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天の道を往き、総てを司る
第11話 クルーゼ隊再び
敵はザフトの部隊で艦二隻、MS十数機という編隊との事。先遣隊の戦力では対応が難しい数だ。
マリューの判断で全速で救援に向かうことが決まり、全艦に第一戦闘配備がひかれる。
「畜生! こんな所でザフトに捕まるなんてな!」
パイロットスーツに着替え、機体のコクピットに乗り込み計器を片っ端から作動させながらケーンが苛つきと共に吐き捨てる。
も先遣隊と合流すればこれまでよりは楽になると思っていただけにその衝撃と苛立ちは大きい。
「ホント……いっつもナイスタイミングで来てくれるよねぇ、ザフトの皆さん」
ライトも皮肉めいた物言いでケーンの言葉に同意する。
「ってか……何か良くないのに祟られてるんじゃねぇの? アークエンジェル」
「……言えてるかも」
タップの言葉に思わずキラも同意する。
今更言っても仕方がないが元はと言えばこの戦艦と機体のせいでへリオポリスが襲われたわけで、ある意味、自分達にとっては諸悪の根元とも言える。
そしてへリオポリス脱出以降の敵の襲撃率の高さときたら……正直、嫌になってきた。
『何時まで愚痴ってんだ。先行くぞ!』
愚痴っている4人にフラガが通信機越しに怒鳴りつつメビウスゼロで出撃する。
それに続く形で4人の機体もそれぞれカタパルトから出撃する。
すでにスペースアークからもF91とヘビーガンが出撃していた。
『ナデシコの艦載機はこちらの防衛用として待機させておきます。フラガ大尉、ビリヨ少尉、陣頭指揮は任せます』
通信機から聞こえてきたマリューの声にフラガはゲンナリした様子でぼやく。
「俺が指揮かよ……ったく」
戦闘しながらの指揮と言うのは相当しんどいので出来ればやりたくはないが仕方がない。
クレアが出れれば少しは楽だがこの場にいない者の事を言っても仕方がないだろう。
「ビルギット・ビリヨだったな。この場に出てる士官は俺とお前だけだ……坊主共のフォロー半分は受け持ってくれよ」
「俺だって殆ど新米なんですがねぇ……ま、仕方がないか。先行します、シーブックと……その……どら焼き頭、俺と来い!」
ビルギットのヘビーガンが前に出て、それにF91が続く。
「どら焼き頭って……そりゃないでしょ」
そして、D-3の最大の武器であるレドームをどら焼き呼ばわりされた事に凹みつつ、ライトもその後に続いた。
先遣隊とクルーゼ隊の戦闘はクルーゼ隊の圧倒的優勢だった。
戦力的には先遣隊も申し分はないのだが連合軍の主力MS、ドートレスは15年以上も稼働する旧式でしかない。
ザフトのMSは最新鋭のジン十数機に強奪したXナンバーズ……それにコーディネイターが乗っているのだから手に負えない。
「遅いんだよ!」
オレンジ色に塗装されたミゲルのジンがマシンガンでドートレスを蜂の巣に変え撃墜する。
その左手には予備の装甲版で作られた即興のシールドを構えている。
コーティングは施していないのでビームは防げないが実弾を防ぐには十分だ。
「ドートレス如きで勝てると思うなよ!」
バスターの超高インパルス長射程狙撃ライフルが火を噴き、ドートレス二機をまとめて貫き破壊する。
その後ろからデュエルとシホの乗るジンが飛び出し、連合の戦艦へと一直線に向かっていく。
「俺が仕留める! 援護しろ!」
「は……はい!」
シホのジンがキャットゥスを放ち、戦艦の主砲を破壊。
其処へ一気にデュエルが飛び込んでビームサーベルを振るい、ブリッジを叩き潰すように斬る。
戦艦はブリッジから爆発していき、ただの残骸へと姿を変えていく。
「そこっ!」
シホのジンがキャットゥスを接近してくるドートレスへと向け発射。
弾丸は吸い込まれるようにドートレスの腹部を直撃し、撃墜する。
「良い動きだ。この調子で支援を頼むぞ」
イザークが調子の良い声でシホの動きを褒めそのまま次の獲物へと向かう。
