The door for the blue sky 

The door for the blue sky 

A PLACE IN THE SUN(July 9)


 昨夜、君の夢を見た。

 君は優しく微笑んでいた。あの頃と同じ・・・何も変わらないいつもの笑顔で・・・。

 僕は、君の顔に触れてみた。両手で君の頬に触れてみた。柔らかく温かな君の頬に触れてみた。

 君は僕に「もう、いいよ。」って呟いた。僕は、首を横に振る。もう一度、君が「もういいのよ。」って囁いた。

 目を覚ますと、窓の外は、あの日と同じように雨が降っていた。

 僕は僕の両手を見つめる。僕の手のひらには、君の温もりも、感触も残ってる。

 僕は手のひらを見つめながら泣いていた。訳もなく涙が溢れてくる。

 彼女は「もう、いいよ。」って言ってくれるけど、「僕には、まだ無理だよ。」たぶん、僕がこの世から消えてしまうまで

 忘れることはないと思う。

 忘れてしまったら、僕はどうやって生きて行けばいいのかさえ解らなくなってしまうから・・・。







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