その日の夜

ゥチは、棚にあった果物ナイフを手に取った。



今日、龍斗に言われた事がショックで、、、麻衣を追ぃヵけて、一緒に声を取り戻したかった。



ゥチみたぃに、沢山悩みを持ってた麻衣と、一緒に声を取り戻したかった。



麻衣と一緒なら出来る様な気がしたから。



でも、そんな事、無理、、、



正直、その時のゥチは、狂ってたと思う。



深々と、切った、手首、、、



2本目を切ろうとした時、ベッドとベッドを仕切るカーテンが開ぃて、人影が言った。



もちろん、その人影は龍斗。



「やめろ。花梨が死んだら、何人の人が悲しむ?相川が喜ぶか?俺を置いて逝くつもりか、、、?」



龍斗は、近寄ってきて、ナイフの刃を握って、ゥチを止めた。



「っ、、、」



どうして、痛ぃと分かって手止めたの?



どうして、体を張ってまでも、ゥチを守ろうとするの?



答えは聞かなくても分かっているはずなのに、心の中では、そう何度も聞いてた。



「ナースコール、押せ。」



ゥチは、従った。心の中で、「ごめんなさい」と何度も何度も謝りながら、、、



看護婦さんは、血だらけのゥチらをみて、すぐに手当をしてくれた。



ゥチの布団は、血で汚れた。



その日、一晩だけ、龍斗と寝る事になった。



嬉しいような、、、悲しいような、、、気持だった。



龍斗は、せまいベッドの上で、、、腕まくらをして、抱きしめていてくれた。



あったかくて、優しさがにじみ出てくるような、、、そんな気持でぃっぱぃだった。


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