Dragon's nest

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第六話「ライヴァーの助手」


だが、ライヴァーの姿はなく、代わりに、銀髪に赤い目。黒い耳と尾、黒の長いブーツとグローブを着用した女性が箱を抱え、パタパタと忙しなく動いていた。
「あ。ツバキさんー」
テントの前に、ドサリ。と箱を置くと女性はツバキに気付き、にこりと微笑んだ。
「ライヴァーはいるか?」
「え?パートさんは、今、遺跡に道具を取りに行っていますけど…すぐ戻ってくると思いますけど…お待ちになっては如何ですか?」
「ん。そうするわ。」
「ええと…そちらがアシュタルさんとコケットさん。それにステアさんとその弟、アルプさんですね?パートさんにお名前は聞いています。申し遅れました。私、猫の獣人、十三夜 霧亜<とみあ きりあ>と申します。ツバキさん、急ぐ様でしたら呼びに行きますが?」
「いや…別にいいんだが…」
「そうですか?あ。すみません…わたし、用事あったので、少々、留守にさせて頂きますが…」
コトリ。机に人数分の飲み物を置くと、霧亜はぺこりと頭を下げ、テントの外に出た。
「本当にすみません。すぐに戻って参りますので…」
ぽふんっ!と音がすると、黒猫に化けた霧亜が再び頭を下げ、走っていった。  
「律儀だな…」
「あ?」
「待たせないように、『用事』と偽って、ライヴァーを呼びに行ったんだろう…」
樹の箱の上に座り、脚を組んだリーフは、口元に笑みを浮かべると、霧亜が入れたコーヒーに口をつけた。

「いや。待たせたな。」
そう言って、ライヴァーが現れたのは、アシュタル達がテントに来て一時間もの後だった。
「道具を片付けていたら、隠し通路見つけてなぁ…探索していたら、霧亜が迎えに来るしな。」
「夢中になるのも結構ですが、お客様はお待たせしてはいけません。」
凛とした声で、テーブルにライヴァーの分のコーヒーを置いた霧亜は、ムッとしたように顔をそらせた。
「まー…結局大した物が見つからなかったみたいだし…っと。鑑定分の精算だ。」
思い出したように、ライヴァーは袋をテーブルの上に置いた。
じゃらり。と金属がぶつかり合う音がする。
「用はこんだけか?」
「ああ。取りあえずはな。何かあったらまた、頼むぜ?」
「おう。」
ツバキが握った拳を上げると、ライヴァーも同じように拳を上げる。
二人は笑いながら、こつん。とお互いの拳をぶつけると、ツバキはアシュタル達の方を振り返った。
「じゃ、行きますか。」
そう言って、アシュタル達とツバキ達はライヴァーのテントを離れた。
道中、ツバキはアシュタル達に口を開く。
「お前さん達はこれからどうするんだ?」
はたり。とアシュタル達は互いの目を見つめ合った。
「そう言えば…何も考えていませんでした…」
「確かに…」
「ステア、オトーサンとオカーサンの仇、取リタイよ…」
「誰とも分らないのにか…?」
「ステア、思ッタ…ツバキとリーフ、ハンターシテル。情報、イッパイ入ル。オトーサンとオカーサン殺シタ人、情報デ分ル筈…」
「…確かに。各町にはハンター達に情報売っている奴らがいる。そして、金こそかかるが、裏情報も少なからずとも入ってくる…よく、思いついたな。」
「情報。ツバキ、ライヴァーが居ル、分ッタノモ、情報。デショ?」
真剣な表情で、ステアはツバキを見上げた。
暫く、ステアの目を見ていたツバキは、急に笑うと、ステアの頭をぐりぐりと撫でた。
「よし。嬢ちゃんの為なら、一肌脱ごう。」

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