つれづれなる徒然奇行

ハウルの動く城

ハウルの動く城【VWDZ-8076】=>15%OFF!ハウルの動く城
ハウルの動く城
監督:宮崎駿
声優:ハウル 木村拓哉
   ソフィー 賠償千恵子
   荒地の魔女 美和明宏


西洋の架空の土地を舞台にした新作アニメです。まず、真面目な感想及びあらすじから。

世界設定としては、19世紀後半あたりの架空の西洋の町でしょうか。国を王が統べ、魔法が、魔法使い(または魔女)として日常に溶け込んでいる。魔法を使う者は、美しい人間の心臓を好み、魔力を増大する。自分のためだけに魔法を使ってしまうと、人の心を失ってしまう。主人公のハウルは、人の心を失ってしまいそうな、魔法使い。
もう片方の主人公ソフィーは華やかな母や妹に比べると地味で、容姿コンプレックスを持っているようです。

二人の出会いは、彼女が妹に会いに行く途中の路地でした。
兵隊に絡まれたソフィーは金髪の青年に助けられ、しかしその後、彼の追っ手に終われ二人で逃げます。彼・・ハウルを追っていたのは「荒地の魔女」でした。
青年と別れた後、ソフィーは「荒地の魔女」と逢い、老婆になる「呪い」を掛けられてしまいます。魔女は「ハウルによろしく」と言い残し、その場を去るのです。ここで魔女は「流れ星を飲み込んだ魔法使い…」云々(うろおぼえ)の台詞をいいますが、これは伏線です。

ここから物語りは動き出します。老婆となったソフィーは以前よりもパワフルです。呪いを解いてもらうために荒地に単身乗り込み、魔法の掛かったカカシを助け、ハウルの城に入り込みました。ここでのソフィーの暮らし振りは…映画を見ることです。文章では言い表せない様様な経験を彼女はします。
知らず慈愛に満ちたソフィーは出逢う人間を虜にします。ハウル、カカシのカブ、ハウルの弟子・マルクル、炎の悪魔カルシファー、国王付き魔法使いの使い魔ヒン、自分を老婆にした荒地の魔女すら、彼女は懐に招くのです。

ハウルと少しずつ心を通わせていくソフィーは、時に家政婦、時に母親。そして恋する娘です。彼女の容貌がくるくる変わるのは、彼女の心が変わっていくからなのだと思います。
(実際、彼女が容姿コンプレックス的な台詞を口にするシーンで、ハウルが「ソフィーはキレイだよ!」と力説すると、彼女は悲しそうに笑って老婆に戻ってしまうところがあります。彼女の心と呪いがシンクロしているからでは?と思ったのですが)

強い魔力を持つハウルですが、実際は弱虫で逃げてばかりの青年です。けれど、戦争を心から軽蔑しています。その戦争に介入するハウルですが、これは「自分のため」の魔法であり、彼はどんどん消耗していくのです。
ハウルが人間の姿を保つためには、魔法を使うのを辞めるのが一番です。しかし、戦争が激しくなり、ソフィーという絶対の理解者…恋人を得、彼が言う台詞があります。映画の中で一番印象的でした。

「ぼくはもう十分に逃げた」

ソフィーを戦禍から助けるためにも、魔法を使う、自分は逃げない。炎の悪魔との取引のせいで子供の心のままであるはずのハウルが成長しているのです。
そして、ソフィーも守られるだけの少女ではありません。ハウルを助けるために、彼女は魔法の旅に出て真実を掴むほどのバイタリティを持っています。

最後、大事なものを守るために戦ったハウルは瀕死の状態でしたがソフィーは見事彼をよみがえらせます。
ハウルは心の変わりに流れ星を持っていました。炎の悪魔はハウルの心を持っていました。
炎の悪魔は流れ星だったのです。だから二人は一心同体で…片方が死ぬと死んでしまう呪いが出来上がっていたのです。
最後、かかしのカブの呪いが解けるシーン。あまりにも突然で、しかもこんな最後に? というカンジでしたが、あれでいいのかも。その後の彼らを想像するのも楽しいものです。カブは恋人同士になった二人にどれだけ横槍を入れられるか?など。

ラストまで、ソフィーの呪いは解けたとはありませんでした。けれど彼女は映画開始当初よりも若々しく美しくなりました。自分で呪いを少しずつ解いていったのではないでしょうか。


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