螺旋の旋律 ~SPIRAL~

螺旋の旋律 ~SPIRAL~

前編


そこは右も左も分からない、完全な暗闇。
俺は手探りで壁を探しながら、見えない道を歩いている。
突然、足下が崩れ始めた。
「なっ・・・!?」
走って逃げようとしたが、道が分からないので、どうすることもできなかった。
そして俺は、そのまま闇の底へ落ちていった。



「・・・ここは・・・」俺は目を覚ました。
何故かは分からないが、俺はベッドに寝ていた。
「気が付きましたか?」そう言って少女が俺の顔をのぞき込んできた。
「あんた・・・誰?」俺は少女に訊いた。
「あ、私の名前はアイシア。アイシア・エイグレットといいます。」少女はそう答えた。
「あなたの名前は?」彼女が聞き返してきた。
「俺は・・・」俺は名前を言おうとした。しかし頭に痛みが走る。
「分からない・・・思い出せない・・・」痛みのせいか、名前を思い出すことができなかった。
いや、名前だけじゃない、そのほかのことも思い出せなかった。
「記憶・・・思い出せないんですか?」アイシアが心配そうに問いかけてきた。
「ああ、どうやら『記憶喪失』ってヤツらしい。」俺はそう答えた。
というより、そう答えることしかできなかった、といった方が相応しかった。
「そうですか・・・」アイシアはそう言ってうつむいた。
俺もその様子を見てうつむいたが、その時に、
「あ、それじゃあ・・・『キバ』っていうのはどうでしょうか?」と言ってきた。
「キバ?」俺が呆気にとられていると、
「はい!『輝』く『刃』と書いて、『輝刃』です。名前が思い出せないのなら、代わりの名前として。ダメですか?」彼女はそう付け加えた。
「そうだな・・・。記憶が戻るまでなら、別にいいか・・・。」俺はそう答えた。そして、俺と彼女は寝室らしき部屋から出た。



あとがき
アナザーエピソード(番外編)です。
「タウン」にてユウキさんが提供してくれた、『輝刃』のストーリーの前編です。


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