不定期更新推進月間。

不定期更新推進月間。

姉妹の様な。



居間で食後の楽しみに浸っていると、
我がマスター、サクラの想い人、ここ衛宮家の主である
シロウが声を掛けてきた。

「・・・何でしょうか、シロウ?」
小首を傾げながら答えると、急に眼を逸らして
何故か真っ赤になりながら

「さ、酒だけだと何だから、つまみでも作ろうか?」
なんて嬉しい事を言ってくれた。

「はい、喜んでお願いします、シロウ」
そう答えるとシロウはサクラに向ける様な
微笑みを浮かべ

「似てるな、やっぱり」
と呟いた。

「誰と似ているというのですか、シロウ?」
先程と同じ様に首を傾げながら聞いた。

「そのとろんとした眼、首の傾げ方、笑い方。
ほろ酔い加減の桜によく似てるよ。姉妹みたいに」
その言葉で遥か昔を思い出す。
愛すべき二人の姉。
亡くしてしまった大事な家族。

「ではサクラは姉と妹、どっちになるのでしょうね?」
「どっちだろうな?」

苦笑しながらシロウは台所へ入った。
私が姉だとシロウは義理の弟になるのかとか、
サクラもタイガ並に飲むのになとか他愛の無い事を思いつつ
いつの間にか瞼が落ちていた。

そして意識が落ちる寸前、こう願った。
願わくば愛すべき姉妹と守るべき新しい弟妹が
共に、夢の中でだけでも仲良く一緒に笑える様に、と。







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