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2009年10月01日
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テーマ: 銀魂(1196)


10月2日はハツさんの誕生日!☆(≧▽≦)☆!

誕生日マスターなぽっぽさんから、 長谷川ハツさんハピバSS を頂きました。

明日は、アニ魂新OPにハッスル(笑)しなきゃいけないので、フライングでアップです♪




【愛しい人】前編



親の用意した料亭で二つの家族が向かい合う。
挨拶を済ませ、当り障りの無い世間話をしながら目の前の高級料理を一口ずつ口に運ぶ。
私の前に座っているのはまだ私と同じくらいの年恰好の青年。あまり家柄はよくない。
両親が何故相手方にこの家を選んだのか私は知らない。
こちらを見ようともしないし、なんだか気難しそうな人だ。
お見合いなのに、サングラスかけてるし。
ずっともくもくと料理を食べ続けて、両親が話し掛けても返ってくるのは生返事。

「では、後は若い二人にまかせて」
食事が済み、皿も下げられ、互いの家の両親は席を立った。
待って。まだ行かないで。
私は心の中でそう叫んだけれど無駄だった。
四人は無慈悲な笑顔を残して行ってしまった。
前の人はまだ正座をしていて、右手にある掛け軸を眺めている。
店の女中さんが熱いお茶を持ってきて、私たちの前に置いた。
やけに静かで、湯のみを置く音がとても大きく聞こえた。

何を話せばいいんだろう。
話題にできそうなことは全て両親が聞いてしまった。
私と話の合う趣味でもあればよかったけど、世の中そんなに甘くないみたい。
私は目で部屋を見渡したけど…駄目だ。
話題なんて転がってるわけが無い。
「あの、泰三さん」
私が声をかけると、その人はまるで化け物でも見たように驚いて、
床から飛び上がらんばかりだった。
何なの一体? 失礼な人。
「外に行ってみませんか? 庭園がとっても素敵だそうですよ」
私は精一杯の笑顔で言った。
前の人は声の裏返ったような変な返事をした。
ところが私が立ち上がっても、その人は動かなかった。
私がどうしたのかと尋ねると、先に行っていてくれなんて言う始末。
そんなわけにもいかなくて、もう一度聞いてみたら
「いいっつってんだろ!!」
って怒鳴った。
何なの本当に? 怒鳴らなくてもいいじゃない。

外は真っ暗で、庭園にともされた光だけが、夜の木々や花を幻想的に映し出した。
昼間と全然印象が違って、とっても綺麗だと思った。
少し大きめの池があって、月や庭園の明かり、
傍に生える花がゆらゆらと映っていた。
少し覗き込んでみると私の顔が映って、それを鯉が泳いでかき消した。
波が落ち着いてくるとまた私の顔が映り始めた。
そうしたら、私の後ろにもうひとつ人影が見えて
驚いて振り返ったら、目の前に大きな手のひらが見えた。
私はすっかり仰天して思わず後ろにさがった。
その途端、足を滑らして、冷たい水の感触が足首の辺りに伝わった。
後ろに立っていたのは私のお見合い相手だったと気づいた。
声をかけようとしていただけのようだ。
でも、私はそのままバランスを崩して、咄嗟に前にあった手を掴んでしまった。
大きな音をたてて、私は池の中に倒れた。
後ろにいたその人も釣られて、顔面から落ちた。
着物が水浸しで重くて、上手く立ち上がれなかった。
いや、そんなことよりもあの人が
水にうつぶせに顔を付けたまま起き上がらない。
慌てて私はその人を仰向けにして揺すった。
サングラスは池の中に落ちてしまったのか、
どこにも見当たらなかった。
その人は突然カッと目を開いて、バネみたいに起き上がった。
「ご、御免なさい。大丈夫ですか?」
私は尋ねた。
髪もぐしゃぐしゃで、お化粧も落ちて、きっとひどい顔だったと思う。
その人は私のほうを見ると水の中で正座して、思い切り頭を下げた。
勢いがつき過ぎたのか、顔をまた水に突っ込んで
ザバツと音をたてて、再び顔を上げた。
顔からは水が、おでこからは血が流れ出て、お化けみたいだった。
「俺と夫婦になってください!」
その人は言った。
私の思考は止まってしまった。
この状況で、いきなり何を言い出すのこの人?
私がぽかんとしていると、その人は続けて言った。
「絶対に幸せにしてみせます!!」
その人は机を叩くみたいにして、水を叩いた。
私の顔にまた水がかかったけどもう、気にならなかった。
彼の顔が真っ赤になっているのが、暗闇でもはっきり分かった。
凄く必死な顔で、真剣なんだってことは伝わってきた。

