・社會部部長『あの国の本当の思惑を見抜く 地政学』は、複雑に入り組んだ国際情勢を、地政学というフレームで整理し直す試みだ。単なる外交ニュースの羅列ではなく、「なぜその国がその行動を取るのか」という根本的な動機に迫る構成になっている。経済・軍事・エネルギー・宗教・歴史といった要素を統合的に読み解き、国家の「思惑」を見抜くことが目的だ。
・著者は、アメリカ、中国、ロシア、中東諸国、ヨーロッパといった主要プレイヤーを取り上げ、それぞれの地理的条件や歴史的背景が、現代の外交戦略や経済政策にどう影響しているかを分析する。たとえば、中国が「一帯一路」を推し進めるのは単なる経済拡大策ではなく、海洋進出の地理的制約を克服するためであると解説する。また、ロシアがウクライナにこだわるのは、黒海の軍事的価値や西側の勢力拡大に対抗するためであり、そこには感情論ではなく冷徹な地政学的必然がある。
・さらに、中東での資源争奪や、欧州統合の揺らぎ、アメリカの覇権戦略の変化なども、国家の立場と利害の交差点として整理される。ニュースの断片に惑わされるのではなく、その背後にある「地理と資源が規定する動機」を理解することが本書の肝となっている。
・本書のポイント
- 地理が戦略を決める:山脈、海、資源の位置が、国家の政策を縛る。
- 歴史は繰り返す:かつての戦争や同盟の構図が、現在の外交関係に色濃く影を落とす。
- メディアの報道を超える視点:表面的な発言やニュースではなく、国家が動かざるを得ない「必然」を見極める。
・グローバル経済の中で働く以上、国際情勢の不確実性は常に経営や投資のリスクに直結する。本書が示す地政学的な思考法は、企業戦略にも応用可能だ。競合他社の動きや市場環境も、表面的なニュースではなく「制約条件」や「必然」によって規定されていると考えることで、判断の精度が上がる。
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代のビジネスパーソンにとっては、短期的な為替や株価の動きに振り回されるよりも、その背後にある国家戦略を読む力こそが、長期的なビジネスリーダーシップを支える武器となるだろう。
あの国の本当の思惑を見抜く 地政学 [ 社會部部長 ]
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