螺旋の旋律 ~SPIRAL~

螺旋の旋律 ~SPIRAL~

~Case:9~

星穹


その後。

4人は美雀と別れ、買い物を済ませアパートに戻った。
眞那は荷物を置いた後、「稽古があるから」と美雀の所へ向かった。
花依もやる事があるらしく、自室に籠もってしまった。

時間は7時48分。
リディアは和室に独り。
荷物の整理も終わった為、暇を持て余していた。
畳に寝転がって天井を見たりしていたが、流石にそれにも飽きてきた。

不意に思いつき、理王の所へ行く事にした。
「すぐ隣だし、この時間ならまだ寝てもいないだろうし。」
とりあえず花依にその旨を伝え、テーブルにメモを置いてアパートの一室を出る。

『柾木 理王』と記されたプレートが取り付けられた、無機質な金属のドア。
その脇にあるインターホンを1度鳴らした。返事はなかった。
「寝ているのかな?」と思いつつも、ドアノブに手をかけてみる。
カギはかかっていなかったようで、そのドアは思いの外あっさりと開いた。

一応電気はついていたが、居ないように思えた。
実際、理王は居なかったが。


リディアはベランダに行ってみた。
そこにも理王は居なかったのだが。
「ん~・・・何処行ったんだろ・・・シグ君・・・」
少しむくれながらそう呟く。

「呼びました?」
「ひぁっ!?」
突然頭上から声が降ってきた事に驚く。
その頭上には同じようにびっくりした顔を見せる理王。
「し、シグ君・・・何でそんなとこに・・・?」
まだ目を丸くしている。心臓が激しく鼓動するのが分かった。
頬を赤らめているその顔に、理王もどきっとして赤面する。

「そっちに行ってもいい?」リディアは手を伸ばす。
「ええ、構いませんよ。」理王はその手を引き、屋根へと誘う。

「あ、ああ・・・星を観ていたんですよ。」
「星?」
「尤も・・・向こうほど多くは視られませんが・・・」
「そうなんだ・・・あまり向こうでは見れてなかったから私には新鮮かも。」
「そうなんですか?」
「うん・・・向こうだと暗くなったら眠くなっちゃってたから。」
他愛もない会話をしながら、照れ笑いを浮かべる。
その顔に理王は再び頬を赤らめ、少しだけ顔を逸らす。

「どしたの?」理王の顔をのぞき込む。
「い、いえ・・・何でもありませんよ。」
心を落ち着かせ、再びリディアに顔を向ける。


―――この笑顔を 僕は護りたい―――
心にそう思った。
―――すぐ傍に居る 僕の大切な人を―――
蒼き三日月が灯り、無数の星が躍る夜穹に誓おう・・・

















その頃。

???「あの姫さん、こんな所にいたのか・・・」
「思いの外見つかるのが早かったですね。」
???「どうするよ?すぐにでも連れて行くか?」
「まあ、今はいいでしょう。恐らく警戒しているでしょうし。それに・・・」
???「それに?どうした?」
「どうやらさっきまで一緒にいた2人、武術の心得があるようですよ。
 しかもかなり強いようです。油断は出来ないでしょう?」
???「・・・かも知れないな。今日はやめておこう。」
そう言って2人は姿を眩ました。


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