つれづれなる徒然奇行

日々雑読(2005.7~9)


当り外れ(本人の価値観ですが)によって、辛口批評があるかもしれませんが、大人な目で流し読みください。 


9/28 PARTNER4(柏枝真郷)
男女の友情物語を楽しみに読んでいるシリーズ。友情から愛情への微妙な動きがあるものの、3のラストでセシルに可愛いガールフレンド・フェイが出来、ストッパーになるかな?と思っていたのですが…。この二人「大人のおつきあい」のみで愛情はないらしい。しかしそれでも(私が)フェイを好きなので、セシルとキチンとオツキアイして欲しいのだが…。セシルとドロシーが健全なる友情関係を構築出来るか? 出来ないんだろうな~と思いつつも、少ない確立に掛けてみたい。いつも思うがオーガストって地味だなぁ。顔は濃そうだけど。


9/27 バイオハザード5~追跡者ネメシス~(S.Dペリー)
表紙を見て驚く。ジルは髪が短かったのか? 戦闘服(?)もぐっと女性らしくなり、ビジュアル的に楽しい(が、挿絵はない)。ゲームの衣装により近づいたといったカンジか。
そして、情熱のラテン系。カルロスの登場で、私のトキメキはさらにアップ。難を言えば…若すぎるってことか。21歳か…。女性遍歴が少ないというのもちょっとガッカリ。ラテン系は女性に詳しくなくては…というのは偏見だと思うけど、二次元ではお約束だと思うの。
とりあえず、二人とも生き残ったのでその後、ヨーロッパでクリス達と合流するのかそのままラクーン・シティ付近に居るのか…。1月を楽しみにしているのであります。


9/22 百万の手(畠中恵)
時代小説中心に活躍している筆者の初の現代小説。どうだろう…と不安だったのですが、面白いです。ミステリ初心者でも大丈夫な一冊。
父が亡くなってから母親と二人暮しの音村夏貴。このごろ父の面影を自分に重ねている母に対してストレスが溜まり、過呼吸が悪化している。そんな家庭の相談相手である友人の正哉の家が火事になる。正哉は夏貴に携帯を預け両親を助けるために飛び込んだ。放水するもさらに火の手は上がり、正哉は両親共々帰らぬ人になる。が、夏貴の手元に残された正哉の携帯に正哉からの電話が!
夏貴に執着しつつも、年下のホストクラブ経営者と婚約した母。火事場にいた正哉そっくりの少女。目の前で自殺をした同級生…。その全てがある事実が原因で起こっていた…。
分厚い小説なのですが、面白く読みやすくあっという間に読み終わった。テーマはあるのだけど、これを知るとこの本が面白くないので伏せておく。映画化ドラマ化しても面白いんじゃないかな。


9/21 チャーリーとチョコレート工場(CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY)
監督 ティム・バートン
主演 ジョニー・デップ…ウィリー・ウォンカ 
   フレディ・ハイモア…チャーリー・バケット
   ディープ・ロイ…ウンパ・ルンパ族
   ヘレナ・ボナム=カーター、クリストファー・リー他
(内容)とても貧乏なチャーリーは、両親と寝たきりの祖父母4人の計7人で傾いた家に住んでいる。祖父が以前勤めていたチョコレート工場の主、ウィリー・ウォンカの話を聞くのが大好きだ。そんな時、ウォンカが5人の子供たちをチョコレート工場に招待すると発表。誕生日にしかチョコレートを食べれないチャーリーには夢の夢だったはずなのに、工場行きのチケットを手に入れてしまった!!
(感想)「チョコレート工場の秘密」が原作。監督・主演は最強タッグ。イロモノ得意なディップですから期待は高鳴ります。「ショコラ」から二度目のチョコレートモノ。チョコレートの川はチョコっていうよりココアってカンジだったけど(チョコの川に落ちたら火傷するだろう)。
とても面白かったので文が長くなりそうなのですが、ここはぐっと堪えて、ウンパ・ルンパのことを少しだけ。見た瞬間トキメキを感じた。濃い目のおっさんのかわいらしいミュージカルというのは、かなりのインパクトがある。いろんな衣装でお目見えするのでそれも楽しい。ウンパ・ルンパの同僚であるリスも実写ということで感心しきり。
そろそろ主演の話を…チャーリー役のフレディ・ハイモアは少なくともデイップとは二度目の共演(ネバーランド)。近作では「トゥー・ブラザーズ」があります。いい子です。貧乏でもチョコレートを一年に一度しか食べれなくてもそれを家族と分け合える子供です。自分が出来ないかもしれないと思うと、より一層「いとおしい少年」です。家族全員に愛されています。チョコレート工場行きのチケット入手のくだりもいいです。お店の主人の一言もいい。「大切に持ってお帰り」・・・大人とはそうあるべきです。
そしてウォンカ役のデップ。彼以上にウォンカを演じられる俳優はいないのでは…。「シークレット・ウィンドウ」とはまるで別人。どちらかというとジャック・スパロウ船長風味(パイレーツ・オブ・カリビアン)。ちっとも格好よくない、気持ち悪い顔なんですけどね。デップはハンサムなのに、顔勝負はしないよなぁ。
原作では語られないウォンカの過去も語られていて原作ファンはさらに嬉しい作品です。