シホも褒められたのが嬉しいのか「ハイッ!」と元気良く答え、デュエルの後に続く。
気のせいか、どことなくイザークの機嫌も良いようにディアッカは感じた。
「後輩が出来て喜んでんのかねぇ」
親友の微笑ましい先輩姿に苦笑を浮かべつつ、ディアッカもそのフォローの為にバスターを加速させ二人の後を追う。
その横ではMA形態へ変形したイージスが機首から4本のビームサーベルを伸ばしドートレスを串刺しにし、破壊していた。
直後にMS形態へと変形し、ビームライフルを連射して接近してくる他の敵機を牽制する。
「ええい! 艦砲をイージスへ向けろ!」
一番イージスに近い距離にいた艦の砲門がイージスへと向けられる。
しかし、その砲門から放たれたのはビームではなく爆発だった。
「な……何事だ!?」
艦長が驚愕のあまり目を見開く間も与えずブリッジ正面に一機の黒いMS、ブリッツの姿が浮かび上がる。
ブリッツは右腕のシールドに取り付けられたビームライフルを放ちブリッジを火の海に変える。
「これがミラージュコロイド……いざ使ってみると面白い装備ですね」
コクピットの中のニコルが感心したように呟く。
ブリッツには特殊装備として特殊粒子を機体表面に固着させて視覚はおろかレーダー等による探索を不可能とするミラージュコロイドを持っている。
使用中はPT装甲の展開は不可能な上に連続展開時間も85分と制限され使い勝手は良いとは少しばかり言いにくいがそれを補えるだけの効果はある。
『このまま艦隊の中央に突入する。ニコル、攪乱を頼むぞ!』
「わかりました!」
通信機から聞こえてくるアスランの声に反応し、ミラージュコロイドを展開し姿を宇宙の闇に溶け込ませる。
「お、おい! どうなっている!? 何故、こうも一方的にやられているんだ!?」
先遣隊の旗艦ブリッジで艦長席の横にある副長席に腰掛けているスーツ姿の男が焦りと恐怖に駆られ喚き散らしている。
艦長はその男、連合軍事務次官ジョージ・アルスターを殴り飛ばして黙らせたい欲求を理性で抑えつける。
「事務次官、少し黙ってください!」
最も、言葉遣いが少しばかり荒くなるのはどうしようもない。
すでに艦3隻が撃墜され、MS隊もかなりの損害を受けている……ジンだけならば少しは何とかなったかもしれないがへリオポリスで強奪された新型4機が相手ではどうしようもない。
アークエンジェルとの合流を目前にしての敵襲とは嫌なタイミングで攻めてくる敵である。
「艦長、レーダーに新たな機影! 数は3……友軍です!」
「何!? この近くに展開している友軍など……アークエンジェルか!」
こちらの騒ぎを聞きつけ、救援に来てくれたのだろう。
だが記憶が確かならば今のアークエンジェルは相当な被害を被っており性能を満足に引き出せない状況の筈だ。
いくら敵味方に名を知られるナデシコBや練習艦ではあるが戦艦であるスペースアークが行動を共にしているとはいえ危険な事に変わりない。
「応援に来てくれたのか!」
助かったとでも言い足そうな顔でアルスターが叫ぶ。
それを見た艦長は頭の中でアルスターの顔面を変形するほど殴り、うっぷんを晴らしながら苦い表情を浮かべる。
恐らく先行してきた連中だろうがたった3機の応援で果たして何処まで持つのかと。
「こりゃまた……派手にやられてやがる」
ビルギットが悪態をつきながら先遣隊の中へ突入する。
すでに相当な被害が出ており、負け戦になるのはもはや明白……ならば生きている連中がが撤退出来るように支援する他無いだろう。
「ん……ビルギットさん。レーダーに反応! 11時方向に数3!」
「何!?」
D-3のレーダーが捉えた反応の方へカメラを向ける。
其処にはデュエル、バスター、ジンの3機が真っ直ぐこっちへと向かってくる姿がある。
「げっ! あいつ等かよ!」
ライトが心の底から嫌そうに叫ぶ。
へリオポリスで一度完璧に巻いたのだが、どうやら不運な事に再会してしまったようである。
「あれがへリオポリスで盗られたって新型か……厄介な!」
