コクシジウム症




~清潔にしておくことが最大の予防~


コクシジウム症は不衛生な環境下で、多頭飼育されているときに多発する原虫症です。コクシジウムの腸管への寄生により、急性、慢性の腸炎をおこします。畜産業界では、養鶏や養牛に重大な被害をもたらします。犬の場合はコクシジウム症に感染している犬がオーシスト(胞子虫)を排泄し、他の犬に経口感染します。また、環境の変化やストレスなどによって症状が出る場合もあります。

症状
小腸の細胞を壊していくので、血の混じった血便が出ることがあります。また、はげしい下痢をおこすため、水分が不足して脱水症状をおこしたり、栄養不良で貧血になったりします。免疫力が低い子犬や老犬は重症になりやすいです。衰弱して、他のウイルスに感染する場合もあるので注意が必要です。

原因
原虫のコクシジウムが口から体内に入りこむことで感染します。まれに、コクシジウムの感染卵をネズミが食べ、そのネズミを犬が食べることで感染することもありますが、これはまれです。体内に入ったコクシジウムは小腸に寄生します。小腸の上皮細胞内に入り、細胞を壊しながら、分裂して増えていきます。その後、卵を産み、犬の糞便とともに体外に排出されます。排泄された卵は2~3日後に感染力を持つ、感染卵になります。オーシストは犬の口から入り、食道、胃を通って小腸に達し、粘膜下繊に寄生し、3日から6日間潜伏ののち、発病します。初期には熱がでますが、食欲がなくなり、下痢がひどいために、貧血、脱水症状をおこしてきます。

診断
子犬で下痢の原因が他に見当たらず、検便でオーシストが発見されるとコクシジウム症と診断できます。

治療方法
サルファ剤、ニトロフラゾン製剤またはアクネートの投与を7~20日間続け、原虫を殺し、二次的な細菌性の腸炎を防止します。重症の時には脱水症状を抑えるために輸液をおこないます。保温も大切で、時には輸血をする場合もあります。家庭では犬を安静にし、消化のよい食べ物を与え、水分を十分に補給します。また、他の犬との接触を避けます。

予防方法
コクシジウム症から回復した子犬や一見、健康そうに見える成犬でも、糞便中に多数のオーシストを排出し、汚染された飼料や水によって子犬に感染させることがあります。散歩のときなどにそれらを口にしないように注意してください。また、糞便は放置せず、すぐに始末してください。犬舎なども熱湯消毒、日光消毒、またはバイオチャレンジで消毒して、よく乾燥させてください。コクシジウム症に感染している犬は隔離してください。オーシストは環境にきわめて強い抵抗力を持つが、0.09%のアンモニア溶液は予防に有効です。

最後に
とにかく、飼育環境を清潔に保つことが先決です。しっかりと消毒などをして予防しましょう。




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