9/21 愛の讃歌(水谷まさる)
ゆまに書房刊の旧少女小説。昭和24年作のもの。この後も刊行されるか分からない旧少女小説のラスト3冊目です。
内容は…。戦後の復興めまぐるしい日本に住む、澄んだ心をもつ美しい少女4人のお話…なんだろうか。感化院とか慈善病院とか出てきて当時の世相がわかる反面、この少女達はかなりすごいご馳走を食べている。まあそのご馳走ですけど…「砂糖が多い」ことがバロメーターだ。「配給が米じゃなく砂糖のときがあったでしょ?お母さんがそれをとっておいたの」と一部リアルだが、その大事(?)な砂糖をコレでもか!と入れた羊羹などが振舞われる。で、その豪華?で甘い菓子を食べながら何をしていたか、というと孤児院に寄付する洋服作り(布の切れ端を再利用)100枚だ。そして、両親がそれを知り、さらに豪勢な晩餐が催される。豪勢のバロメーターは日本料理・西洋料理・支那料理・ぶどう酒が振舞われたという描写だ。彼女達は未成年だが…たしか大正時代に「お酒は二十歳から」という法律が決まったと思うのだが…。
そして、ゆまに書房旧少女小説の目玉(?)。ラストの少女漫画だ。今回は「小雨振る日に母さんは…」というセンチ系。余命一ヶ月を宣告された母が(名医に再診してもらったら2週間に短縮された。病名は不明)、(知り合ってすぐの)弁護士に娘を託して「外国に行くの」といって別れる話だ。ラスト余命一週間ほどと見るが、小雨振る中母さんは街中に消えるのだが、行き先は病院とかではなさそうだ。…のたれ死に?


9/20 紅ばらの夢(横山美智子)
ゆまに書房発行の『旧・少女小説』シリーズ。かつての『めばえ』(今は刊行されているのでしょうか?)のようなイラストがノスタルジー。前回の『人食いバラ』のように私を笑わかせてくれなかったのが残念です。昭和29年作。終戦後の日本が舞台。ヒロインの葉子は、シベリア収容所(少女小説にもリアルさが・・・)から戻らない兄を、体の弱い母と共に待つクリスチャン(この作品はほぼクリスチャンなのですが、日本の人口の1%しかいなかった時代なので、異様に多い)。隣の幼馴染みの少女さかえとこの頃気まずい。なんつうか…昔の「天使のような女の子」を地で行く葉子と、「反抗期」なさかえがすれちがう物語だ。兄の誕生日に菊の花をテーブルにたくさん飾るのは、縁起が悪く感じるのだけど、以前、華道で正月花のテーマが「菊」だったので、菊は縁起がいい花なんだとおもう。先入観が抜けないだけで…。墓に献花したりするイメージがある。


9/15 ヴェロイカの嵐-クラッシュ・ブレイズ-(茅田砂胡)
何冊目なのかは考えたくない。本棚には収納できずに溢れそう。1.2冊なくなっていても気づかないかもしれない。無くなっているかも。
さて、今回リィとルウは学校で行われる自然学習に参加したが、巧妙な罠により知らぬうちに誘拐され名も分からぬ無人惑星においてけぼりにされる。2人を入れて12人。うち1人はヴェロイカ教徒で「肉を食べてはいけない。栽培されたもの以外の野菜も食べてはいけない」という教典を必死に守ろうとするが…。
野生児リィとシェラの機転で12人は無事に救出されるが、ここでヴェロイカ教徒である少年が「リィに無理矢理肉を食べさせられた」と裁判を起した。自分に有利な発言すら拒否するリィと残り10人の生徒達の弁論は? という内容だ。
野生児でスーパーマンであるリィなので、命の心配はしなくていい。この世界では、超人的なリィを見て驚く一般人に加わればいいと思っている。いや、見慣れているのでどちらかといえばシェラサイドか。しかし常々思うがリィは厭世的だと思う。
もう自力購入を諦めようかと思う作品なのですが(今回母が購入)、ケリーとジャスミンが脇でもいいから出ているとなると吹っ切れも出来ない…。作者は手堅い商売をしていると思う。


9/14 奥さまは魔女
主演 ニコール・キッドマン…イザベル(サマンサ)
   ウィル・フェレル…ジャック(ダーリン)
監督 ノーラ・エフロン
イザベルは「魔法を使わない平凡な人生」を夢見る魔女。夢実現のため人間世界で生活を始めるが中々クセ(魔法)が抜けない。そんなイザベルの『鼻』を見初めた男がいた。落ち目俳優ジャックだ。彼は「奥さまは魔女」のリメイク版に出演するため、ヒロインの魔女であるサマンサ役の女性を探していたのだ。サマンサそっくりの鼻のクセを持つイザベルを彼は情熱的に口説いて出演をOKさせる…。という出だし。
落ち目、好感度急降下という設定からか、ジャックに全然魅力を感じない。落ち目設定じゃないほうが女性ファンの心を掴んだのでは…と思った。
一方サマンサ…もといイザベル。彼女は幾つという設定なんだろう。魔女だし数百歳?二十代? 年を考えると色々怖い。その点からではニコールにピッタリような気がする。
残念ながら、もろ手を上げて「面白い」とはいえませんでした。残念!
ところで私は常々「魔女」の男版は「魔法使い」でいいのだろうか?と思っている。「魔男」じゃゴロが悪いしな~と。けど、「魔法使い」が女性の場合「女魔法使い」と言いたくなるのだ。なのでまだ自分の中で決着がついていない。


