Dragon's nest

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第十話「追っ手」


燃やした薪の周りで眠る一行を見つめる数人の影。
その中の一人が横に居た人物の肩を叩き、ステアを指差した。
それを確認して、肩を叩かれた人物は、音も立てずにステアに近づくと、自分の身長程の槍をステアに突きつける。
わずかな殺気に気付いたステアは、振り下ろされた槍を避けると、自分を殺そうとした人物に飛び掛り、刃を突きつけた。
「捕マエタ!」
「わあっ!ストップ、ストップ!!殺さないで下さいっ!!」
「何、言ウカ!ステア殺ソウトシタクセニ!!」
「ステア!?」
「アシュタル、ツバキ、一人捕マエタ!」
未だ、相手の喉下に刃を突きつけたまま、ステアは視線を外し、アシュタル達に声をかけた。

両手を前で縛られ、がっくりとうな垂れる青年は、アシュタル達に問い詰められて渋々口を開く。
「オレは雇われたんです…。ハンターから。」
「目的は?」
「そこのお嬢さんと、そこの龍の捕獲。後は殺せ…と。」
「ヤッパリアルプ狙ッテタ!」
刃を突きつけるステアに、青年はビクリ。と身体を振るわせる。
「だから、雇われたんです!金で!!オレは獣人だから、『小娘一人と、子供の龍一匹だったら簡単に捕獲できるだろう』って理由で!!」
「本当にただ、雇われただけのようだな…お前、名前は?」
「ガルム…ビックバン…狼の獣人です…雇われて金を稼ぐ仕事を主に…今日、雇われて捕まったのはたまたまで……油断していたオレが悪いんですけど…」
再び、がっくりとうな垂れて、溜息をつくガルムに、ステアは手の縄を切った。
「ステア!?」
「お嬢ちゃん!!」
「コノ人、嘘言ッテナイ。ステア分ル。」
もう、扱い慣れたのか、ステアは短刀を手の中で弄びながら、鞘にしまった。
「ソノ代ワリ、ガルムにハ悪イケド、『首二縄着ケテ』見張リシテ貰ウ。武器、ツバキ預カル。ジャ、オヤスミ。」
にっこりと笑って寝転んだステアに、他の仲間と、ガルムは冷や汗を垂らした。
「お嬢ちゃんの後ろに、一瞬だけ黒いオーラが見えた…」
「気の毒だな…」
「アハハハハ…」
両側から、アシュタルとツバキに肩を叩かれ、無言で本当に縄を着けるリーフに、ガルムは涙を流しながら、乾いた笑みを浮かべた。

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