NO-NAMEの隠れ家

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倉木麻衣

作品レビュー

1stアルバム
『delicious way』
(2000.6.28)

1.Delicious Way ★★★☆
2.Love, Day After Tomorrow ★★★★
3.Secret of my heart ★★★☆
4.Stepping ∞ Out ★★★
5.Baby Tonight ~You & Me~ ★★★
6.Can’t get enough ~gimme your love~ ★★★
7.NEVER GONA GIVE YOU UP ★★★☆
8.Stay by my side ★★★☆
9.Everything’s All Right ★★★
10.happy days ★★☆
11.君との時間 ★★★

総合 ★★★☆

はい、クッキーこと倉木麻衣です。しかし、実際にそんなふうに呼んでる奴を周りで見たことないぞ!! う~ん…何から書こうかなぁ。まぁ、しかし、流行りましたねぇ。デビュー曲『Love, Day After Tomorrow』がいきなりのロングヒット&ミリオン到達。当時彼女はまだ高校生でした。宇多田ヒカルが「私かと思った」と発言したほどの、例のパクリ騒動を呼んだこの曲ではありますが、まぁ~、僕は擁護派…というより無関心派でした。そもそもそんなに似てるとは思わなかったなぁ。今振り返っても、そんなに目くじら立てて怒るほどのことじゃなかったように思うんだけど。まぁ、PVでのあの指振りに関してはコピーと呼ばれてもしかたないもので、確かにいただけないですが。そうそう、日本でのデビューより先に全米デビューを果たしているという経歴も、パクリ騒動に拍車をかける原因となりました。
しっかし、『Love, Day After Tomorrow』。良く出来ていますね。聴けば聴くほど感心してしまいます。曲題は謎ですが。タイトルセンスがまさに明後日の方向です。(ウマイこと言った。) それはともかく、彼女のライトなヴォーカルが、R&Bの要素を持ったこれまたライトな質感のトラックと相性度高し。「曖昧に飾った言葉はいらない~♪」なんてフレーズは、このリズムに乗せるにはこれ以上ないんじゃないかっていうほどのジャストフィット感。「あい・まいっ・に~」っていう発音が、例えば「I」・「my」・「need」のように英語っぽく聴こえるのは計算通りなのかな。「かざぁったぁ」という言葉のハマり方もイイ。でも、総体としては実に商業音楽っぽくて、ミレニアムだろうがなんだろうがお構いナシで、さすがBeingと言うべきか(笑)。いや、良いんです。それこそが倉木の生命線なんだから。宇多田と違って本格R&Bに近づいて勝負するのではなく、R&Bの要素を組み入れたポップスとして売り出しています。4曲目~6曲目あたりの楽曲を聴いてみてもそうだけど、低音を利かせたりしてホンモノ志向のトラックとするよりは、あくまで商業的なポップスとしての要素を忘れずに、耳当たり良い軽さを残した雰囲気に作り込んでいるのが分かります。
2ndシングル『Stay by my side』は、そういった意味では早くも宇多田との決別の宣言だったのではないでしょうか。清涼ポップスに大きく寄った1曲。サビでじわ~っと来るキラキラ感が良いですねー。…余談ですが、彼女にとって初の出場となった2003年の第54回NHK紅白歌合戦で披露したのもこの曲。好きなんだけどー、好きなんだけどー…、何故この曲?(笑)。この曲って、ZARDでいうところの『君がいない』みたいなもんでしょ?位置としては(笑)。
3rdシングルの『Secret of my heart』・4thシングルの『NEVER GONA GIVE YOU UP』も、これまた良い曲でして、はっきり言って今作のシングル曲はどれもが高評価なんですが、この2曲に関してはここでは割愛。
あとは……、冒頭のタイトルトラック『Delicious Way』がシングル曲に引けを取らないくらい良いですね。トラックの絶妙さがたまらない。イントロから惹きつけられます。
アルバムを11曲でまとめたのは正解。薄味な処理を施されたヴォーカルに人間味を感じない人はいそうですが、倉木麻衣の名刺代わりとして当時は十分に機能した作品。J-POP史に残る名盤、と言っちゃってもいいでしょう。BOOK-OFFにいっぱいあるから今から聴いてみるのも良いかも。
(記:2008.2.13)










2ndアルバム
『Perfect Crime』
(2001.7.4)

