ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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クリスマス


自分では大丈夫なつもりでも、夫へのクリスマスカードを前に、心は、あの胎嚢の中のように空洞で、言葉が何も浮かんでこなかった。
妊娠のことは、誰にも言っていなかったのが幸いだった。何事もなかったかのように、親戚の家で、賑やかなクリスマスを過ごした。
実際、何事もなかったのように、自分は美味しいものを食べ、眠り、笑って、人と普通に話している。
自分の中では、小さな命が死んでしまっているというのに。自分の身体の中に「死」を抱えながら、ごく普通の生活を送っているという、実に奇妙な体験。


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