「そんな根拠が何処にあるんですか?」
さっき怒鳴ったお返しと思って、少し冷たく言ってやった。
その人は少しショックを受けたようだった。
言い過ぎたかな?
その人は返事をする代わりに水の中に手入れた。
その中で、その人の手が私の手に触れるのが分かった。
水から出た時、私の両手はその人の大きな両手にすっぽりと包まれていた。
「誰よりもあんたを愛する。何があってもこれだけは貫いてみせる」
不覚にも少し私はときめいてしまった。
その人は本当に真っ直ぐな人だった。




【愛しい人】後編



「…聞いてもいいですか?」
私が言うと、その人は頷いた。
「外に出る時、どうして怒っていたんですか?」
その人はぎくっとして、池の中の鯉を目で追った。
「それは、その……アレ…」
「何ですか?」
「あ…足が、痺れて…」
今度は耳たぶまで真っ赤になって、
私の手を握っていた両手も熱くなるのが分かった。
彼はバツが悪そうに目を泳がせた。
「それで立てなかったんですか?」
「…まぁ、ハイ」
「そう言えばよかったのに」
「そ、それは…」
「格好悪いから?」
彼は私から目を逸らしたまま、黙り込んだ。

私は笑ってしまった。
何て不器用な人なんだろう。
どうしてこの人の事を気難しいなんて思ったのかな、私は。
何て可愛い人なんだろう。
どんなに抑えても止まらなくて、
途中で我慢するのも馬鹿馬鹿しくなって、思い切り笑った。
お腹が痛くなって、一息ついてその人を見たら、やっぱり格好悪くて。
でもやっぱりその目は真っ直ぐで。



あぁ、私も物好きだなぁ。
きっと凄く苦労することになるんだろうに。

今ならまだ引き返せるけど
どうする?

私はもう一度その人をよく見た。
あぁ、ダメだ。笑っちゃう。




たくさん喧嘩するかもしれない。
辛い思いもいっぱいするかもしれない。
でもこの人はきっと
一途に私だけを愛し続けてくれるだろう。




「浮気は許しませんよ」
私は言った。
彼は雷に打たれたような顔をして、あんぐりと口を開けて、
金魚みたいにパクパクさせていた。
私が笑っていると、その人もやっと照れたような、
力が抜けたような、そんな風に笑った。
私達は水から立ち上がって、池の外に出た。
その時、彼はまた足を踏み外して
今度は後ろから池に倒れて、後頭部を強く打った。
すぐにまた起き上がったけれど、ふらふらしていた。
最初に打ったときのおでこの怪我と、今の後ろの怪我。
両方から血が出ていたけれど、普通に歩こうと頑張っている。
「見栄なんて今更張っても無駄ですよ。痛いなら痛いって言いなさい」
彼は痛くない、怪我なんかしていないって言った。
「私の前くらい、別にいいじゃないですか。夫婦になるんだから」
私は手を伸ばして彼の頭を撫でた。
彼はとっても嬉しそうで、でもそれを悟られまいと必死だった。
見え見えなのにね。


彼の体温は高かった。
これって私のせいなのかしら?
その熱がまるで私に伝わってきたみたいに
私の心も、とても暖かくなっていた。



あぁ、何て不器用で、真っ直ぐで、




愛しい人。



【完】




第32訓で、長谷川さんは「ハツと出会ったのも海だ」と仰ってましたが、軽犯罪を犯してるところを目撃されたマダオな出会いより、はるかに乙女心をくすぐられました!☆(≧▽≦)☆!

いやもう、あれです。

マダオな長谷川さんが
かっこ悪いのがかっこいい!☆(≧▽≦)☆!
 ←複雑(笑)

正直、ハツさんは長谷川さんのどこが良くて夫婦になったんだろうと頭を抱える描写が多すぎてアレ(ドレ?)ですが、長谷川夫妻は銀魂の公式カップルだしね!
長谷川さんが照れて語らないだけで、きっとラブラブファイヤーなエピソードがいろいろあったんでしょうね♪
うわー、無償にときめく。
ぽっぽさんのSSで無駄にときめく!


ぽっぽさん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆!



SSはこちらにまとめてます。⇒ 【頂き物(ss)】



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最終更新日  2009年10月12日 16時59分11秒
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