+詩+60


 ∥消去したい不燃ゴミ∥



 うざい過去とか


 悲しかった過去とか


 辛かった過去とか






 誰も自分を分かってくれなかったと言う孤独感とか


 記憶に


 体に


 全部残っているから


 それがとてもうっとおしいから


 全部捨てる事にした

 いつまでもそれを持っていても

 得な事はないから


 消去した



 全部

 全部


 忘れた


 消え去った


 けれどこれは不燃ゴミ


 消せたとしても

 燃やし尽くしたとしても


 不燃ゴミを無理に燃やすとかしたら

 必ず毒性の何かが残る


 僕は、不燃ゴミの処理の仕方を知らなかったから


 記憶は全て消えても


 そこにある、あの時に


 付けた、付けられた傷は


 もう消えない


 胸の奥の空虚感が、今でも僕を縛り続けています


 目をそらすんじゃなくて


 立ち向かえって


 傷はそう僕に呟き続ける



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