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Jul 9, 2006
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カテゴリ: 読書してみる?!
「氷点」でおなじみの三浦綾子が、やはり地元北海道を舞台に、
家族の愛のかたち、人間の信頼、抜きがたいエゴイズムを
痛烈に描く長編小説。

果て遠き丘.jpg
果て遠き丘/三浦綾子


長い間、別々に暮らした、美しく正反対の性格をもつ姉妹、
恵理子と香也子。
姉の恵理子はしとやかで思いやりがあり、優しい大人の女性。
妹の香也子は自己中心的ですべてが自分の思い通りにならない
と気が済まず、いわゆる典型的なお嬢様。

二人がまだ少女だった頃、父親の浮気によって両親が離婚。

それぞれ顔を合わせることもなく暮らしてきたが、
両家に出入りしている従兄から、美しく成人した恵理子の話を
聞かされた香也子。
その嫉妬心から、ある日突然、再会を目論見、果たすことになる。
この再会をきっかけになんとか平穏に暮らしてきた両家の人物達
が有無もなくに関わることになり、軋みをたてならがら交錯していく。

恵理子の美しさに触発された、香也子のエゴイズムが、
遂に恵理子を含めたすべての人物へと、執拗なまでに暴走する。
自分が何よりも一番であることを誇示しないではいられない。
香也子にとっては他人の愛を壊し、人の幸福を踏みにじることは
楽しいゲームですらあり、愉悦でさえある。


恐ろしい性格になってしまったのか、両親の離婚が彼女の心に
暗い影を落としたのか、それとも天性の性格なのだろうか。
読み進んで行くと、香也子のエゴイズムを追体験しているようで
空恐ろしい。
人の心の中にはこれほどまでに、エゴイズムが形成されている

ひょっとしたら、自分が気付かないだけで、自分自身にもこんな
一面があり、ある一方からは香也子のような人として、周りから
映ることもあるのではないだろうか。と疑心暗鬼になってしまう。

自分の心の闇を凝視させてくれる作品。








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Last updated  Jul 9, 2006 04:25:55 PM
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Re:果て遠き丘/三浦綾子(07/09)  
MEGMILK9551  さん
はじめまして♪
書き込みありがとうございます♪
三浦綾子さんの小説は、ずーーーーっと以前によく読みました。「氷点」はもちろん確か「積み木の箱」なんていうのもあったかしら???
ひつじケ丘なんていうのもあったでしょうか??
キリスト教の信仰についての物もありましたよね~??
高校時代だから、30数年前です。
懐かしくなりました。でもコレは読んだ記憶がありません (Jul 9, 2006 06:50:09 PM)

Re[1]:MEGMILK9551さん  
エミット6  さん
>はじめまして♪
>書き込みありがとうございます♪
>三浦綾子さんの小説は、ずーーーーっと以前によく読みました。「氷点」はもちろん確か「積み木の箱」なんていうのもあったかしら???
>ひつじケ丘なんていうのもあったでしょうか??
>キリスト教の信仰についての物もありましたよね~??
>高校時代だから、30数年前です。
>懐かしくなりました。でもコレは読んだ記憶がありません
-----
こちらこそ訪問&コメントありがとうございます。

わたしも、三浦綾子さんにを立て続けに読破
していたのはかれこれ20程前ですf^_^;
当時はとても衝撃的に思えるストーリーでした。

今日、手に取ったのも、やはりふと思い出し、
懐かしくなりペラペラと捲っているうちに
止まらなくなってしまったからです。

人間のエゴがところどころ見え隠れする
作品が多く、いろいろ考えさせられました。

「原罪」という言葉を知ったのも、
もちろん「氷点」がきっかけでした。

特別キリスト教を信仰しているわけでは
ありませんが…(笑)





(Jul 9, 2006 07:49:53 PM)

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