つれづれなる徒然奇行

日々雑記(2011.6~)


大雑把かつたまに毒舌なことも書いてあるかもしれませんが、大人な気分でスルーしてあげてください。
おもいっきりネタバレですので、イヤン☆な方はお戻りください。




6/3 一刀斎夢録 上下巻(浅田次郎)
(内容)浅田新撰組3部作の一品。

「わしが龍馬を倒す刺客となったいきさつを聞いていただこうか」

斎藤一が7晩かけて、近藤の出会いから、龍馬暗殺。戊辰戦争までを語る。

(感想)浅田さんには、3部作といわず新撰組作品をもっと書いてほしいけれど、クオリティ重視するならば3本の大作で充分なのかもしれない。

組長格で明治を生きたのは斎藤一と永倉新八・・・でよかったですかね?
斎藤は名前を藤田と替え、嫁を貰い、警察官となりました。
この本は、斎藤が70歳過ぎの老人となって登場し、謹慎をくらった梶原少尉に昔語りをするという流れで進みます。

とにかく、面白い。
上下巻の分厚さをカンジさせない。「壬生義士伝」のような泣きはなかったが、グッときた。
人を「糞袋」と呼ばわる斎藤の、ひねくれた思想と、ほんの少しの本音。
戊辰戦争は、祖父の父も行ったと聞いています。
すでに祖父は鬼籍に入り、昔語りを聞いたときも酔っ払っていて要領を得なかったので、よくわかんないですが、けっこうな褒賞を頂き、田舎に土地を買ったとか言ってましたので、官軍側だったのではないでしょうか。
うちの祖父は子沢山の末っ子だったので、遺産の恩賞はなかったようです。

そんな数世代前の先祖が、戊辰戦争に出ていた。
そこには西郷隆盛も斎藤一もいた。



6/13 アルワンドの月の姫(ながと帰葉)
(内容)絶世の美女として名高いアルワンド領の跡取り娘アルナ。彼女の夢は主として認めた第二王子シャルフの「銀の杖」になること。そのために知識を積み、将軍スイーヴとは領地を報酬に形だけの婚約を結んだ。そして有力な王子達を次々と暗殺する王妃と第一王子一派からシャルフを守ろうとするのだが・・・。

(感想)全5巻のコバルト文庫。当初アルナとシャルフのカップリングなんだろうと思って読んでいたのですが、スイーヴが大変勿体無いことに気付いた。
人を駒扱いしか出来ない女好きの捻くれ王子もいいけど、無限実行で寡黙な若き将軍スイーヴのほうが私はタイプだなー。

って、多くの読者も思ったんでしょうな。最終巻でシャルフの婚約者候補がいきなり出てきました。
ムリヤリ感はあるけれど、まあスイーヴが幸せだからいいかな! ってところです。


6/13 輪違屋糸里(浅田次郎)
(内容)島原の糸里天神は新撰組の土方に思いを寄せている。京で新撰組は「みぶろ」と恐れられ、芹沢鴨による太夫の無礼打ちや大店焼き討ちなど非道さが目だっていた。
会津藩は近藤らに芹沢の暗殺を命じ、糸里もそれに巻き込まれていく。

(感想)音羽太夫の死に際は、悲しいほどに美しい。

丸腰の太夫を無礼打ちする非道さを持ちながら、繊細な心を持ち、酒に溺れ悪徳を尽くす芹沢鴨。
出自にコンプレックスを持ち、侍でありたいと願う近藤と土方。

そんな彼らをとりまく女達視線の新撰組作品です。

ラストの糸里の選択は、彼女の強さだと思う。
映像になっていないので、想像でしかないが、彼女の道中は惚れ惚れするほど美しいだろうな、と思った。
ヘタなキャストで台無しになってほしくないので、映像化は反対したい派です。



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