9/13 PARTNER3(柏枝真郷)
刑事で美男美女のパートナー。しかし恋愛度ゼロ。という設定が気に入っていたのだけど、今回微妙な雰囲気に…。私はセシルが大好きなので、彼にはドロシーのような炎のような気性の女性よりは、清楚で可愛らしいお母さん系の女の子を恋人にして欲しいのだが…。フェイなんていいカンジだと思うのだけど。今回セシルの下半身関係(笑)の話題がたくさん出た。ドロシーは怒っていましたが、私は全然オッケーです。過去の彼より今の彼。


9/13 QED~ventus~熊野の残照(高田崇史)
記念すべき10作目は、私が今二番目に気になる場所・熊野(一番目は知床)。ところで、ventus(風)ってサブタイトルが鎌倉に続いて今回もついた。理由は何だろう?
学薬旅行で熊野を訪れた奈々とタタル。今回のストーリーテラーは薬剤師の神山禮子(みわやまれいこ)。第三者が最初から最後まで語り部役だったので、奈々とタタルのビジュアルが良くわかった。奈々は薬剤師のCMに出そうな正統派美人。タタルは…良く見たら顔はよさそう、らしい。神山はかなり奈々に傾倒していて、タタルへの印象が笑える。ま、胡散臭いよな。
某ゲームに夢中になっていたため、熊野三山も補陀落渡海もカンペキ!な私であった。ヨコシマから来た知識であろうとも…(笑) が、読んでいて「普通の女子には持ち得ない知識」だと思う奈々ちゃんが、一部で「知らなすぎ」と評価されているのはツラい。「え?奈々ちゃん程度でダメなの?」みたいな。私は奈々ちゃんの1/10の知識しかございませんけど??
そして今回も奈々ちゃんはタタルにアタック(死語)をしなかった。やっぱり自分から動かない奈々ちゃん。美人だし、いいのか? でももう28歳。


9/9 τになるまで待って(森博嗣)
ギリシャ文字はわからん…。でもコレで一つ覚えました「τ」で「タウ」。
加部谷・山吹・海月の三人は探偵赤柳から頼まれたバイトで『伽羅離館』(がらりかん)を訪れる。そこには超能力者の神居静哉とメイド二人が住んでいた。
『異界』マジックを経験した加部谷であったが、その後館の扉がことごとく開かないことが分かり、神居の部屋をこじあけると、そこには首を締められた神居の死体があった…。という展開。
密室は久しぶりなのではないでしょうか、森博嗣。このシリーズはずばり、「すべてがFになる」から始まり、講談社ノベルズで発行された森博嗣のシリーズ作品をキッチリと読まねば付いていけないと思う。私は読んでいるからいいけど。今から読む人は大変だろう。しかもこの作品、犯人判明していないし(なんとなく示唆しているけど)。読みきりだと思って買った人は、さらに悔しいでしょう。ですから、くれぐれもこの本から手を出さないように!!


9/8 女ぎらいの修練士 エネアドの3つの枝(樹川さとみ)
(内容)魅惑的な美貌の少女ララは、兄の命令で老いたフォレスタ卿に嫁ぐことに。二年間の沈黙の誓いを立てている修練士セインは、ララに同行することになった。
(感想)めりはりボディに明朗な性格。燃えるような赤毛で奔放に見えるけど実はそれほど遊んでいない。妾の娘であり、母親は元娼婦。父の正妻から殺されそうになり、異母兄とは不仲。よぼよぼの老人との結婚を勝手に決められたというのに、ララは「そんなおじいちゃんなら孫みたいに可愛がってくれるかも」と傍目は能天気に嫁ぎ先に向かう。
ララのような女性が苦手な修練士セイン(元騎士。美貌の為、男色上官に言い寄られ殴って辞めた過去あり)だったが、奔放さの中に隠れるララの本当の姿に考えを改めます。
セインの沈黙の誓いは、かなり早い段階で頓挫します。その後も修道士にあるまじき行いをしてしまい、最後のあたりはガタガタです。館の中にはララの政略結婚相手が居るというのに、手を離してしまうし…。結果オーライとはいえ、ララの政略結婚の相手が「ヨボヨボじいさん」じゃなかったらどうなってたことか…。色々とセインは詰めが甘いのですが、ララはそのあたりしっかりしているから、お似合いかも。面白かったです。


9/7 闇の守り手1-ナイトランナー-(リン・フルエリン)
可愛い挿絵のファンタジー小説。黒髪長髪の表紙につられて購入。魔法や長命族が居る世界のようだ。ヤッタ! 私は長命族とか好物なんです。表紙の男…主人公アレクの師であるサージル…が変装の名人で、老若男女問わず変身する。美女に変身したとき、船長が猛アタックしているのが楽しかった。サージルは上品な顔をして、シモネタも得意のようだが出生はまだよく分かっていない。アレクはまっさらな少年でこれからどうにでも変化しそうだ。今は弓だけマスター級ですが…。ただ、なんとなくですがこのシリーズ発行が遅そうだ。


9/5 仕合せまんまる(出久根達郎)
相変わらず出久根氏のエッセイが好きです。今回も大当たり。興味のない知識は欲しくないが、興味ある知識は欲しい。出久根氏のエッセイにはそれが多い。
今回は、本の積み方を教えていただいた。古本屋的積み方だ。ノベルズだと一畳に5000冊は置けるらしい。ハラショー! 今度してみようかとも思ったが、帰省した家族にきっと文句をつけられるだろう。「本棚に仕舞えない本は捨てろ!」とか。


