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2007年04月02日
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カテゴリ: 小説*完結モノ
その向こう側には、ボクの居る場所をそっくりそのまま移した様な世界が広がっていた。

「あんた、何?」

向こう側のボクが、ボクに尋ねた。

「………」

ボクは驚いてしまって声が出なかった。

ボクは身動き一つしていないのに、もう一人のボクは動いている。

これは鏡なんかじゃなくて本物なんだと、それは言っていた。

「何なのかって聞いてるんだけど」

ボクはボクに近寄ってきた。



ボクは思わず身を引いた。

どんっと、背中に扉が当たる。それ以上下がる事は出来なかった。

ボクは扉を見上げた。

ボクの背の二倍くらいの大きさがあるその扉が、この世界への入り口だ。

母さんから、開けちゃいけないって言われていた扉。

そこにこんな世界があったなんて。

「……」

ボクが上手く喋れないでいると、

「あ… ごめん」

もう一人のボクが、はっとした様子で謝った。

「…わかってるよ。わかってるんだ」



ボクは頭の後ろを掻きながら、何やら顔を赤らめて言った。

「……お前は、あれだろ。リリアンが言ってた、その…」

ボクはリリアンなんて知らなかった。会った事も無かった。

ボクは口篭もりながら言った。

「…良いほうの、オレなんだろ」



良く意味がわからなくて繰り返した。繰り返したけど、やっぱり意味はわからなかった。

「オレがすっごく悪い子だから、神様が、良いほうのオレと交換するって。リリアンが言ったんだ」

「君は悪い子なの?」

ボクは恐る恐る聞いてみた。

ボクがボクに気を使うのは、何だか可笑しい気がした。

「リリアンはそう言うよ」

リリアンという人の言う事は、こっちのボクにはとても信じられる事みたいだった。

「この前、トールを泣かせたんだ。だから、リリアン凄く怒ったんだ」

ボクの目には、悪い事をしてしまったって思いが浮かんでいた。

凄く凄く反省しているのがわかった。

「…そうなんだ」

ボクはやっとのことでそれだけ言った。

「……お前がオレになるんだろ」

続けて、

「そしたら、最初にトールに謝ってくれるかな。その… ごめんって」

ボクは今にも泣きそうな声を出していた。

「どうして?」

尋ねると、鋭い目で睨まれた。

「どうして自分で謝らないの?」

ボクは繰り返した。

ボクはきょとんとした顔で見つめ返してくる。

「え… だってオレはもう」

「じゃあこうしよう?」

ボクは名案が浮かび、手を叩いた。

「君がボクになったフリをするんだ」

「…オレが、お前になったフリをするのか?」

ボクの顔に困惑の表情が浮かぶ。

「どうやって?」

「簡単だよ。トールに謝るんだよ!」

ボクは自信満々に言った。

「君がボクにして欲しい事を自分でやっちゃうんだ。良い子になったと思わせるんだよ」

ボクは右手の人差し指た立て、自分の口の前へ持っていく。

「…リリアンを騙すのさ」

ボクの表情に、少し明るさが戻った。

「そうか… そうか!リリアンにバレなければいいんだな!」

「そうだよ。良い子になったよって見せ付けてやるのさ」

「あぁ、そうか… …ありがとう!頑張ってみるよ」

ボクはボクに背を向けて走り出した。

「ありがとう!」

ボクはボクが見えなくなるまで立っていた。

ボクは振り返った。

叫び声を上げた。


お題は コチラ から頂いています





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最終更新日  2007年04月02日 11時37分30秒
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