EBIちゃんのここだけの話

EBIちゃんのここだけの話

第三章



三章

朝一でまた血液を採られる。
その日はとっても暑い日で全館クーラーがかかっていた。
でも私はガタガタ震えて体中に感覚が無くなるほど寒かった・・・
窓を開けて暖かい空気をいれてもらって毛布やらをいっぱい体にまいてもらった。
熱は相変わらず39.5と38度を繰り返している。
私のせいで同室のおばあさんがクーラーの無い部屋で団扇を一生懸命扇いで
暑さをまぎらしている。それでもおばあさんの顔には汗がいっぱい流れていた。
「すみません・・・」そういう私におばあさんは、「イエイエ、早く良くなるといいね」
と励ましてくれる。
薬が効かないので氷枕だけでなく
脇の下にも氷を挟んでいたので熱はパジャマとお腹の間に体温計を挟んで計った。
それでも39.6とかが出て、看護婦さんに「お腹でこれだもんねぇ~・・・」と言われてしまう。
赤ちゃんがいるので看護婦さんも早く帰してあげたいとおもってくれているようだった。
事務的な看護婦さんだったら、ますます孤独感が襲ってきただろうけど、
親身な人看護婦さんがずっと私を看病してくれた。

今度こそいい結果が出てくれ~・・・家に帰りたい・・・
そんな私の願いもむなしく、朝ごはんの後に先生が私のベットに来て
「また下がったよ、10分の一以下。危険だから無菌室・・・・
ここにはちゃんとした設備がないからとりあえず、個室に移ろう」
もう頭のなかでガーンとショックな音がなったような気がした。
私いったいどうなっちゃうの?
部屋を移るとき、隣のおばあさんが気の毒そうに「がんばってね・・・」と涙ぐんでいた。
普通なら個室から大部屋にうつっていくものなのだし、出された病院食を
さすがに体が受け付けなくなってた私は喉まで戻ってくるものを無理やり飲み込む。
1時間くらいかけて吐き気と戦いながら飲み込む。そんな子供の所にはやく帰りたい
と願う私をおばあさんはずっと見ていたからだとおもう。
先生は食事の状態を見て、すごいね・・・と毎回驚いていた。たぶん独身の時なら
点滴だけに頼って、そこまでの生への執着は無かったと思う。


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