9/2 おまえが世界を変えたいならば-神話の子供たち4-(榎田尤利)
(内容)ヴェガスを訪れたサラとエリアス。偽造IDが入手できなかったため、ディンとルアンは別行動に。そこでかつてフェンリルを助けたレジスタンスの女戦士キナとであう。が、エリアスが決別した父親に子供を殺されたズゥの策略によってエリアスは人身売買に売られ、サラは自白剤を使用され情報を引き出されそうになってしまう…。
(感想)有り得ないというか、そんなことにはならないだろうな、と思っていたのに、エリアスが挙動不審。そして、噂ばっかりだったフェンリルが最後に登場! 穏やかな美人男。うっとりである。サラと共鳴できる力を持っているので、エリアスがハブにされないか不安。とりあえず主要メンバーはそろった(ディンとルアンも合流するでしょう)ので、次からお話がすごく動くのではないかな。面白かったです。


9/2 輝く平原の物語(ウィリアム・モリス)
19世紀のファンタジー作品。クリーヴランド・バイ・ザ・シーのレイヴァン家の若者ホールブライズは、誘拐された婚約者ローズ家のホスティッジを探して旅に出ます。ランサム島を経て人々の憧れ、不死の楽園<輝く平原>にたどり着きますが、ホスティッジは見つかりません。彼は<輝く平原>を自ら望んで追放され、さらにホスティッジを探し歩きます。
ファンタジーの初心者にオススメ。説明を「そういう設定なんだな」と納得すれば何も難しいことはありません。するする読めます。美しい乙女、若さを願う老人、<輝く平原>の王、ホールブライズの生涯が物語となり、それを読み主人公に恋をしている王の娘…時間軸が違うのか? と私は思って読みましたが…。ちょっと心洗われるお話でした。いや、この頃…ね。


8/31 人食いバラ(西条八十)
是非読んでくれ!! 楽しすぎる!
昭和2年に「少女クラブ」なる雑誌で連載された古典少女小説なのですが、「トリビアの泉」でスーパーバイザーを務める唐沢俊一が抱腹絶倒の注釈をつけている。
内容は、毛糸売りの少女・英子が1月7日の夜7時にお金持ちの家の前を通ったことから、老人の莫大な財産の受取人となる。なんでやねん、と突っ込む私。しかし、老人にはひとりの姪・春子がいて彼女は英子を歓迎するふりをして殺そうと企む…。といったお話。どこにも「人食いバラ」なる怪奇植物は出てこない。多分、春子を例えたものなのでしょう。
現代社会に住む我々が読むと設定が中々ふるっている。「毛糸売りの少女」なんか存在すら知らなかったし、「天然痘」が不知の病の時代だ。おこづかいが一ヶ月10万円というのはうらやましいが、この時代のサラリーマンの月給の平均は8千円だ。今とは価値が違う。
英子は心の澄んだ美しい少女という設定だが、人の意見に左右される典型的日本人のような気がしますが…。
そして! 巻末の漫画だ。「からす沼の人魚」も素晴らしい(特に解説が)。大胆な遠近法。人間を人魚に作り直し、失敗して沼に沈めたと過去を語るヒロインの叔父(殺人だ!) 水中で喋る人間…。
西条八十は昭和初期の叙情詩人である(どうりで聞いた名前だと…)。外国の詩なんかも見事に翻訳している。しかし少女小説も書いていたのですね。アー楽しかった(発売当初の楽しみ方とは違うはず)


8/24 イギリス伝説紀行~巨人・魔女・妖精たち~(飯田正美)
中学校の頃ファンタジーにどっぷりと漬かった私には、ほぼ「復習」であった。が、ランスロットの育ての親である「湖の貴婦人」とマーリンを騙した湖の妖精ニミュエは別物だと思っていたのだけどこれでは同一だ。…まあ伝説とは色々な説があるからね…。で、妖精・魔法好きな私ですが、「魔女狩り」がジェームズ3世だとは知らなかったです。エリザベス女王の次の王なのね…。で、「魔女狩り」令はエリザベス時代からあったのだそうです。強化したのはジェームズ3世らしいですが。このあたりはジャンヌ・ダルクやフェリペ二世、オレンジ公ウィリアムも生きてますな。大航海時代…だったはず。私は世界史は結構得意だったのだ。
イギリスの各地を回り伝説を見聞するエッセイ。こういうのを読むと行きたくなる。


8/23 若葉のころ(長野まゆみ)
凛一シリーズ最終巻。一冊目からずっと氷川のよさが分からなかった私ですが、実は凛一のよさもちっともわかっていませんでした。追加で言えば、氷川の女の趣味も理解できない。あんな勝気でしかも隠れてライバルにネチネチ言うタイプが好きなのか? で、二人のよさがわからぬまま終わってしまったシリーズ。雰囲気とお花が私に安らぎを与えてくれました。結局この二人は出来上がってしまったわけですが、氷川よりは有沢のほうがいいと終わった後でも思う。人生が楽しくなさそうなカップル成立。


