ダトニケ熱い小説

ダトニケ熱い小説

微妙なプレゼント。 頭の中はプレジデント



 「やっぱりこっちは寒いね」梅雨の時期に小麦色の肌を露出した姿で、友人のサトミが旦那の幸太郎と家にやってきた。大きな紙袋を持ってだ。

 どうやら新婚旅行のお土産らしい。サトミたちの披露宴では友人代表の言葉を贈ったくらいの大親友だ。国際電話で「アイ子にだけ特別にお土産を買ったから」とはしゃぐように言ってきたことが大げさではなかったなと、少し申し訳なく思った。

「ありがとう。大きいね」袋の中はゴワッとしている感じだ。「あがってお茶でも飲んでよ」

「うん。ありがと。でも、他にも配りに行くから」旦那のワンボックスカーを指差しながらサトミは言った。

「じゃあ、また今度ゆっくり来てよ」と、手を振りながら車に乗り込むサトミに爪先立ちになって言った。終始、幸太郎さんは無言だった。今まで何軒まわって来たのか、いや、まだまだ何軒も残っているのだろう。ショッピング好きのサトミの後始末に少々うんざりしているなのかなと苦笑いをしながら思った。

 もらったお土産の紙袋の中身を広げる。台所にいた母が居間に入ってきた。「お土産?大きいね」デニム地のエプロンで手を拭きながら言ってくる。

「すごい。毛皮のコートだ。このブランド……。うれしい」アイ子は目じりを指で押さえながら声を震わせて言った。

「へー。すごいね。コート」うらやましいのだろうか、「でも、」と続けた。「あの子たち新婚旅行はどこに行ったって言った?」

「え、ハワイだけど」急に違和感が自分の中にただよってきた。




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