螺旋の旋律 ~SPIRAL~

螺旋の旋律 ~SPIRAL~

~Case:8~

美雀と眞那


「師匠かぁ・・・まあ、そんな感じ・・・かな。」
美雀はどこか思うところがある、という感じで答えた。
ただ、「師匠」という言葉が良かったのか、少し嬉しそうではあった。

美雀は、
「あ、その人が柾木君だね?」と言いながらまじまじと理王を見た。
「ふ~ん・・・噂は聞いてるよ。宜しくね~」

「なっ・・・!?」理王は顔を赤らめながら後退りする。
「何ですかっ!?それに・・・噂って・・・?」理王は動揺しつつも聞き返す。
「あ、いやぁ・・・最近眞那の高校に凄く格好いい人が転校してきたって聞いてね。しかも転校してすぐ剣道部に入って、『あの』 時任 君を倒したってのも興味があってね。どんな人なのかな~って。」
「そうそう。『あの』 時任 さんを倒したんだよ。凄いよね~。」眞那もそう言う。

「『 時任 』さんって・・・そんなに凄い人なんですか?確かに凄く強い方でしたが・・・」理王はそう訊く。
「そうだなぁ・・・全国大会で3連覇してる人だよ。校内でも全国でもほとんど無敵・・・じゃないかな。」眞那はそう言う。


確かに、 時任――時任颯壱―― は全国に名が轟くほど強い。
1年の新人戦でいきなり優勝。
その後、1年秋に事故に遭い、暫く大会には出場していなかったが、半年後に復帰するやいなや復帰後すぐの大会に優勝。
その後も優勝を重ね、理王に敗れるまでは全国大会を3連覇、実に公式戦、他校生との練習試合において247連勝というとんでもない記録を作っていたほどだ。
その 時任 を苦戦したとはいえ倒したのだ。
噂になっていてもおかしくはない。

「そんなに・・・凄い人だったんですね・・・道理で・・・」理王は嫌な事を思い出したように俯いた。
『道理で?』眞那、リディア、花依がハモるように口をそろえて言う。
「道理で・・・竹刀が掠っただけで胴衣が切れるんだ・・・」どうやら少し青ざめている。
『え゙・・・!?』やはり3人が口をそろえて同じリアクションをとった。

比較的冷静な理王ですら動揺しているのだから、3人の驚きは容易に想像できる。
眞那も花依も 時任 の噂は知っていたが、そこまでとは思っていなかったらしい。


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