8/23 心にとどめておきたい悲恋伝説(木村暁萠と夢プロジェクト)
日本各地の悲恋伝説を集めたもの。能でめちゃくちゃ有名な「道成寺」て伝承がもとなんだなぁ。「葛の葉」伝説もはじめて文章で読んだが、知っていることと大差なかった。お父様が安倍保名って名前なんだな~と。男女の悲恋ばかりかとおもったら、稚児に想いを寄せる僧のお話とか、人ならざるもの(蛇、龍、狐)などもありました。
悲恋チョイスなので仕方ないのだが、悲恋の50%の原因が「横恋慕した男(女)がデマを言い、絶望して自害」が多い。女が男に惚れる要因は「頼もしい、若々しい、たくましい」などで、男が女に惚れるのは「若い、みずみずしい、美しい、賢い、思いやりがある」などであった。いつの時代でも似たり寄ったりの異性の選び方だ。あと80%くらいが一目ぼれで、いくつかは逢ったことも無いいいなずけってのもありました。


8/21 雄飛の花嫁 涙珠流転(森崎朝香)
中華ファンタジー。マイブームジャンルだ。そして挿絵が由羅カイリ…。手にとるのも当然といえる。この作者は3冊出していて、見つけるのに苦労したのがこの本。そして苦労したかいがあり、一番好みだった。主人公は薄幸の地味系美少女綏国公主・珠枝。そのお相手は・・・脳味噌筋肉?と失礼な想像をしていたけど、頭良し・顔よし・ガタイ良し・性格はヒロインより繊細で思慮深い、ヒロインの政略結婚の相手、閃国初代国王・巴飛鷹。
帯には「3年経ったら迎えに行く」で、寄り添った男女。あらすじ読んで「兄貴? 近親?」と思ったけど、よかった政略結婚の相手のほうで。
とても楽しかったのですが、珠枝が飛鷹を好きと気づくのが遅すぎて、ラブラブが少なかったことがとても…ええとても残念。
他の2冊で「閃国の初代の王は王妃と仲むつまじく、後宮には彼女と彼女の子供たち、世話役しかいなかった」と説明されているのだが…それじゃ不十分不満足なんじゃっ。
というわけで、続編読みたいです。出産後あたりでヨロシクお願いしたい。


8/17 妖怪大戦争
主演 神木隆之介(タダシ) 宮迫博之 南果歩他
(内容)両親が離婚して祖父の居る田舎に引っ越してきたタダシ(神木隆之介)は泣き虫でいじめられっこ。そんなある日、タダシは神社のお祭りで、“麒麟送子”に選ばれる。一方、日本各地に棲む妖怪たちは、次々と捕らえられ、化け物へと作り変えられていた。
(感想)だれだ「怖い」と言ったやつは…。全然怖くないよ。ていうか悔しいよ。妖怪の名前がちっとも出てきやしない(映画中でも自分の脳内でも)。少年が妖怪たちと一致団結して怨霊を倒す物語…と思っていたのだが、ちょっと違う。50度くらい違う。タダシが化け物と戦っているのは、ペットみたいに可愛がっていた妖怪が捕らえられたからだ。そして大部分の妖怪は、戦争ではなく「喧嘩祭り」だと思っている。一番ナゾなのは河童の川太郎だ。弱そうなのに何故進んで戦っているのか…。妖怪たちは「人間に捨てられた道具」と合体して化け物になるのだが、ラスボスは「小豆」と合体した。この場合…?? クライマックスで忌野氏の音楽が流れてきたとき「真剣に見たらバカを見る」と褌を締めなおした(締めてないけど)。大人になったタダシには物悲しさを感じるが、そんなもんでしょう。「妖怪は大人になったら見れないのよ」


8/19 漱石先生とスポーツ(出久根達郎)
非常に短いエッセイ(スポーツ関連が多い)の集大成。
本に書かれたスポーツ。作家の興じたスポーツ…。なるほどと思いながらめくりました。
作家なんて家で文字をつづり、行き詰まったら散歩…くらいのスポーツしかしていないと思ったらとんでもないですね。夏目漱石も正岡子規もみんなスポーツが大得意。
しかし、相変わらず出てくる本出てくる本、読んでいない本ばかり・・・。夏目漱石数冊とエラリー・クイーンが出てきたときはほっとしました。そして、ディック・フランシスで歓喜! 彼はチャンビオンジョッキー(騎手)であり小説家なのです。よかった、彼の話題なら頷いて読める…。


8/16 とっても不幸な幸運(畠中恵)
「酒場」という名の酒場の店長とその常連客、店長の亡くなった妻の連れ子である中学生ののり子との心温まる(?)お話。
温まりはしないか。アットホームなお話だ。100円ショップに時々売っている「とっても不幸な幸運」という名前の缶詰(※実際は売っていません)。それをあけると不思議なことが起こる。始めに持ち込んだのはのり子。死んだ母親が見えたという。「酒場」に持ち込んだその缶詰には、しなびたマッシュルームが入っていた。それはマジカルマッシュルーム(※麻薬・幻覚効果のあるきのこ)にも酷似していて…。その他オムニバス形式の小説。
なにはともあれ、私のハートは「店長」にロック・オン。30代半ば。高身長で無口で強面で料理が上手なのだ。そしてどうやらハンサム系らしい。バツ2で二人とも死に別れ。成さない仲の娘有り。シャツ以外は真っ黒の衣装…。私の女心をときめかせてくれる男である。酒場には女客は居ないので、店長を狙う女狐にイライラすることもない。とても安心して読める。続いてくれて大いに結構。というか、店長にまたあわせてくれ。


