+詩+57




  "梔子"



 ヒトは常に死と隣り合わせに

 今を生きる

 死ぬこと、生きることは表裏一体


 生きていれば自然に死がそこにいる



 死ぬのは怖い

 死にたくない


 もし死んだらどうなるんだろう―

 暇なので想像してみた


 まずいつもの通りにある、大きな木は

 相変わらず緑色の葉をそよがせていて

 道行くヒトに、雨宿りさせてあげるんだろうな


 あそこの家のじいちゃんは

 相変わらず近所のガキ共怒鳴っているんだろうな


 あそこから見える空は最高だったなぁ

 目が覚めるくらいの青がビルとかに邪魔されないで

 よくよく見えたあの場所、子供の頃の隠れ家


 まだあるかなぁ


 ―君は

 俺のこと覚えているんだろうか

 忘れられちゃうのかなぁ


 それはすげぇ悲しいことだから

 君の中の俺がより長生きできるように


 もう少し頑張って生きてみよう


 俺が一番怖いことは

 みんなから忘れられちゃうことだから

 みんなが覚えてる限り、

 俺はしぶとく今日もバカやって

 生きてるからな―



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