Dragon's nest

Dragon's nest

二十一話「迷子の迷子の子猫…ちゃん?」


片方は青い髪のリーフ。
もう片方は脇にコケットを抱えた赤髪の少女、レイト。
「あ。」
同じタイミングで出てきたリーフにレイトが気付く。
「あ!」
そこからまた、別の声。
「リーフー!レーイトー!!」
地面に座ったアシュタルの横で、ぶんぶんと手を振るステア。
二人の後ろには黒焦げの龍。
今し方決着がついたようだ。
「ご無事でなにより。」
そう言いながら、脇に抱えたコケットを降ろすレイト。
「苦労、しなかったか?」
「はい?」
そう、リーフに聞かれたレイトはガッツポーズを取って一言。
「大丈夫です!あんなの、私にかかれば数分で終わりますから!」
「スゴーイ!」
きゃっきゃっと飛び跳ね、喜ぶステア。
だが、ふと止まるとぼそりと呟いた。
「ソウ言エバ、アルプハ…?」

…しばらくして…

森に響いたのは悲鳴。
「ごっ…ごごごごごごごごめんなさいっ!!」
物凄い回数で頭を下げるレイト。
それを驚いたように見下ろすステア。
それを離れた所で冷静に見ていたリーフは人の気配に振り向いた。
「遅かったな。」
「別に?普通に来たつもりなんだがな。」
リーフの後ろにはツバキ。
「すっ…すみませんっ!私が一旦、お二人を降ろしたのが間違いでした!両手が塞がっては戦えないので、安全な場所に降ろしたのですが…」
困惑した様に、レイトは地面に目を伏せた。
「ちゃんと降ろした時にはお二人の姿を確認したんです…何故、戻る時に気付かなかったのか……不覚です……」
「まあ、ここでしどろもどろしてるより、探しに行った方がいいだろ。」
ツバキの言葉を先頭に、再び森の中へと入っていく一向。

その数分後…

蝶々を追い掛ける灰色の物体、アルプ。

そして、さっきまでステアが居た位置に立ち止まる。
「ぎっ?」
目線の先には先程アシュタルが倒した龍。
「ぎー?」
首を傾げるも、先程の蝶々が目の前を通ると、アルプは再び蝶々を追い掛け始めた。

「アールプー!」
「おーーい」
「何処に居るー?」
「出て来てくださーい!!」
「出てこないと…出てこないと…私、舌噛み切って死にますからー!」
『ちょっと待てぇ!!(汗』
そんなこんなで声を上げて森でアルプを捜索する一行。
「………」
そんな中、リーフは一人呼び声を上げず静かに目を瞑っていた。
「おーい!!…って、お前もちゃんと捜せってば」
それを見咎めてツバキは怒る。
「…ちゃんと捜している。森の木々と風の声を聴いてな。それと、声を掛けるな。集中力が削がれる」
「はいはい…」
リーフの些か怒気を含んだ返事に、ツバキはムスッとしながらステア達の方に歩いて行った。

「(…森に居る“よそ者”は私達とアルプだけ…だか、離れた所からは気配がしない…そんなに遠くに居ない…?)」
ならばとリーフは、スッ…と薄目を開けて周囲を見回す。すると、リーフの視界には周囲の木々が透けて見え、辺りの生き物の姿があらわになる。
「(アシュタル、ステア…兎、コケット…狐…レイト、ツバキ………龍…居た!!)」
ほぼ真後ろに龍…アルプの姿を認め、リーフは駆け出した。



「ぎー……」
先程まで追っていた蝶々を見失い、ようやく自分が迷子になったという事を理解したアルプ。
天や地面に鼻を付けてステア達の匂いを探してみたりもしたが、先程までの雨で匂いや足跡は消えていた。
「ぎぃぎー!ぎゅぃぎぎー!!」
名前を呼べども返事はない。
「きゅぅ~…」
「…やっと見つけた」
心細そうに鳴くアルプの前にリーフが現れた。
「…!!」
「ほら、皆捜してるぞ?…っうわ!!や、止めろって!」
アルプはリーフに飛び付いて押し倒し、涙を浮かべながら頬擦りやら接吻の嵐をしていた。
「わ、分かったから!…寂しかったんだな?」
ようやくの事アルプを引きはがし、リーフが宥める。
「ぎっ!」
アルプは大きく頷く。
「よし、じゃあ戻ろうか」



補足:こ、後半、友人に手助けしてもらったバカが居ます(←お前だ。


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