8/10 アイランド
監督 マイケル・ベイ
主演 ユアン・マクレガー スカーレット・ヨハンソン
地球汚染後、安全で快適なコミュニティで暮すリンカーン(ユアン・マクレガー)らは地球最後の楽園「アイランド」行きへの切符を夢見て生活をしている。が、リンカーンはそんな生活に疑問を抱き、とうとう自分達が人間に肉体のパーツを提供するために作られたクローンであることを知ってしまう。「アイランド行き」とは、本体への肉体提供なのだ。
リンカーンは「アイランド行き」となったジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)とコミュニティの外へ逃げ出した…。という内容。
微妙な問題だ。自分(家族でも可)がまさに死に瀕しているときに、クローンが現れたらどうするか? 理性と欲望の間で揺れるだろう。私の理性は負けるかもしれない。だから、クローン人間は創ってはいけないと思う。この映画も「クローン人間反対」といいたいのではないか。映画のその後が気になる。開放されたクローンに命の危険はないのだろうか?
で、監督であるマイケル・ベイ。「プレイメイトがお好き」というゴシップがあり、スカーレット・ヨハンソンのビジュアルがまんまだったのですが、ジョーダン(ヨハンソンの役名)の本体はどうやらプレイメイトもどき(雑誌が違う)のようだった。原作でもそうなんだろうか?(映画を観ると、原作は読まないタイプなのでわからないまま)


8/7 上陸(五條瑛)
金満は学歴の有る社会人だったが、会社が倒産した後、建設現場で働きはじめる。安二は少年院にお勤め経験あり。アキムは不法労働者。世話になった老婦人の介助費用、親の借金、国への仕送りと三人共に金が必要で、三人は一緒に暮らし、時々入管の目を盗んで移民を迎え入れたりしているお話。
善人ではないが悪人でもない。各々の持つ「善」で動いている気がするが、三人とも自分が「善」だとは思っていない。「いい人」などと言われたら顔をしかめるだろう。


8/1 つむじ風食堂の夜(吉田篤弘)
タイトルと装丁(真っ黒…かと思ったら☆が一つ)にふらふらと手にとる。作家ではなくデザイン畑の出身らしい。つむじ風食堂(他称)の客達のとつとつとした語りの連作の短編小説。読んでいて眠くなる穏やかな内容(朝読んだのに…)


7/31 欠けゆく白銀の砂時計 彩雲国物語(雪乃紗衣)
むさぼるように読んだともサ!! 今回はたとえるならば、学園のアイドルが芸能界デビューしてしまったかのような、淋しい気分。「俺たちだけの秀麗ちゃんだったのに…」と呟きたくなってしまいました。それでも君が大好きさ、酒豪?そのギャップが可愛いじゃないか!てなもんだ。漫画化もしてノリノリの本シリーズ(しかしコミック化は2年以上掛かるとみた)、本編は予言(あとがき)によればあと2冊くらいで終わり。…淋しいな~。


7/29 食べるお仕事(石毛直道)
なるほど、食事研究家は糖尿になりやすいのか! そうだよな~、場合によっては偏った食事になるもんね~。と納得。そして、「グルメ評論家」は美味しいものを食べればいいが「食事研究家」は日本では食べつけないものを食べねばならないのだよな、と開眼(ブタの生肉とか生血とか)。
美味しいモノが載っている本かとおもったら、意外に美食のツケとか、ゲテモノ料理が載っていて想像とは違いましたが、まあ勉強になりました。


7/28 猫にマタタビの旅(出久根達郎)
江戸時代の猫描きの銀太郎が主人公のお話。それに饂飩(うどん)とか温泉とかが絡まった珍道中。これが犬だったらもっと楽しかっただろうが、猫であった。
マタタビの効用であるが、ネコが酔っ払うというのと、酒に混ぜると酔いやすい、精力剤などがあるという。40へえ。


7/27 スターウォーズ3~シスの復讐~
主演 ヘイデン・クリステンセン アナキン・スカイウォーカー
   ナタリー・ポートマン パドメ・アミダラ
これで繋がった。…のだが、旧三部作をダース・ベイダーにだけ情熱を傾けてみていたので、とにかく「こいつ出てたっけ?」というのが連続だった。新三部作でダース・ベイダーが出るまでの私の心のオアシスは、マスター・ウィンドウだった。ライト・セイバーの色がイカス☆ そして、胡散臭いと思っていたパルパティーンは案の定だったが、なぜ誰も気づかないのか…。ヨーダが倒す?と思ったとき、1ジェダイで倒せるシスの暗黒卿ってなんなんだ…と思ったのですが、倒せませんでしたね。
「女にうつつを抜かしおって…」と思っていたアナキンも、ダース・ベイダーになるには仕方のないことだったので、まあいいや。ラストの場面で「アナキンって妹いたっけ?」と思ったのですが、よく覚えていない。彼女はダレだ?
それにしても、久しぶりに「シュコー」という呼吸音を聞いたときはトキメキました(本人にとっては不幸なんでしょうが)


7/22 姑獲鳥の夏
原作 京極夏彦
主演 堤真一 永瀬正敏 阿部寛
楽しみにしていた映画なのですが・・・悪くはなかった。ただ、2時間映画じゃ無理があったのでは、と思う。堤真一が長台詞をとうとうと喋るのには感心した。大変だったろうなぁ。原作を随分前に読んだので「ああ、そうだった」と思いながら観たわけですが、読み直ししてから映画館に足を運ばなくて良かったとおもう。はしょりすぎなので、絶対に突っ込んでいたはず。
しかし・・・夏彦氏は一体どこに出ていたのか・・・。本を落とした人?
あと画面がとてもチカチカして「ピカチュウ事件」を思い出しました。
あと以外に京極堂の生活レベルが高そうだったので驚いた(てっきり貧乏だと…)


