D・N小説バレンタイン(いただきもの)




‘バレンタインが近づき、街はチョコ一色に染まっています’


‘好きな人の心に貴女の想いを伝えてみませんか?’


‘すでに付き合っている人も、もう一度想いを伝えてみてはいかがですか?’


‘大切な人に貴女の気持ちを・・・プレゼント’


そんなキャッチフレーズが街中に溢れている、バレンタインの一週間前。

TVをつけても、バレンタインの特集ばかり。


‘今年は誰にチョコを贈りますか?’


‘やっぱりチョコは手作りに限りますか?’


‘告白もしたりするのかな?’


‘ホワイトデーに期待する?’


TVの中では、リポーターが色んな女性にそう声を掛けている姿が見える。

そんなTVを見ながら、ため息と共にTVを消す。


「梨紅?何、ため息なんてついちゃってるの?」

「え?わっわわわ・・・・!!!」

急に声が掛かったからか、それにしてはあまりの驚きように、梨紗の方が目をパチクリして驚いている。

「ちょっと!何驚いてるのよ!」

「・・・・べべ別に!!!!なんでもない!!!」

動揺を隠しきれない梨紅に梨紗は、はは~んと勘づいた様子だった。

「梨紅ってば、丹羽くんに手作りチョコ作ろうかなぁとか思ってるんでしょう!」

「え!!!!!?ななななっ・・・・////」

梨紅の顔を赤らめた様子に、梨紗は自分の言ったことが的中したことを悟った。

「やっぱりねぇ~梨紅ってすぐ顔に出るから・・・分かりやすいのよね。」

「わ・・・悪かったわね!いいじゃない!せっかくの・・・バレンタインだし・・・私だって・・・」

「別にダメだなんて言ってないじゃない。そうよ、梨紅だって女の子なんだし、丹羽くんだってきっと、梨紅のチョコレート期待してると思うなぁ。」

「そ・・そうかな・・・。でも、丹羽くんそういうの疎そうだから・・・バレンタインだってこと知らなかったりして・・・」

照れ隠しのつもりで、言った言葉だったのだが、言った後ではっと気が付いた。

まさか・・・そんなわけないと思いながらも、大助の性格からして、気が付いていない可能性はなきにしもあらずだった。

そして、そんな予感は見事、的中するのだった。

バレンタイン前日。


梨紅は、梨紗の励ましもあって、自分の手でチョコを作ることに決めた。

梨紗もまた、ダークに渡すのだとはりきって作っている。

どんなチョコにしようか迷いに迷った上で、梨紅はトリュフを作ることにした。

梨紗は、ダークに合うようにという意味も込めて、少しばかりのブランデーを入れた高級な感じのチョコレートを作ることにした。

多少失敗もあったが、それも乗り越えて完成へと近づいていく。

二人とも夜遅くまで掛かってようやく完成したそのチョコは、そこらへんに売っているようなもの以上に美味しそうなチョコになっていた。

素人が作ったとは思えないぐらいのチョコレートだった。

「出来た~!!!もう、大変だった~!!!梨紅!梨紅も出来た?」

「うん、完成。丹羽くん、食べてくれるかなぁ・・・」

「もちろん、食べてくれるわよ!私達の想い・・・愛情が詰まったチョコレートだもの。食べないなんてあるわけないじゃない!」

「そうだよね・・・でも明日かぁ・・・わ、渡せるかなぁ・・・」

「そんなの、食べてって渡せばいいだけの事じゃない。梨紅ってば変なところで乙女なんだから。」

「変って・・・普通ならドキドキするものでしょ?梨紗だって・・・」

「そりゃあ・・・ドキドキするけど・・・でも私は食べてくれる瞬間が一番緊張するかな~美味しくないって言われたらどうしようかって・・・」

「梨紗の場合は、そうかもしれないけど・・・何たって」

梨紗の料理ベタは今に始まったことではない。見た目は美味しそうなのに、食べたらどこからこんな味に!?というほど驚く味に仕上がっているのだ。

言おうとしたが、梨紗の睨みで梨紅は口を噤む。

「・・・何?なんか言った?」

「な、なんでもない!」

それでも、今回は梨紗なりに頑張っていたようで、かなりの出来に仕上がっていることは事実だった。

まぁ・・・今までに比べての話であるが・・・そこは愛情で乗り切ろうとする梨紗の根性は尊敬ものであった。

バレンタイン当日。


夜遅くに寝たにも関わらず、一睡も出来ないまま朝を迎えた。

のは、梨紅だけで、梨紗はすっかり寝たようだった。

「いつ渡そう・・・朝・・・は気まずいよね・・・なら放課後!は・・・掃除があるし、その後部活で・・・どうしよう!!!休み時間?ダメダメ!人が一杯いるし、何より丹羽くん冴原と一緒じゃない!そんな奴の前で渡したら何言われるか・・・なら、下駄箱に・・・でも、せっかくだし直接・・・ってもうどうしたらいいの!」

