Dragon's nest

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第十三話「夢の後」


アシュタルは先程見た夢の所為で目が覚めた。
まだ、空は白み始めたばかりで、他の仲間たちはぐっすりと眠っていた。
『ステアを守ってやってください…』
『ステアを救ってくれ…』
ステアの両親の言葉が夢の中で言った言葉が頭の中で繰り返される。
もう一眠りする気にもなれず、アシュタルは鎧も着けずにマントだけを羽織ると、身の丈ほどの大刀、《レイクエス》を持ち、宿の外へと出て、街の外へと出た。
暫く森の中を散策していると、開けた場所を見つけ、アシュタルは背中に背負った剣を抜いた。
「……。」
磨かれた剣に自分の顔が映る。
複雑な心境で、剣に移った自分の顔を見たアシュタルは、ふと思い出したように自分の右腕の袖を捲り上げた。
複雑な紋様で、右腕に刻まれた刻印を見てアシュタルは顔をしかめる。
『俺は…ステアを護れるのか…?』
自分の父親に教わった方式で剣を構える。
『ステアの両親の言った事が本当だとして、ステアが襲われた時に、俺は本当に…?』
ヒュン!と剣が風を切る音がする。
『俺は…人じゃないのに…』
家出した時から薄々感づいていた自分の本当の姿。
人間と、天使のハーフだと自分で言っていたユーリと言う女性に腹を撃たれた時、薄れ行く意識の中で、自分の中に眠っていた本当の自分が何か仕出かした事をアシュタルはうっすらと憶えていた。
ステアが自分を回復していた時、チラッとだけ自分の顔を複雑そうに見たステアの顔。
『…もう、考えるのはよそう…』
無心のまま、アシュタルは剣を振りつづけた。
暫くして、ガサガサと草を掻き分けてくる音に、アシュタルは神経を尖らせた。
『何か来る…』
がさっ!と草むらから顔を出したのは、ステアの弟。
「アルプ…?」
「ぎっ、ぎぃーぎぃぎぃー!」
まるで、「アシュタル、見つけたー」と言いたそうなアルプに、思わず構えていた剣を地面に突き刺した。
「裏口から出たのを見ていたのか…?」
「ぎーっぎーぎーぃ。」
「その通りです。」とばかりに頷くアルプ。
「全く…お前に気付かなかった俺も俺だが…追って来るとは大した度胸だな…」
アルプの目線までしゃがんだアシュタルは、アルプの頭を撫でてやると、アルプはがばり!とアシュタルの肩に飛びついた。
「ぎゅーぎゅーぅ!」
ぶりぶりと尾を振るアルプを抱いたまま、アシュタルは地面に刺したままの剣を引き抜き、背に背負うと、街へと戻り始めた。
「…お前…重いな…」
「ぎいっ!ぎーぎー!!」
「失敬な!」と言っているのだろう。アルプはアシュタルの頭を小さい手でべしべしと叩いた。

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