7/20 古本・貸し本・気になる本(出久根達郎)
ペース良く読めていると思う。そして、紹介されている本は99.9%くらい読んだ事が無い。まだまだってことか。今回、拉致被害者である横山めぐみさんのご母堂の手記の紹介があった。心を痛まずに読むことが出来ない。そして、出久根さんの感想にも共感。「知っていているのに他人のふり」なのだ。メディアで取り立たされる前から、被害者と家族の戦いは始まっていたのです。今、ようやく光明が見えてきた。その光を見失ってはいけないと思う。


7/19 探偵伯爵と僕(森博嗣)
森博嗣で名前が奇天烈じゃないと「おや?」と思ってしまう。
それはさておき、面白かった。子供が楽しめるミステリというのでしょうか、あまり物事を考えたくないときに読めるミステリだと思う。しかし、私が子供の頃に読んだら、ちょっとビックリするかもしれない。犯人とか、行方不明の子供の行く末とか…。かなりヘビィ。そして「子供むき」とか言いながら推理が外れる私だった。


7/17 逆境ナイン
主演 玉山鉄二 不屈闘志
   藤岡弘、全力学園校長
時間が合ったので観た映画。漫画の映画化なのだけど、なんつうか「少林サッカー」と「カンフーハッスル」と同列と感じた。で調べてみると原作もそんなカンジらしい。
色々突っ込みはあるが、多すぎて大変だ。名前が「奇面組」の仲間のような不屈キャプテン、少年漫画に多数生息する熱血校長。そして、ナゾの監督はタッチの監督とは似ても似つかない。監督らしいことは一切していない。格言だけ言って去っていった男。
コメディもコメディなのだが、玉山鉄二がムダにいい男でいい体なもんで、何に楽しんだんだかわからなくなってしまった。
とりあえず、藤岡弘、(、がつくのね)が水着で浜辺を走ったシーンが見れたのが満足だ。


7/8 バイオ・ハザード4 地下世界(S・D・ペリー)
かなり面白いと思うのだが、巻数を追うごとに平積みの厚さが減っているような気がするのです。5は探しにくいかもしれないな。今回は、3で登場したレオンとクレアに2から活躍中のメンバーであるジョン、レベッカ、デヴィッドがユタ州のホワイト・アンブレラ社でブラックブックを探す話。
ラストでナゾの男トレントの思惑が明らかになる。が…なんか、トレントは次で死ぬような気がするのだが…。今回死人はとても少なかったですが(主要キャラで)、ヘンリーは残念であった…ってトレントと同じ事を私言ってるじゃん!
5では是非、クレアとクリス兄弟が再会して、なんだかいい雰囲気のレオンとクレアの間に割り込んで「オレは許さないぞ!」と言って欲しいが、なんとなくクリスは祝福しそうな気がするのだった。次は9月だ!!


7/7 運命は剣を差し出す3-バンダル・アード-ケナード-(駒崎優)
何が面白かったって…あとがきと4コマ…し失礼、本編も最高に面白かったです。シャリーズの裏(表?)の顔にビックリ。おステキです。1話完結ということで、今後も続くらしく楽しみ楽しみ♪ 紅一点のエレディルは今回も麗しく強く、マドゥ・アリとならんで孤高の存在であった(雌狼だけどね)。どのキャラクターも魅力的ですが、今回の雇い主のお医者様がとても渋くて良かったので、彼が一話だけの使い捨てにならないことを祈るのです。


7/6 蝶狩り(五條瑛)
読み始めて気づいたが「冬に来た依頼人」と同シリーズでした。檜林が出てきて思い出した。桜庭秀彰が「わたし」こと主人公で、30過ぎのサエない男を自称しているが、なんだか大人気(周りの人々)なので、脳内ビジョンはイイ男で想像している。しかし、私のお気に入りは相変わらず檜林だ。なんなんだろう…彼は。
まず、末広弁護士事務所の下に、オフィス檜林と桜庭調査事務所がルームシェアして存在している(仕切りはカーテンだ)。ふたつの事務所は、末広からの(檜林の義理の兄)依頼で動くことが多く、檜林は「逃がし屋」系で桜庭は「探し屋」系の仕事を担当。檜林はボンボンでフラフラ男で、桜庭は彼のことを「出会ったことを犬にでも噛まれたと思って諦めているが、5分に一度は神様を恨みたくなる」と言っている。で、檜林であるが、キャバクラ嬢に夢中な桜庭に「ヒマならオレを構え」とか、ソファで仮眠を取る桜庭に「秀彰起きろ。それとも王子のキスが必要か」などと平気で言う。…まさかとはおもうが、まさかだろう。多分作者が「まさか」を狙っているだけなんだろうが…。
とまあ檜林をクローズアップしてしまったが、友達でヤクザの渚ちゃんや、アイスドールなキャバクラ嬢キリエ。そしてバイトとして桜庭の手伝いをするヨウイチなどキャラクターが面白い。内容も短編と称しているが、長編といえる。でもキリ良いところで読み止めることが出来るので、便利かもしれない。
全体的には、ぼったくりバーで稼いだ金とその裏幕を探っていくうちに、話が広がっていく…という内容。面白かったです。是非。


