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2004年11月25日
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 旅先でうっかり忘れ物をしてしまうことがよくある。特に多いのがカメラ。友人がカメラをなくしたとメールしてきたので遠い昔の出来事を思い出した。
 高校二年の冬だった。岡山後楽園、倉敷鷲羽山、尾道千光寺から鞆の浦へとを巡る一人旅に出た私は初日の目的地岡山駅のベンチにカメラを置き忘れ、倉敷行きの電車に飛び乗ってしまった。気が付いたのは倉敷駅前のバスターミナル、慌てて引き返し(周遊券だったのでタダ)たがすでに無い。途方に暮れていると親切な駅員さんが、
「どうした?」と声を掛けてくれた。
 カメラは親父が大事にしているニコンの一眼レフ。当時私はカメラに凝りだしていて、三日三晩頼み込んで貸してもらったのだった。失うわけにはいかなかったのだ。
「気が付かんかったけど、ひょっとして親切な人に拾われたら、ということもあるので、落とし物の係に尋ねててみたら」と言ってくれた。
 頭はもうろう、口の中はカラカラ、引きつりながら、
「あのう、カメラ、ニコンの一眼レフベンチに置き忘れたんですけど、届けられてませんか?」
 やっとの思い出、声を絞り出したと思う。当時の私はシャイで内気で気が弱くておとなしかった。
 かくしてカメラはあった。届けてくれた人は老婆だったという。お礼をしたいというと、

 とのこと。旅先で出会った人との思い出はたくさんあるが、この老婆のことはカメラという詞とともに今でも私の中では生きている。どんな人だったのだろうか? 倉敷に向かう列車の車窓を飛ぶように流れ去る人や家や車の立像を魔法がかったような目で眺めながら、私は感謝の気持ちで押さえ切れぬ高揚感にどっぷり浸っていた。

 親父のカメラは今も健在である。日常の撮影こそバカチョンカメラが幅をきかせているが、大事なときになると、真打ち登場とばかりに必ず登場する。主人はとっくにいなくなったが、寂しそうなそぶりも見せず、私の「はい、チーズ!」の声と同時に、重く、毅然としたシャッター音をあたりに響かせている。
 父母との思い出は楽しいものもたくさんあったとはずだが、どういうわけか思い出すのは悲しいものが圧倒的に多い。そんな中にあって、私にとってこのカメラは、苦い思い出とともに得意になってシャッターを押していた親父の在りし日の姿を思い出させてくれる宝物なのである。





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最終更新日  2004年11月25日 10時09分32秒
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