ビルギットも忌々しげに叫び、ビームライフルを構える。
「あの円盤頭……近くに足つきもいるって事か!」
一方、イザーク達もD-3の姿を見て近くにアークエンジェルがいる事を察知する。
へリオポリスで良いようにあしらわれた屈辱を返すには丁度良い機会だ。
ただ、D-3と共に行動している見慣れないMSという不安要素があるのだが。
「あっちの二機は見た事ないですね……新型でしょうか?」
「オマケに一機がガンダム顔かよ……笑えねぇでやんの」
「フン、怖じ気づいたか? 先に行くぞ!」
言い終えるよりも早く、デュエルが突撃する。
シホのジンも慌ててそれを追い、ディアッカは呆れつつ援護に回る。
「イザーク……少しはその特攻癖直せっての!」
皮肉を呟きながら両腰に携えた火器を放つ。
ビルギット達は散開してそれを交わすが直後、デュエルがF91へと襲いかかる。
「新型のガンダムゥッ!」
「突っ込んで来る!?」
「堕ちろぉ!」
デュエルのビームサーベルが振り下ろされる。
シーブックは咄嗟に腰部スカートに収納されているビームサーベルを抜いて受け止める。
力任せに振り抜いてデュエルを弾き、胸のマシンキャノンを撃ちながら間合いを取る。
「チッ! 小癪なんだよ!」
シールドでマシンキャノンを防ぎながら、デュエルはサーベルを構え突撃する。
「シーブック! うおっ!?」
応援に向かおうとしていたビルギットのヘビーガンは直上から放たれたバズーカの砲弾に行く手を阻まれる。
「エルスマン先輩!」
「おう!」
バスターがビームをヘビーガンへ放つ。
シールドでそれを防御し、反撃にビームライフルを撃つ。
「くっ! 砲撃か!」
「そうはさせねぇっての!」
D-3がハンドレールガンを連射し、ジンとバスターを牽制する。
その隙にビルギットは間合いを離してビームライフルを連射し、牽制する。
「助かったぜ、どら焼き頭!」
「どら焼き頭言うなって……俺はライト・ニューマンって名前あるし、こいつにもD-3って名前あるの!」
「名前、今知ったんでな! 悪く思うな!」
ビームライフルからビームサーベルに武器を持ち替え、シールドを前面に押し出してヘビーガンが突撃する。
「支援頼むぜ、ライト!」
「頼まれた!」
ヘビーガンの後に続き、D-3もハンドレールガンを構え突撃する。
その頃、アークエンジェル、ナデシコ、スペースアークも先遣隊を有視界に確認できる距離まで到達していた。
「全機、先遣隊の援護を!」
「了解、行くぞ坊主共!」
艦の周囲にワイバーンとナデシコが搭載していたエステバリスが一機展開し、メビウスゼロ、ストライク、D-1、D-2が突撃する。
ストライクがビームライフルでジンを牽制し、其処へD-1がレーザーソードを構えて突っ込み両腕を切断する。
メビウスゼロもリニアガンとガンバレルを一斉に放ち、ジンを一機撃墜する。
「チィッ! 足つきの連中が来たのか……アスラン、ニコル、俺達で押さえるぞ!」
「わかりました!」
ミゲルのジンに続き、ブリッツが加速しメビウスゼロ等へ向かっていく。
それから少し遅れてMA形態のイージスが続く。
イージスのモニターに映る敵機の内一機を拡大表示……其処に映るストライクの姿にアスランは顔をしかめる。
「ストライク……キラかっ!」
一方、キラもイージスの存在に気がつき表情を険しくする。
「アスラン……ッ!」
ストライクはビームサーベルを引き抜き、イージスもMS形態へと変形しビームサーベルを伸ばして斬りかかる。
ビームの刃を鍔迫り合いながらすれ違い間合いを取る。
「キラッ! お前はまだそんな物に……っ!」
「くっ……アスラン! 今は君に構っている暇は!」
ストライクはイーゲルシュテルンを連射し、イージスを牽制する。
イージスはシールドでそれを防ぎながらビームライフルを構え引き金を引く。
放たれたビームをストライクもシールドで防ぎ、ビームサーベルをライフルに持ち変える。
「くうっ!」
D-3とヘビーガン目掛けてビームが数発放たれる。
咄嗟に機体を下がらせビームを避ける二機……直後、バスターの横に一機の黒いMS,ブリッツの姿が浮かび上がる。
「ディアッカ、円盤頭は押さえます! アナタは新型を!」
「OK!」
ブリッツのビームライフルがD-3へと放たれる。
ライトは舌打ちし、ビームを避け……間髪入れずにブリッツが攻撃を仕掛け続けヘビーガンから引き離される。
「チィッ! 一対一に持ち込むってのか!」
ハンドレールガンを連射し、ブリッツを牽制しながら距離を取る。
D-3は電子戦特化の支援機であり戦闘向きではない。一対一の真っ向勝負では勝ち目は殆ど無いだろう。
「逃げるつもりでしょうけど、そうはいきません!」
ニコルがミラージュコロイドを作動させ、ブリッツの姿を宇宙の闇へ溶け込ませる。
D-3のレーダーからも当然のようにブリッツの反応が消失する。
「何!? 消えやがった!?」
『ミラージュコロイドを作動させたようです。レーダー及び、カメラアイでの探知不可能』
マギーが冷静にミラージュコロイド作動を説明し、登録されていたブリッツのデータを表示する。
「特殊ガスの散布によるステルスか……厄介だな」
データを見ながらライトは深呼吸し、自分を落ち着かせ冷静に思考する。
表示されているデータ通りなら相手はミラージュコロイド展開中、PT装甲を展開できない……D-3の武装でもダメージを与える事が可能だ。
しかし、的を捉える術が無いのでは……と思った時、ライトの頭にあるひらめきが浮かんだ。
「マギー、特殊ガスって奴をどうにかして捉えられねぇか!?」
『可能です』
その答えの直後、センサーにもやっとした影のような物が浮かぶ。
間違いなく、ミラージュコロイドを作動する際にブリッツが使用する特殊ガスの反応だ。
「捉えた! 其処だぁ!」
「何っ!?」
D-3がハンドレールガンを何もない空間へ向けて放つ。
直後、ブリッツの姿が浮かび上がりシールドを構え放たれた弾丸を防御する。
「僕の……ブリッツの位置を正確に捉えた!?」
「D-3の策敵能力を甘く見るな!」
「くっ……頭のレドームは伊達じゃないって事ですね!」
ブリッツ最大の武器であるミラージュコロイドを見破られたのでは展開して身を隠すという戦法はD-3相手には通用しない。
ニコルは頭を切り換え、右腕のビームサーベルを伸ばしD-3へと斬りかかる。
「ならば、戦法を変えるまで!」
「そう簡単にはやられねぇよ!」
D-3とブリッツが激突する横で、ヘビーガンはバスターの砲撃をなんとか避けビームライフルで反撃の機会を伺っていた、
新型とはいえ汎用性重視のヘビーガンと砲撃重視のバスターが遠距離戦を行えばどちらが有利か等、子供でも解る。
火力は勿論、射程まで違うのだ……必然的にヘビーガンは防戦一方となる。
「ええい! 大砲持ちが!」
バスターの砲撃に悪態を付きながらビルギットは必死に放たれるビームや実弾を避け、反撃を試みる。
ビームライフルから放たれるビームをディアッカは鼻を鳴らし、悠々と回避する。
「はっ、そんなもんかよ!」
超高インパルス長射程狙撃ライフルを放ち、ヘビーガンを攻撃する。
ビームライフル以上の威力と射程を誇るこの武器の前にヘビーガンは打つ手が無い。
時折来る反撃も、ディアッカにとっては驚異と感じるほどの物でも無いのだ。
ストライクとイージスのビームサーベルがぶつかりあい、エネルギーがスパークする。
「キラッ! 性懲りもなくストライクでナチュラルに扱われるか!? いい加減に目を覚ませ!」
「何を……っ! こっちの事情も知らない癖に知ったような口振りで!」
ストライクの脚を振り上げ、イージスの腹部を蹴り飛ばす。
「ぐうっ!」
体勢を崩したイージスから離れ、イーゲルシュテルンで牽制する。
イーゲルシュテルンの弾丸がイージスに直撃するもPT装甲に防がれダメージはない。
「っ……このっ。いくらお前でも、調子に乗るようなら容赦は!」
ビームライフルを構え連射。