1.PERFECT CRIME ★★★
2.Start in my life ★★☆
3.Reach for the sky ★★☆
4.Brand New Day ★★★
5.Stand Up ★★★
6.Come on! Come on! ★★★
7.always ★★★
8.What are you waiting for ★★★
9.think about ★★★
10.冷たい海 ★★★
11.Reach for the sky GOMI REMIX ~Radio Edit~ ★★☆
12.いつかは あの空に ★★★☆
13.The ROSE ~melody in the sky~ ★★★

総合 ★★★

前作と比べて作風を変えてきた感のある2nd。全体を暗いムードが覆うようになりました。明るめの清涼ポップスナンバーもあるんだけどね。トータルで見ると、どんよりした雰囲気。
『PERFECT CRIME』でのクールな攻撃性、ハードなギターサウンドが耳に新しい『Brand New Day』、そしてウエストコーストに挑戦したシングル『Stand Up』など、ロック方面への拡がりが見てとれます。
『What are you waiting for』~『think about』の流れは、濃厚なR&B。『Come on! Come on!』のクラブサウンドは、前作にはなかったタイプの楽曲としてチェックしておきたいところです。
本編にリミックスを入れるという行為に対しては、否定的な意見も多いでしょうが、僕は今作に関してはアルバムの平坦化を防いでいるという点で評価したいと思います。
一番好きなのは、ラス前のミディアムナンバー『いつかは あの空に』かな。それまでで疲れた耳をそっと癒してくれるような佇まいが優しい。
サウンドの拡散傾向、空気感重視の作風への変化が特徴的な一枚。これといったインパクトに欠ける『Reach for the sky』のシングルリリースは失敗だったかもしれません。
(記:2008.2.19)










3rdアルバム
『FAIRY TALE』
(2002.10.23)

1.Fairy tale ~my last teenage wish~ ★★☆
2.Feel fine! ★★★
3.Ride on time ★★☆
4.key to my heart ★★
5.Winter Bells ★★★
6.Loving You… ★★★
7.Can’t forget your love ★★★☆
8.Trip in the dream ★★☆
9.Not that kind a girl ★★★
10.Like a star in the night ★★★
11.不思議の国 ★★★
12.fantasy ★★☆

総合 ★★☆

「おとぎ話」をテーマにした3rdアルバム。コンセプトは、よく貫かれていると思います。まとまりがいいっすね。唯一、『Feel fine!』だけ今作のカラーとは違うかなっていう印象ですが。まぁ、『Feel fine!』も、これはこれで良い曲なんだけど。テケテケGS風ロック。「ウ~ゥ~フ~」というコーラスも、「イェイ!」なんていうキメも、実にベタで感心(笑)。
全体的には、テーマに沿って浮遊感のある楽曲が多いのも特徴的。R&Bの『Trip in the dream』や『Not that kind a girl』も違和感なく馴染んでいます。
『key to my heart』がファンには人気みたいだけど、今回も自分の好みとはちょっと相反するところがあったり。個人的には、『Can’t forget your love』。シングルで聴いたときは地味だなぁという印象しか持てなかったけど、アルバム中では光っています。でも、逆に言えばこの曲が目立つほど、アルバム全体のカラーが地味だってことかも…。
(記:2008.3.2)










4thアルバム
『If I Believe』
(2003.7.9)

1.If I Believe ★★★
2.Time after time ~花舞う街で~ (theater version) ★★☆
3.風のららら ★★★
4.Kiss ★★★☆
5.my corazon ★★★
6.I don’t wanna lose you ★★☆
7.Make my day ~album version~ ★★★
8.SAME ★★
9.Just A Little Bit ★★★
10.You are not the only one ★★★
11.Tonight, I feel close to you (with 孫 燕姿 (Yan-Zi)) ★★★★