そんなことを一人で呟いている梨紅に、梨紗がしょうがないなぁと言った感じで声を掛けてきた。

「梨紅~?そんなに考えてたら渡せないって。そんなこと考えなくても、自然と渡せるときに渡せばいいの!大体、考え過ぎなのよ、梨紅は。私よりずっと渡し易いんだから、そんなに考え込まないの!」

そう言われて、梨紅は考えが止まった。

梨紗は、渡せるかどうか分からないのだ。ダークは神出鬼没だし、今日だって予告状が出てるわけではない。

あれだけ頑張ったチョコを渡せるかどうか不安なのに、そう思ったら梨紅は、どれだけ幸せか。

思い直して、梨紅は渡せるときに渡そうと決めた。

学校への行き道、梨紅は梨紗に謝った。

「梨紗・・・ごめんね。私、自分のことばっか考えてて・・・」

「何言ってるのよ、私のことなら気にしないで。絶対ダークさんに会って渡してみせるから!私の気持ちが込もったチョコよ?渡せないはずがないじゃない。だから、梨紅は自分のことだけ考えてればいいの!ほら、噂をすれば・・・丹羽くんよ。」そう言われて、後ろを振り向くと同時に梨紗に背中を押され、前へと押し出される。

「ちょ・・・梨紗!」

「頑張ってね~v私は一足先に行くからv」

慌てて、振り向いて梨紗の名を呼んだが、梨紗はそう言いながら手を振り、学校へと走っていってしまった。

「あれ?梨紅さん?おはよう。どうしたの??」

梨紅の姿に気が付いた大助が声を掛けた。


「あ!に・・・丹羽くん、おはようぅ!!!」

緊張のせいか、声が裏返ってしまった。

「?」

その様子に大助はきょとんとして梨紅を見ている。

そんな中、梨紅の中で葛藤が始まっていた。

(もう~どうすればいいのよ!!!こんな突然・・・いきなり渡すのも変だし・・・でも・・・せっかくのチャンスだし・・・もうこうなったら・・・)

「に・・・丹羽くんっ!あのね!」

「うん、何?」

「あのっ・・・・こ」

どうなってもいいと思い、顔を真っ赤にしながら渡そうとした梨紅の声を遮って嫌な声が聞こえた。

「あれぇ~二人して何立ち止まってんだよっ!学校遅れるっぞ!」

冴原だった・・・。

何もこんな時に出てくる必要なんてないじゃないっと内心怒りつつ、何とか冷静さを取り戻した。

「お・・・遅れるよっ!早く急ごう、丹羽くんっ!」

「え?でも、さっき梨紅さん何か言おうとしてなかった!?」

「あ・・・いいの!今言わなくてもいいことだし!だから・・・ねっ!」

何とか誤魔化して、梨紅は学校へと駆けだした。

呆然とする大助を置いて。

「なんだぁ~?大助、なんかしたんか?」

そんな冴原の言葉も、答えられず、大助はしばらく呆然とするしかなかった。


掃除の時間になり、梨紅は掃除のため屋上へと登っていった。

少し考えたいこともあって、掃除が終わった後も梨紅は一人屋上に残った。

「はぁ~やっぱりあの時渡せばよかった・・・でも、冴原の前でなんて・・・」

手すりから外を眺めながら、梨紅はため息を漏らした。

結局あれから、丹羽くんと二人きりになれる時間はなく、気が付けば放課後になっていた。

最後のチャンスは、帰りだけだったが、二人とも部活があり、時間は合うかどうか分からない。

別に、一緒に変える約束だってしていないのだ。

それなら、合うチャンスは皆無に近い。

「もう・・・最悪・・・。仕方ないなぁ・・・下駄箱に入れよっかなぁ・・・」

こうなってくると怒りが湧いてきて、不意に叫びたくて仕方なくなってしまった。

まだ、放課後ということもあって人はたくさんいる・・・けど・・・周りを見渡してみても近くに人はいなかった。

それを見た途端安堵したのか、叫ばずにいられなくなった。


「バカァーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

はぁはぁ・・・叫んだせいか少しすっきりした表情を見せた梨紅だったが、不意に人の気配を感じてビクッとした。


「・・・・誰?・・・誰かいるの?」


人の気配がする方向へ恐れながら、問いかけてみるが返事はない。

誰もいませんようにと祈りながら、人の気配のする方向へ足を進めた。

バッっとそこを見てみるが・・・誰もいなかった。

だけど・・・かすかだけと確かに誰かがいたであろう気配は残っていた。

それが誰だったのかは、結局梨紅には分からなかった。


暫く考えて、梨紅はやっぱり下駄箱に入れて置こうと決めて、屋上の階段を下ろうとしたときだった。

誰かが走って階段を上る足音が聞こえてきた。

こんな時間に誰が?と思いながら、自分も足を階段につけたときだった。

息も切れ切れに走ってきた人物の足が止まる。

え?と思い顔を上げて見た先に、彼がいた。

チョコをあげたいと願い続けた、相手・・・丹羽大助が。

「な・・んで・・・?」

「っ・・・はぁはぁ・・・よかった・・・このまま会えなかったら・・・どうしようって・・・はぁ・・・」

「丹羽くん!?」

混乱する梨紅の頭に、大助が優しく言葉を伝えた。

「ごめんね・・・僕今日がバレンタインだってこと知らなくて・・・梨紅さんが僕に渡してくれようとしていたなんて思いもしなくて・・・本当にごめんっ!」

何故大助が、自分がチョコを渡したくて渡せない状況にいることが分かったのか、そして、自分がここにいることを分かったのか、そんな疑問もあったけど、大助が梨紅のために息を切らせてまで走ってきてくれたことが何より嬉しくて、何も言えなかった。

