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2022年11月10日
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カテゴリ: 横川典視
木曜担当のよこてんです。

 JBC編をどんどん書かねば。

 今回は後編の予定でしたが書きたいことが多くなったので芝重賞とJBC競走のみで中編としてまとめを改めて後編にしたいと思います。

 どんどん本題に行きましょう。まずは芝の二つの重賞から。

 JBCの予定が発表された時に2歳のジュニアグランプリ・古馬の岩手県知事杯OROカップもJBCと同じ日に移されるとなって「どちらも重要なレースなのにJBCの前座のようにするのはもったいない」という声もありました。2歳の前哨戦になる芝戦がダート変更になってしまったりもして、当日もダート変更になったりしないよね?と心配された方もおられたのでは。といろいろ心配とか懸念とかもあったこの日の芝重賞ですが、終わってみれば大成功だったといえるのではないでしょうか。

 2歳芝のジュニアグランプリは大きく見てホッカイドウ勢対岩手勢の形になりました。頭数では遠征勢6頭対岩手勢8頭。しかし結果は、その6頭の遠征勢が6着までを占める決着となりました。


★ジュニアグランプリ/優勝ラビュリントス(門別・田中淳司厩舎/岩橋勇二騎手)

 ゴール写真はあちこちにあるのでここでは違う路線の写真を。

 勝ったラビュリントスは知床賞に続いての盛岡での重賞制覇。その知床賞ではメンバー最速の末脚で差し切りましたが今回はひと足先に抜け出してメンバー中2番目タイの末脚でまとめ切る形。芝ダ兼用、距離が伸びるのも苦にしなかった点等、実りの多い勝利だったのでは。勝ち時計1分37秒9はレースレコードともなりました。
 「田中淳司調教師にはチャンスを頂きながらなかなか勝てなかった。それに応えることができて本当に嬉しかったんです」とはレース後の岩橋勇二騎手。彼にしては珍しいくらいの大きなガッツポーズはその嬉しさの表れだったのですね。







 地元勢にとっては前哨戦となるべき芝重賞がいずれもダート変更になったことが、高いレベルでの経験値の差になってしまったのかなと考えたりします。


 続いて古馬の芝重賞・岩手県知事杯OROカップ。岩手でのJpn3よりも高い3000万円という1着賞金が話題になりました。それだけにメンバーもJRA重賞勝ち馬が複数登場する好メンバーに。


★岩手県知事杯OROカップ/優勝アトミックフォース(船橋・山下貴之厩舎/矢野貴之騎手)

 優勝したアトミックフォースはJRA時代には重賞勝ちこそ無いものの僅差の上位入着は複数回あり。今年7月のせきれい賞を制しているように盛岡での芝実績も十分。今回はそのせきれい賞以来の休み明けという点が懸念されましたが終わってみれば何の問題も無く、むしろより適距離の分せきれい賞よりも強い競馬を見せての勝利となりました。

 2着は大井のコズミックフォースで鞍上の本田正重騎手にとってはジュニアグランプリと同じ悔しい結果に。3着のロードクエスト昨年盛岡で見せたような強気のマクリを打って場内を沸かせました。同馬はこれが引退レースになったということで、最後の戦いでJRA重賞勝ち馬の地力のなんたるかを見せてくれましたね。

 地元勢はリッジマンが4着、ソロフレーズが5着に。この辺は2着争いとしては6着、7着あたりまで一線と言って良く、そんな馬達を6馬身ちぎった勝ち馬の強さが際立った直線の攻防でしたね。


★1周目のスタンド前を2番手で進むリッジマン


 なお、3番人気に推されていた大井・トーセンスーリヤはレース中の3コーナーで左肩関節脱臼の故障を発症。競走中止、予後不良となりました。改めて同馬のご冥福をお祈りいたします。




 雨が降ったりやんだりの天気になってきた盛岡競馬場でしたがJBCレディスクラシックの頃は降っていてもごくごく小雨という感じ。レース発走の頃はすっかり日が落ちましたね。







★JBCレディスクラシック/優勝ヴァレーデラルナ(栗東・藤原英昭厩舎/岩田望来騎手)

 JBCレディスクラシックは前哨戦となるレースから転戦してくる馬が好結果を残していて、浦和1400mというスプリント的な設定になった2019年を除いて、過去の勝ち馬はいずれもがレディスプレリュード、あるいはブリーダーズゴールドカップを経ての参戦・勝利となっていました。
 しかしヴァレーデラルナは前走がJRAの3勝クラスの特別戦。そしてそもそも今回が重賞初挑戦でもあって、このような臨戦過程からの優勝馬はレース史上初です。
 初めての重賞挑戦かつ初めての重賞制覇がJpnIというシンデレラホースの誕生。それも3歳馬ですからね。この先の活躍が楽しみになる勝利になりました。

