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地図にも載ってない田舎町で繰り広げられる戦慄のホラー。
1933年、1953年に映画化された「肉の蝋人形」のリメイクということで1953年版を
観てみましたが、蝋人形を造るという基本的なアイデアは同じですが、ストーリーは違
うものでした。パリス・ヒルトンもなかなか頑張っているのも面白かったです。
[あらすじ]
カーリー(エリシャ・カスバート)は親友らと共に6人で、大学フットボールの試合を観戦しようとスタジアムを目指していた。途中、キャンプ場で一泊するのだが、翌朝、車のファンベルトが抜き取られていることに気付く。ちょうどそこへ現れた、動物の死骸を処理しているという気味の悪い男に、カーリーは恋人のウェイドと一緒に、近くの町、アンブローズまでファンベルトを買うために送ってもらうことになる。着いた町は、閑散として人影もない。そして、ふたりが目にしたのは静かすぎる町には似合わない立派な蝋人形の館。その館に入り、不気味な蝋人形を見てはしゃぐふたり。これから恐ろしいことが待ち受けているとも知らずに・・・。
監督 : ジャウマ・コレット=セラ
製作 : ジョエル・シルバー / ロバート・ゼメキス
出演 : エリシャ・カスバート (カーリー) チャド・マイケル・マーレイ (ニック)
パリス・ヒルトン (ペイジ) ブライアン・バン・ホルト (ボー/ビンセント)
2005年製作 アメリカ・オーストラリア映画 113分
[感想]
ストーリーとしては、若者たちが旅先で、ひとりひとり消されていくといったアメリカ映画に
よくある展開です。もうよくこれだけ色んな「痛い!」が思い付いたもんです。
怖い怖いと思いながらテンポが良かったので、最後まで観てしまいました。
最後のクライマックスは20トンもの本物の蝋を使っているということで、迫力満点でした。
また、この映画のために造ったというアンプローズの町全体の大掛かりなセット。
人の生活の匂いがしない小ぢんまりした町の不気味さは、それだけでゾッとするものが
ありました。
ストーリーには直接関係ないかもしれませんが、この映画には二組の双子が
出てきます。一方が男同士、他方が男女の双子です。彼らは強い絆を持ちながら、
常に双子の相方を意識することで、「善と悪」「強と弱」(或いは「静と動」)のように、
対称的な位置に自分を置くことで、自分の存在価値を見い出しながら成長していきます。
このことが、ストーリーの伏線となって面白みを加味していると思います。
映画の中にほんの少し「何がジェーンに起きたのか?」(What ever happened to
baby Jane?)という映画が出てきますが、これは才能に翻弄された姉妹の物語です。
これを劇中劇に使っていることからも、ホラー映画の中に兄弟の在り方を意識している
ことがよく判ると思います。
また、最後にちょっとしたオチがありますが、同じ親に育てられて、同じ兄弟でも、
双子ではなかったら、また違った結果になったんだろうと思います。そして、この殺人バトルに勝利することは、真の絆の形をつかむことを表しているのだ
と思いました。
English Tips ~英語の豆知識~
「蝋人形の館」の中で、犯人がカーリーの唇に接着剤を塗ろうとして暴れるカーリー。
そんな場面で使われている表現です。
暴れるカーリーに向かって犯人が
"Don't move!" (動くな!)
恐ろしさのあまり、動きを止めるカーリーに接着剤を塗ろうとする犯人が
"Just stay still." (じっとしてろ)
同じ「動かない」ことを表現するのにも、このふたつ、ちょっとニュアンスが違います。
助け出してくれたカーリーの兄、ニックと逃げる際、カーリーが言った言葉。
”We can't just leave them behind." (彼らを置いていけないわ)
行方が分からなくなった友達を残して、「自分たちだけ逃げられないわ」と、
この"behind"に友達を思う気持ちと、急を要する様子がうかがえると思います。
事件が解決し、警察が友達との思い出の詰まったビデオカメラを証拠品として
押収したのを、ニックがそっと盗んだ時のカーリーとの会話。
カーリー:"You took it?" (盗んだの?)
ニック : "It just felt wrong leaving it behind." (警察に渡すのは間違ってる)
そのまま読むと、この"it"はビデオカメラなんだけど
私には「友達との思い出は忘れない」という気持ちが含まれているように思いました。
最後に「大丈夫?」とカーリーがニックに聞く場面。
カーリー: "You okay?" (大丈夫?)
ニック : "We're okay." ( ふたりなら
)
ホラー映画観て感動したっていうのもなんですが、この映画の中で
一番好きな場面です。さりげなくうまい翻訳ですよね~
「スーパーサイズ・ミー」を観ました~ March 7, 2006 コメント(4)