7/5 恋刃 Lancet(五條瑛)
革命シリーズ4冊目。テーマは「愛」である。しかも「無償」がついている。
相変わらず亮司はモテモテ。今回クローズアップされた人物は前回から出ている彫り師・彫翔。彼が「詩神(ミューズ)」というたびに、それは、亮司のことか?と聞きたくなる。そんな彼を押さえつけているサーシャも各所で男女問わずコマしているようだ。
今回頑張っているリャンであるが…。読後、1冊目の「断鎖」を読んだ。彼女に覚えがあるが、名前が思い出せなかったからだ。まる子(亮司命名)はかろうじて覚えているのだが、お前は誰だ!? 記憶が、記憶が掘り起こせない!! というわけで、パラパラ捲って思い出した。おまえは「お岩」だ(しょーもない名前だ。亮司が芸術面では審美眼があるが、ネーミングセンスは無いな)。そうだった、最後にアメリカ行ったんだ。そうか、お前、亮司に恩を感じているのか。いいことだ。バンバン感じてくれ。いっそ、亮司の手の者になってくれ。
今回は5冊目の助走の感がぬぐえない。ていうか、続編は!?という気分。しかし、来年6月なのだね…(T_T) 面白いだけに、そりゃないぜ、と言いたくなる。


7/4 粋で野暮天(出久根達郎)
読書エッセイも最後の一冊を読み終わってしまった…と思ったが、「朝茶と一冊」は読みきれずに途中返却したかもしれない。もう一度借りてみよう。
紹介されていた本で「木を植える男」という本がとても気になった。荒地に木の実を埋める羊飼いの男。「私」はその後、第一次世界大戦に赴き、再びその地を訪ねると男はまだ木の実を埋めつづけ、そこは森になっていた。そして第二次世界大戦後、そこは人々でにぎわっていた…。という内容らしい。ハートフルでソウフフルな心に染み入りそうな本だと思う。だが筆者はその本よりも、その本を紹介する作家の本を薦めている。うむ…どちらも読むか、片方だけ読むか…。とうか、入手可能なのか…。


7/1 宇宙戦争
監督 スティーブン・スピルバーグ
主演 トム・クルーズ(レイ) ダコタ・ファニング(レイチェル)
久々に、「娯楽映画」と大手をふるって言える映画をみた気がする。迫力・内容共に「娯楽映画」として申し分なかったと私は思う。秘密主義が完全に生かされ、壮大なスケールと内容に口を開けっ放しであった。
初めから派手だったので、かなり前のめりの姿勢で見た。まず、嵐の中心に風が流れ、二十数発のワンポイント落雷という演出。怖いものみたさもあり現場に行くレイ。そこで彼は未知の生命体を目撃してしまう。
その後は逃亡劇である。どこへ? それはレイだけでなく誰もが分からない。ただ安全と思われる場所(レイの場合、別れた妻の実家のあるボストンである)に足を進めるだけだ。
エゴや素晴らしさを時間差攻撃で見せてくれる有象無象の人。わけのわからない宇宙人の行動(血を撒いているのは苗床? 残りかす?)には、分からないだけに怖さがある。高度な知的生命体には見えなかったのですが、その言葉自体が漠然としているし。
レイも結局は己の信条の為に罪を犯すが、この極限状態では罪すらも曖昧だった。
宇宙人の撤退(?)も、「こういう理由なら」と納得いくものでした。
ただ…再会が納得いきません。そりゃ、ゴツゴーシュギじゃありませんコト?


7/1 『七都市物語』シェアードワールズ(田中芳樹原案 小田一水・森福都・横山信義・羅門祐人)
え~「七都市物語」という「銀河英雄伝説」ソフトバージョン(私の感想ですが)のような小説がありまして、その世界観を使用して他の作家が書いた短編集(シェアードワールズと言うらしい)が、本作です。
読書メモを見たところ、私は「七都市物語」を97年に読んでいました。感想は短く「面白かった。ソフト銀英みたい」としか記されていませんでしたが、たしか紅茶党(コーヒー党だったかも)の軍事の天才が出てきた記憶があります。彼が好きでした。ヤン(銀英)に通じるものがあったせいかも。
今回の作者陣で、既読の作家は「琥珀枕」の森福都氏だけでしたが、各々楽しめました。魅力的な女性は小説のスパイスだと思うのです。「七都市物語」を再読したいとも思うのですが、他にも未読の本があるので、いつになるかわからない。


7/1 小説以外(恩田陸)
その名の通り、小説以外の本…エッセイ。前回感想で書いた「『恐怖の報酬』日記」が初エッセイで、これは二冊目ということのようです(雑誌掲載されたものとしては、こちらには断然古いものがあるようですが)。
エッセイを読むと読書家で、ビール好きということが本当に良く分かる。
私もかなり酒はいける口ですが、大好きか?と言われると「どうですかね?」というカンジです。多分、これを知人が見たら、「好きだろうが!」というと思うのだけど、私は酒がなかったら、お茶で平気なんです。で、お茶が無ければ酒でいいんです(甘くない、辛口限定だけど)。それは真の酒呑みでも、お茶呑み(なんだそりゃ)でも無い、と思うのです。
ダジャレで言うなれば、お茶ケ(酒と茶の組み合わさった造語。お酒を止められたオヤジが、酒を呑みながら「これは、オチャケよ」などと使用する)呑みってとこか。
話がずれた。このエッセイを読んで、読みたい本が出てきたので、候補に上げさせてもらおうと思った。「ユリシーズ」は私も読んでいないので、やはりいつか読みたい。あとかなり出てきた「後宮小説」は中学時代に読んだな・・・と思い出してみたり。


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