除草剤による中毒

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～危険なヒ素、フェノール系除草剤～

これは、農薬中毒の一種です。除草剤として用いられる薬品には、ピピリジニウム系、トリアジン系、尿素系、有機ヒ素系、フェノール系などがあり、種類によっては犬や猫などの動物に対して、強い毒性を示します。そのため、これらによる犬や猫の中毒事故が時々報告されています。除草剤が散布されたところを歩いた動物が、自分の足の裏や体表についたものをなめることによって中毒をおこします。

症状
除草剤が犬の体内に入ると、胃や腸に強い刺激を与え、嘔吐や腹痛、それに下痢を伴った血便などの症状をひきおこします。その結果、犬は脱水症状をおこして衰弱し、ときには呼吸不全、循環不全におちいり、死亡することもあります。

原因
ヒ素を含む除草剤を犬がなめるとヒ素は消化器官から吸収され、皮膚に付着するとそこから直接体内に吸収されます。ヒ素はクエン酸酸化酵素フォスファターゼなどの活性を妨げ、組織の働きを抑えます。また、フェノールはたんぱく質を凝固させて細胞を破壊させるため、神経が破壊されます。

治療方法
ヒ素中毒に対しては普通、ＢＡＬ（ジメルカプロール）を４～５時間ごとに投与します。この薬は体内のヒ素を除去する働きを持っています。また、輸液（体液の補給）が必要となります。呼吸、脈拍、血圧、体温などに常に注意を払い、血液、尿のチェックをおこないながら、３～５日間くらい集中的に治療する必要があります。他の除草剤についても同様の治療をおこない、さらに硫酸アトロピンやパムなどの有機リン系解毒剤などの使用もあわせて考えます。

予防方法
散歩の途中で雑草などの一部が枯れている場所があったときには、除草剤が散布されたことが考えられるので、犬がそのようなところに入らないように注意する必要があります。

最後に
これは、飼い主様が十分に注意をしなければなりません。愛犬は自分では判断できませんので、草むらなどの散歩は控えるか、十分に注意してください。

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