総合 ★★★

前作からわずか9ヶ月のリリースとなる4th。シングル収録曲が6曲(『I don’t wanna lose you』は『Make my day』のc/w、『You are not the only one』は『Kiss』のc/wで既出。どちらも今作ではシングル版とは少し違ったバージョンになっていますが。)で、新曲が5曲という内容。なんか歌詞カードの中途半端な手書き歌詞が気になるところですが、内容は前作より気に入りました。
AOR路線でいくのかと思ったのですが、少しずつ新たな試みも顔を出し始めていますね。『Time after time』での和風アレンジ(これはちょっと地味だけど)や、Michael Africkによるゴスペルチックなコーラスの入る『Just A Little Bit』、そして異色の『Make my day』。
春畑道哉が作曲した『風のららら』も、変拍子が印象的です。『Kiss』は、ウェストコーストサウンドと倉木の歌唱が爽やかに結び付いています。打ち込みも下品になることなくギターサウンドと調和していますね。
ラス前にアップテンポな曲を置く構成もいいし、ラストを飾る『Tonight, I feel close to you』が良曲。前作『FAIRY TALE』が台湾チャートで1位を獲得したことをきっかけに、台湾の歌姫・孫 燕姿とデュエットした楽曲ですが、メロディーがなんとも奇麗ですね。
(記:2008.3.2)










ベストアルバム
『Wish You The Best』
(2004.1.1)

1.Love, Day After Tomorrow ★★★☆
2.Stay by my side ★★★☆
3.Secret of my heart ★★★☆
4.NEVER GONNA GIVE YOU UP ★★★☆
5.Delicious Way ★★★☆
6.Simply wonderful ~Radio Edit~ ★★☆
7.Reach for the sly ★★☆
8.冷たい海 ★★★
9.Stand Up ★★★
10.always ★★★
11.Winter Bells ★★★
12.Feel fine! ★★★
13.Like a star in the night ★★★
14.Time after time ~花舞う街で~ ★★★☆
15.風のららら ★★★
16.Tonight, I feel close to you (with 孫 燕姿 (Yan-Zi)) ★★★★

総合 ★★★☆

2004年元日に発売された、彼女初のベストアルバム。ちなみに、彼女のそっくりさんとして『Perfect Cream』・『シークレット オブ マイセックス』等の作品に出演したアダルト女優の倉本麻衣は、この年に結婚・引退しています。倉木の実父である山前五十洋が、この倉本麻衣の作品の監督を務めたことも話題を呼びました。
年代順に彼女のヒット曲・人気曲が収められており、彼女の足跡をあらためて振り返ることがことが出来るとともに、「クッキーだけにサクッと聴きたい」というリスナーにとっては、今作さえあれば問題ないというベストアルバムですね。一部、収録を見送られたシングルもあったり、ファンには細かい不満もあるかもしれませんが、デジタル・リマスタリングで音も良くなっているし、豪華ブックレットもついているということで、まぁ~良しとしましょうってことでね、ひとつ。『Time after time』は、アルバムバージョンよりも今作に収められているシングルバージョンのほうが良いですね。
(記:2008.3.13)










5thアルバム
『FUSE OF LOVE』
(2005.8.24)

1.Honey, feeling for me
2.P.S♥MY SUNSHINE
3.You look at me~one
4.駆け抜ける稲妻
5.Don't leave me alone
6.Love, needing
7.ダンシング
8.Tell me what
9.LOVE SICK
10.明日へ架ける橋
11.I sing a song for you
12.chance for you

少数派なのを自覚して書くけれど、僕にとってはこれまでの彼女の作品で最も好きなアルバム。『Love, needing』や『ダンシング』といったシングルを聴いても分かる通り、これまでとは一味違ったサウンドを聴かせてくれます。特に、80年代的なアレンジが随所で印象的で、同じ打ち込みではあっても、1stのような完成されたデジタルポップスといった印象や中庸感・清涼感とはカラーの違う音楽になっています。
『明日へ架ける橋』はいかにも王道といったメロディー構成でありながら、アレンジの変化で新鮮に聴かせてくれます。ちょうど同年にヒットしたゆずの『栄光の架け橋』と比べてみると面白いです(笑)。
ジャケットの安っぽいロゴはマイナス点。もっとなんとかならなかったんでしょうか。
(記:2008.7.24)










28thシングル
『夢が咲く春/You and Music and Dream』
(2008.3.19)

1.夢が咲く春
2.You and Music and Dream

両A面シングル。『夢が咲く春』は、徳永暁人によるグルーヴィーなナンバー。何度も歌われる「夢が咲く春ー♪」というフレーズが嫌でも頭に残ります。『You and~』は、大野愛果作曲のバラード。サビの「You and Music and Dream」の歌い方が独特ですが、これが帰国子女による本場の発音ってやつでしょうか。
(記:2009.3.9)


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