ストライクはシールドでそれを防ぐが、その隙にイージスは間合いを詰め、脚部のビームサーベルでシールドを切り裂く。
シールドは斜めに斬り捨てられ、破壊される。
「シールドが……っ!」
予備のシールドが残り1枚しか無いから大事に扱えとマードックが言っていたのを思い出す。
言われた先から壊してしまっては何を言われるか……しかし、そんな事ばかり考えている余裕はない。
「おおおっ!」
アスランはイージスの両手足に内蔵されているビームサーベルを全て展開し、キラに休む間を与えず連続で斬りかかる。
キラは咄嗟に機体を下げ、ビームライフルからビームサーベル二本に持ち替えアスランの繰り出す斬撃を何とか受け止める。
「クソッ! アスランッ!」
「おおりゃぁ!」
「何っ!?」
上方からの威勢の良い叫びと共にレーザーブレードがイージスへと振り下ろされる。
咄嗟に身をかわし、斬撃を回避する……直後、至近距離から放たれる弾丸が赤い装甲を直撃する。
「ぐうぁっ!」
衝撃に体制を崩すイージス。
イージスの正面には左手にレーザーブレード、右手にハンドレールガンを構えたD-1の姿があった。
「ケーン、ゴメン、助かった」
「へっ、良いって事よ」
「ぐっ……応援か!」
D-1を忌々しげに睨みながら機体状況をチェック……至近距離からの連射及び直撃はやはり効いたのか装甲が一部損傷しているが大した事はない。
しかし、2対1で闘うのは不利だ。キラのストライクだけならばどうにでもなったのだが、応援に現れたメタルアーマーまで相手にするとなると一人だけではキツイ。
(チッ……余計な所で……っ)
心の中で舌打ちし、アスランは機体を下がらせる。
この状況でこれ以上一人で戦うのは不利……そうして、イージスの機体は二機から離れていく。
「へっ、おとといきやがれってんだ。ヘタレ!」
「いや……ケーン、調子乗りすぎ……」
調子に乗っている友人に呆れながら、キラは下がっていくイージスの機体を複雑な表情で見やり、ため息をつく。
「ん? キラ、どうした?」
「あ……いや、何でもない」
「そっか……んじゃ、他の面子の応援にでも……」
そうして二人が移動しようとした時、遠くの戦闘が行われている宙域で一際大きな爆発が起こった。
クルーゼの駆るシグーがガトリング砲で戦艦のブリッジを撃ち抜き、マシンガンでドートレスの腹部を蜂の巣へと変える。
弾切れを起こしたマシンガンの弾倉を取り替えながら周囲を伺う。
「フン……所詮はこの程度か。私がわざわざ出撃するまでも……むっ?」
脳裏に電流のような感覚を感じ、即座に機体を動かす。
先程までシグーがいた場所へ数発の弾丸が放たれ、その向こうから見慣れたオレンジ色のモビルアーマーが姿を現す。
「クルーゼッ!」
「ムウ! まだ性懲りもなく生きているのかね!」
「生憎と! お前より先に死ぬ予定はないんでね!」
メビウス・ゼロのガンバレルを展開しリニアガンと同時に弾丸を放つ。
シグーは放たれ襲いくる弾丸を避けながら、シールドのガトリング砲を向けメビウス・ゼロを狙い撃つ。
吐き出された暴風のような弾丸をメビウス・ゼロの機体を横へ強引に逸らす事で回避する。
「んなろぉ!」
リニアガンの砲口をシグーへ向け、弾丸を吐き出す。
「チッ……相変わらず腕は良いようだな!」
シグーの機体を下げながらマシンガンで反撃する。
互いの銃口から、容赦なく弾丸が放たれ……リニアガンの弾丸がシグーのシールドを、マシンガンがガンバレルを破壊する。
「「ぐぅっ!」」
互いに高速ですれ違い、十分な距離を取ってから反転し再度の攻撃へと移る。
その直後、眼下で巨大な爆発が起こる。
「なっ……なんだ!?」
「護衛艦撃沈! 我が軍の戦力はもうありません!」
旗艦によせられる報告にコープマンは歯ぎしりし、アルスターは表情を青くする。
連れ立っていた護衛官は遂に全滅。戦力のMSも9割が撃墜され、残りはアークエンジェルの艦載機のみ……どう考えても勝ち目はない。
「ど……どうするのだ、艦……っ!?」
