つれづれなる徒然奇行

私的厳選本 樹川さとみ

楽園の魔女たち(楽園の食卓 後編)
書籍名:楽園の魔女たち
著者名:樹川さとみ
出版社:集英社コバルト文庫

感想:
全21巻完結記念に書き込み☆。ライト小説から出ているファンタジー小説(完結)ですが、あなどってはいけないです。
私のファンタジー歴は、小学校の頃読んでいたギリシャ・ケルト神話→アーサー王・指輪物語が基礎にあります。忘れたものがほとんどですが、箇所箇所は覚えてる。だから、なんかヘンなファンタジーだと脳内赤信号が点滅します。ライト小説は点灯率が高いのですが、この本はそんなことありません。
かといって堅いのか? といわれると、軽いです。
「楽園」という場所で魔法使いをしている「永遠の二十歳」エイザードが、組合から「弟子を取れ」と言われて、四人の弟子を取ります。
全員がピチピチ若い女の子…。しかもそれぞれにクセが強い女の子ばかり。
高飛車で傲慢で巨乳な最有力次期皇帝候補の超絶美少女皇女ダナティア(カエル嫌い)
冷静寡黙変人で様様な学問に秀でたクール美少女サラ(二重人格)
見た目美少年、中身鈍感少女、ゴーラ族きっての剣士ファリス(オシが弱い)
ぽややんマシュマロ少女。お料理お掃除大好き貧乏貴族のご令嬢マリア(幼な妻)
+楽園には師匠エイザートとその使い魔「ごくちゃん」(ごくつぶしのごくちゃん)と師匠の知り合い、マッチョな戦士ダナトールが可愛いエプロンを着けた料理人として住んでおり、近所には帝国の命令で魔法使いを「楽園」から追い出そうとしている騎士アシャ・ネビィ(支部長どん)が毎日叫んでおります。彼らが主な登場人物です。
彼らの過去話や魔法修行・旅・そして恋愛などを織り込んで話は着々と進み、彼女たちはクセのある立派な(?)魔女へとなるお話。
一番笑ったのは、「楽園」に4年に一度「運動会」に訪れる死にそうな老人たちの話(『彼らの楽園』)。
お風呂に入りなさいといわれて、一人のエロ老人が「若い娘の入ったあとの風呂がいい~。娘汁~」と言って、皇女ダナティアの逆鱗に触れる短編。ムスメジル! いやらしすぎる!
一番お気に入りキャラはファリス。美少年顔の押しの弱い彼女は、父の知人のホモ少佐(カミングアウト前)のニセ婚約者になってしまいます(『7日間だけの恋人』)。その少佐…「あらまあ」「ほう、これはこれは」「え~すっごーい」と他の三人から言われる「顔」らしいんですが、挿絵が! 挿絵が無いの! 「したたる色気」という彼の顔を最後まで見れなかったのが残念無念。バリトンで語られているという台詞もものすごいので、それだけでも楽しめるのですが…ああ、少佐~。
挿絵は前編通してむっちりむうにぃさん。可愛らしい絵でございます。


へっぽこ度 ☆☆☆★★
お笑い度  ☆☆☆☆★
ファンタジー度 ☆☆☆☆★


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