何か言ってしまえば、涙が出そうで、だから、無言のまま梨紅は、ポケットの中から、チョコを取りだした。

綺麗にラッピングされたチョコレートを、梨紅は大助に近づいて、自分の元から大助の手へと渡した。

渡して、何とか流れ出そうな涙を止め、笑顔で大助に言った。

「受け取って。私が作ったチョコなの。口に合うかどうか分からないけど・・・食べてくれたら嬉しい。」

梨紅のその笑顔と言葉に大助は、自分の心臓が破裂してしまうのではないかぐらいドキドキしていた。

「あ・・・ありがとう・・・今、開けてもいい?」

「うん。」

リボンを外し、中から出てきたのは、丸くて可愛いチョコレートだった。

一つ手にとって取りだし、それを口の中へ運ぶ。

口の中に入った途端、チョコは溶け、甘さが口に広がった。

あまりの美味しさに大助は自分が、溶けていってしまうような感覚に襲われた。

「・・・・っ美味しいっ!!!梨紅さん、美味しいよ!ありがとう・・・こんな美味しいチョコ食べたの生まれて初めてだよっ!」

「丹羽くんってば・・・それ大げさだよ・・・。でもありがとう、喜んでくれて・・・頑張ってつくった甲斐があった・・・丹羽くんのその笑顔だけで私・・・幸せだよ。」

「・・・////」

大助が照れていると、梨紅が不意に呟いた。

「梨紗も・・・渡せたかなぁ・・・。」

「え?」

「あっ、梨紗もね、昨日私と一緒に、チョコつくったの。ダークに渡すんだって・・・でもダークってこっちからは会えないじゃない?だから・・・心配で。」

「梨紅さん・・・」

寂しそうな表情をする梨紅を見るのは辛かった。さっきまであんなに幸せそうに笑っていただけに大助は、自分だけがという想いに陥った。

「ごめんっ!こんなこと丹羽くんに話しても、しょうがないよね。私が出来るのは、信じてあげることだけだし・・・でも、よかったから丹羽くんも信じてくれる?梨紗がダークと出会えますようにって。じゃあ、私これから部活だから!本当に、ありがとう、丹羽くん。」

そう言って梨紅は、階段を駆け下りていった。後に残された大助は、ふっともう一人の自分に訴える。

(わぁ~てるよ!言われなくたって・・・逢いにいけばいいんだろ!)

「(ダーク?)」

(なんだよ・・・その驚きの問いかけは?オレだって悪魔じゃねぇし、オレのこと待ってくれてるんだったら、行くさ。オレのため・・・だしな・・・)

ダークがこんなに素直に言うこと聞くなんて・・・と大助は少し驚いていた。けど、ダークもなんだかんだ言って結局は優しいのだ。


その夜、ダークは梨紗と逢うべく、梨紗の家へと向かった。

そこに、ベランダから身を乗り出して空を眺めている梨紗と目が交錯した。

「ダークさんっ!!!!!」

嬉しそうに叫ぶ梨紗の声。

その声を、部屋の中で梨紅は聞いた。

よかった・・・と静かに安堵した。


終わり

あとがき
バレンタインってことでまたもやクリスマスと同様無理矢理書き起こしました!!!(ぇ
これもまたフリー小説としたいと思いますv
どうぞ、よければ貰ってやって下さいませ(いる人もいないと思うけど)サイトにアップもOKです。マナーさえ守っていただければなんでもありデス。
配布期間はまたもや、管理人の気が変わるまで。クリスマス小説のフリー期間は終了しますねv
えっと・・・バレンタインなんだから、梨紅と梨紗でしょう。ってことで・・・二人を主人公で書きましたv
日渡くんは・・・はてさて分かる人には分かるこの問題(ぇ)出てますよっ!!もちろん!
まどろこっしい表現の仕方でしたが、分かっていただけたでしょうか???
しっかし長くなってしまった・・・う~ん・・・こんなに長くなるとは・・・まぁいいか(ぉ
おそらく、ホワイトデーも書きますvお返しはしなくちゃね~三倍返し(ぉ


この小説はいただきもの
ですので、感想を言います
すごく良かったです!感動しました!
俺のなんかよりイイね
俺が作ったものでないので、
無断転載したら・・・ぶっ殺す!(なぬ
なんてね♪
とにかくとらないでください。


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