「総員、退艦準備! 事務次官、脱出艇へご案内いたします!」
アルスターの言葉を遮るようにコープマンが叫び、指示を飛ばす。
こうなったら脱出するしか選択肢はないのは、誰の目にも明らかだった。
「わ……わかった」
コープマンの迫力に気圧され、頷いたアルスターを二人の兵士が連れてブリッジを出る。
それを見届けたコープマンは頭に被っている帽子を被り直し、ため息をつく。
「艦長! 敵機接近!」
その報告がよせられ、彼がそれに反応した時にはブリッジの正面にキャットゥスを構えたジンの機体があった。
数瞬の後、放たれた弾丸にブリッジは潰され爆発。誘爆が艦全体へと伝わるのに10秒と掛からなかった。
「ひっ……!」
脱出艇へと続く廊下を歩いていたアルスターも悲鳴をあげる間も無く、爆発に飲み込まれる。
ブリッジを破壊したジンのコクピットで、シホはバイザーを開き、頭を振って汗を飛ばす
「……敵、旗艦撃破しました!」
通信回線をヴェザリウスに繋ぎ、報告。
『初陣で良くやった! お前は一足先に帰投しろ。後は隊長達がやってくれる』
「はっ……はい!」
アデスの指示に上擦った声で答え、シホはジンをヴェザリウスへと向ける。
初陣という緊張と敵の旗艦を撃墜したという事実で少し舞い上がり気味な彼女に、帰投命令は有り難かった。
「旗艦が……っ!」
アークエンジェル、スペースアーク、ナデシコBのブリッジのメインモニターに旗艦が轟沈する瞬間が映しだされる。
これで先遣隊は全滅。普通に考えて、ザフトの次の攻撃対象は自分達へと移る。
「艦長、このままでは……撤退を!」
「今からでは間に合いません!」
ダグラスとナタルの怒声がブリッジに響く。
マリューは頭を振り、すぐに指示を出す。
「全機に帰投命令を! このままじゃ袋叩きにされるわ!」
「はっ……はい!」
後ろの席に座るミリアリアが急いで出撃している面子に帰投命令を伝える。
「艦長、敵機が……」
「やはり狙ってくるのか……!」
ナタルが忌々しげに呟く。
しかし、オペレーターから返ってきた答えは意外な物だった。
「いえ……引き上げていきます」
「……何?」
『隊長、よろしいのですか?』
「ああ……今なら確かに足つきを仕留められるかもしれんが、こちらもそれなりに消耗しているしな」
旗艦撃墜の報告を聞いたクルーゼの出した指示は撤退だった。
誰もがこのまま足つきや他の戦艦を潰しにかかると思っていただけに、この指示に困惑する者も多い。
「どうせ潰すなら万全の状態かつ、それに相応しい舞台を整えてからのほうが面白いだろう?」
苦笑を浮かべつつ、クルーゼは言う。
それを見たアデスは彼が何を考えているかが、なんとなくだが予想出来た。
もし予想が当たっていたなら、クルーゼに対する認識を少し改める必要がありそうだなと思う。
(それまで命は預けるぞ……ムウ・ラ・フラガ)
笑みを浮かべ、クルーゼは心の中で宿敵を挑発する。
彼の乗ったシグーはヴェザリウスへと収納され、ザフト全軍はこの宙域を離れていった。
「クソッ……どういうつもりだ、クルーゼ」
メビウス・ゼロのコクピットでムウは苛つきと共に言葉を吐き捨てる。
あの後、クルーゼはいきなり自分に背を向け、撤退していった。
「何が、最高の舞台を用意しておこう……だ。あのキザ野郎」
去り際にクルーゼが残した言葉を口にする。
クルーゼの事だ……どうせろくでもない事を仕掛けてくるのだろう。
「次に会った時は……相当キツイ戦いになるな……」
そういう確信めいた予感を感じ、ムウは機体をアークエンジェルへと向ける。
残された時間はそう長く無いだろう。次で全戦力を投入する覚悟で行かなければ確実に敗北する。
(こういう予感は……嫌って程に当たるんだよなぁ……)
自らの嫌なときだけ当たる軍人の感を呪いながら、ムウはアークエンジェルへと帰投していった。
続く
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