってくれました。久しぶりの勝利(2020年7月の浦和・プラチナカップ以来)で、なかなか勝たせてあげられなくて馬に申し訳なく思っていましたが、今日は勝てて良かったです。JBCに選ばれたらJBC(スプリント)へ。そのあと笠松グランプリも視野に入れています。」

 今日発表されたJBCスプリントの選定馬には、ベストマッチョの名前がありました。
 これで大井・金沢、そして今年の盛岡と、3年連続のJBC出走。
 健闘を期待したいです。

 そして、また笠松でこの馬の姿を是非見たい!
 楽しみな馬の復活劇でした。



 明日は、門別のエーデルワイス賞へ行ってきます。

 そして来週水曜日は、名古屋で2歳の準重賞・弥富記念が行われます。
 デビューから2連勝中の、話題の「あの」馬が登場予定。こちらも楽しみです。
​​​​​​​






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最終更新日  2022年10月19日 17時39分42秒
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