 レースとしては思いのほか流れが落ち着いたように見えました。逃げたサルサディオーネが抑えた逃げに持ち込むのは想定内として、その他の有力馬もそれに合わせていった。自分は今回もテリオスベルあたりがレースを動かしに行くかと思っていたのですがそうはならず、落ち着いたままで直線まで流れ込んだ。グランブリッジにとっては前が止まらない展開になったし、ショウナンナデシコにとってはレースを動かすチャンスがないままになってしまった。それぞれ2着・3着を確保したのはむしろ立派だと思います。






★JBCスプリント/優勝ダンシングプリンス(栗東・宮田敬介厩舎/三浦皇成騎手)

 JBCスプリントも落ち着いた流れになりました。レッドルゼルが後方からの競馬になったことも一つの要因だったでしょうが、改めて考えると逃げたダンシングプリンスの後ろがほとんど動いていない。2番手に付けたヘリオス、内の3番手ラプタス、外の4番手リュウノユキナ。先行集団の4頭がほぼ同じ隊形が変わらなかった。
 逃げている方とすれば、マイペースで走っていて後続が動かないどころか離れていったり、後ろから上がってくる馬もせいぜい同じような脚色・・・なら、時間が経過する毎に余裕はむしろ増していくくらいの気持ちだったのでは。
 同馬はクラスターカップで1番人気に推されながらも出遅れが影響して4着。途中の前哨戦を挟まずに直行してきたのはそれだけ8月の借りを11月に返す意気込みの強いのだと思って見ていましたが、その通り、ダンシングプリンスの強さを見せつけることでその“借り”を返した結果でしたね。

 しかし、クラスターカップでは1枠1番に入ったダンシングプリンスが出遅れて後方からになって4着。JBCスプリントでも1枠1番に入ったレッドルゼルがダッシュつかず後方からになって4着。なんとも・・・。

 JBCスプリントでの地方最先着は5着のイグナイターでした。南部杯同様に直線で内を突く攻め。ただ、南部杯では一瞬先頭にも立ちそうな勢いを見せつつ最後まで食い下がりましたが今回はそこまでではなく、それは1200mの影響なのかと感じました。とはいえ長距離輸送が短い間隔で連続してなおしっかり力を発揮させる調整は見事という他はありません。


★JBCクラシック/優勝テーオーケインズ(栗東・高柳大輔厩舎/松山弘平騎手)



 例えばレディスクラシックのサルサディオーネ、例えばスプリントのダンシングプリンスのような“この馬が逃げる”という存在が、クラシックにはなかった。加えて直前で有力馬・実績馬が次々抜けていく混戦模様の力関係にもなりました。
 クラウンプライドが逃げたのはそんな状況を見てでしょうし、フィールドセンスなんかも、その時は何で2番手に?と思ったんですが、あとで見直すと出して行っているように見えます。スタートが良かった時点で前に行く作戦だったんじゃないでしょうか。スローと踏んで前でレースを作る・粘るのは上位を狙いたい馬達の共通認識だったのではと思います。
 テーオーケインズはそれを自力でひっくり返してしまった。時々“あれっ?”という負け方をするんですけども、今回は昨年の帝王賞やチャンピオンズカップに匹敵する、いやそれ以上の強い競馬だと感じました。





 このレースでの地方馬最先着は8着のギガキングでした。優勝争いとは少し離れた所だったので目立っていませんが5着争いに加わっての8着ですからよく頑張っていたといえるでしょう。やはり盛岡は得意ですよね。


 JBCの3競走はいずれも緩い流れの展開になりました。もう少しこう、レースを動かしに来る馬が出てくるのかとも想像していたのですが、思った以上に落ち着きましたね。しかしそんな中でも各馬自分の競馬を貫いていて、落ち着いた展開ではあったものの紛れはなかったのかなとも思います。

 3歳馬の活躍が目に付いたJBCでもありました。レディスクラシックは3歳馬のワン・ツー。クラシックでも3歳馬が2着・3着を占めています。
 各レースとも上位に若い馬が多かったですよね。例えばクラシックの掲示板5頭が全馬5歳以下というのは2020年以来の2度目。その時の上位馬の顔ぶれがクリソベリル・オメガパフューム・チュウワウィザード・ミューチャリー・ダノンファラオで、それらの馬達のその後の活躍ぶりを思えば(クリソベリルはその後勝てませんでしたが)、今回の上位馬の今後の期待も高まるというものでしょう。
 これだけをもって世代交代が・・・と言うのは早いでしょうけども、そういう手応えのあるJBCだったのでは。

 スプリントは、ここは3歳馬が出走しづらい。レースの配置的に東京盃を勝つしかないけどそこは古馬のレベルも高くて・・・なので出走権を獲るまでのハードルが高い。ただ3歳でJBCスプリントに出て勝てるような馬ならば、スーニのようにその後何年もダートスプリント界に君臨するような存在にもなれるでしょう。そんな強豪の登場を待ちたいですね。


 次回は後編として、2022盛岡JBCを過去の盛岡JBCと比較しながらその違いをまとめてみたいと思います。もう少しお待ちを。





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最終更新日  2022年11月25日 00時45分47秒


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