螺旋の旋律 ~SPIRAL~

螺旋の旋律 ~SPIRAL~

~Case:2~

邂逅 その2


「え・・・? あなた・・・一体・・・」
「申し遅れました。私は・・・」と少女が言おうとしたが、その時、
『ぐ~・・・・・・』
「え?」
「あ・・・」
少女は顔を赤くしながら下を向いた。
「もしかして・・・おなか減ってるの?」と眞那が聞くと、少女は恥ずかしそうに頷いた。
「それなら、うちにおいでよ!簡単なもので良かったら、何か作ってあげるよ。」と眞那が笑顔で言った。
「え・・・でも・・・ご迷惑をお掛けするわけには・・・」と、少女が戸惑っていると、
「いいからいいから。困ったときは助け合わなきゃ!」眞那は少女の手を引きながら言った。
それにつられて少女は立ち上がろうとしたが、力が入らないのか、転んでしまった。
「痛っ!」少女はそのまま尻餅をついた。
「どうしたの?・・・あ・・・その傷・・・」
少女は足に怪我をしていた。大した傷ではないようだが、手当をしておいた方が良さそうだ。
眞那は少女の足にハンカチを巻いて、
「手当てした方がいいね。とりあえず一旦家に戻ろう。」と言って、少女に背を向けてしゃがんだ。
「え?」少女が驚いていると、眞那は、
「おんぶしてあげるよ。ほら!」と言って微笑んだ。
「あ・・・すいません・・・。」このままここに居続けるわけにも行かないと思ったのか、少女は眞那の背に乗っかった。


大体10分くらいで、眞那が暮らしているアパートの一室についた。
ここは眞那が暮らしているアパートの一室。
「ちょっとそこで待ってて。」と眞那に言われた少女は、きょろきょろと部屋を見回した。
綺麗に整頓された、落ち着いた感じの部屋。
「お待たせ!」眞那は救急箱を持ってきて少女の足の手当てをした。

それから眞那は、少女のために食事を作った。
「さ、どうぞ!これくらいしか作れなかったけど。」
そう言って机の上にだしまき卵、野菜炒め、それからご飯と豆腐の味噌汁などを並べた。
「すいません・・・いただきます・・・。」
少女はそう言って食べ始めた。
「ありがとうございました。美味しかったです。」少女は嬉しそうに眞那に礼を言った。
どうやら何も食べていなかったらしい。
「困っている人は放ってはおけないからね。随分おなかが減っていたのね。」眞那が言うと、
「事情があって、昨日の夜から何も食べていなかったんです。」と答えた。

「あ、そう言えば・・・」少女が何かを思いだしたように言った。
「どうしたの?」眞那が訊ねると、少女は、
「私の名前は、リディア・ラクウェルと言います。」と答えた。
「私は眞那。高町 眞那って言うんだ。よろしくね、リディアさん!」と眞那も言った。
「はい!こちらこそ!」とリディアも笑顔で返した。

「ところで、リディアはどこから来たの?」と眞那が訊くと、リディアは、
「信じてはもらえないでしょうけど、この世界とは違う世界、いわゆる異世界の、『セイクリッド(Sacred)』から来ました。」と言った。
「え・・・?い、異世界?」眞那が目を丸くしながら言うと、
「やっぱり、信じてもらえませんよね。突拍子もないことですし・・・」リディアは下を向きながら言った。
「異世界って・・・ホントにあったんだ・・・」と眞那が言うと、
「え?」今度はリディアが目を丸くした。
「本とかで伝説として書いてたけど、実在してたんだね・・・」
リディアは相変わらず目を丸くしている。
無理もない。信じてもらえるとは思っていなかったのだから。
「ねぇ、リディア、その・・・異世界のこと・・・詳しく教えてくれない?」眞那が興味深そうに聞くと、リディアは、
「私が知ってることで良かったら・・・」と答えた。
眞那は、「それでもいい」と言う風に頷いた。

リディアは、異世界のことについて話し始めた。
「私が暮らしていた異世界『グロリアラント』の国、『セイクリッド』は少し前までは平和で豊かな国だったんです。
 でも、最近、隣国の『レーヴァテイン(Laevatain)』が戦争を仕掛けてきたんです・・・」
眞那は、息をのみながらも、興味深げにリディアの話を聞いていた。

リディアにがそうして戦争が起こった事を説明した時、突然玄関のベルが鳴った。
どうやら誰かが来たようだ。
「ちょっと待ってて。誰か来たみたいだから。」
眞那はそう言って玄関のドアを開いた。






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