雫の水音

雫の水音

4章~真実と偽りの双子~


三日前の夜、私が家に行ってたの~
その時、魔法を使ってあげたの。。。
よく眠れる魔法を・・・」

「お姉ちゃんはどうしたの?」

ロイノスはアーニーの顔を覗き込んで話した。

「裏切り者には血の制裁が必要よね。ウフフ」

「もしかして!!?」

メルディアはロイノスに杖を向けた

「何が目的なの?」

ロイノスは動じる気配を見せずに笑った

「ロイノス怖~い。だ・け・ど
今の貴方に出来るのかしら?」

メルディアはさらに杖をロイノスに近づけた。

「目的ねぇ~。まぁ、あいつ等の任務を奪うことになるけど
ヘレナ、アーニーの殺害かしら?
私って大手柄だわ~!」

アーニーは涙を浮かべてた

「何で私が?」

ロイノスは噴出した

「アッハッハッ!!知らなかったの?
貴方はメルディアの娘よ?
同じ血筋なんだから、
貴方にもメルディアの力が眠っていたら
私たちにとって危険だからよ!
まぁ、そろそろ時間だから
サ・ヨ・ウ・ナ・ラ。
永遠に・・・ウフフ」

「待ちなさい!!まだ話が!!」

「あっ。そうそう、あの方がこの世界を他の次元から隔離したから
次元転送はできないわよ~。」

ロイノスは青い光に包まれて消えていった・・・

「アーニー・・・今は泣いてる場合じゃない・・・
突然、色々な事が起きたから動揺してるかもしれないけど・・・
私も貴方にちゃんと説明がしたいの・・・
だけど、その前にすることがあるわ」

アーニーは涙を拭った

「わかった。で、今から何をするの?
レーヤルネイト全体に古代魔法で、魔物を寄せ付けない
バリアーを張ります」

「それで防ぐんだな!!」

「えぇ、準備は出来てるから・・・
すぐ始めるわ。」

メルディアは部屋の魔方陣の中央に立ち
呪文を詠唱し始めた。

‘この光景何処かで・・・’
「も、もしかして、この魔法を使ったら自分が封印されるとかないだろうな?」

メルディアはビックリした顔をしたが
静かにうなずいた。

「翔?どういうこと?」

翔は夢の中で見た、魔法の結果を話した・・・

「そんな・・・」

「アーニー・・・泣かないで・・・
私が国を守らなければならない・・・
そして、次にそれをしなければならないのは
アーニーよ・・・」


そして、メルディアは宙に浮かび
水晶に包まれ始めた・・・


「アーニー!!翔さん!!逃げて!!これは・・・」

虹色の光を放ち、メルディアは水晶に包まれ終わった・・・

‘何かいるのか?’

「何が起きるの?何か来るわ・・・私も感じる・・・」

その瞬間辺りが光に包まれた・・・


そこには見覚えのある2人がいた。

「「こんにちは。翔さん/君」」

アーニーは誰と言いたげな顔をしていた。

「君はアーニーさんだね。僕はサーテン」

「私はルーマー」

2人はお辞儀をした。

「もしかして、翔が言っていた双子・・・」

「もしかして、元の世界に返してくれるのか?」

「世界は何者かの手により隔離された。」

「やぱ、ダメみたいね・・・翔?」

翔は俯いた

「何か方法は無いのか!!」

ルーマーは微笑んだ

「あるわ。ただ・・・今のままでは不可能」

「そう、このままでは、この世界も君の世界も救えない」

「そして貴方自身も」

‘俺自身?’

アーニーは驚いていた

「救えないって?」

サーテンは手を翳した

手の上には、魔物が何千も蠢いている映像が流れた

「君達ではないと救えない・・・」

「何でだ!!」

サーテンは手を下ろし、可哀想と思ってる顔をしていた。

「「神が貴方/君を選んだから・・・
遠い昔に貴方/君が望んだから・・・」」


「俺が・・・?」

その時、光が消えて、地面が揺れた・・・

アーニーが叫んだ

「キャー!何?」


「やっと会えたね。御二人さん」

声が聞こえる方向に全員が振り向いた

そこには、黒いスーツを着た黒髪の男が笑っていた

「探したよ~!なんせ、何処に現れるか分からない」

「誰この人!!?」

笑っていた男が急にアーニーを睨み付けた

「五月蝿いなぁ!僕はこの二人に用があるんだ」

「嘘は良くない・・・
君が後を追ってたのも知っていた・・・
そして、この子達にも用があるはずだ」

男は顔に手を当てて笑った

「ハッハッハ!!それは神の噂とでも?
いつもみたいに、逃げないという事は
死を選んだのかね?」

ルーマーが語り始めた
それは、翔にだけ話してるように

「貴方は、世界を知り・・・
そして、同じ役目を持つ者を探す役目がある・・・
貴方に見た夢・・・
その夢を見た事で、変化が齎(もたら)された・・・
小さな変化はヤガテ大きな奇跡を齎す。
その奇跡は誰1人欠けては意味の無いもの・・・」

何時の間にか、男はサーテンに攻撃を始めていた。
サーテンの体は男の攻撃されるたびに
光の粒子となり消えていった。

サーテンが消えたとき男は驚いて呟いた

「罠・・・」

言い終える前にルーマーに包まれて消えてしまった。

そして、翔は床へと倒れた・・

5章~謎の傷跡と始まりの鐘~




© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: