泉水さん作曲のバラード。当初は個人的にも「…う~ん」といった印象で、ファンの間でもこの楽曲そのものを評価する声はそれほど多くなかったように思いますが、泉水さんの死後に『Brezza di mare ~dedicated to IZUMI SAKAI~』に選出されたことで、一気に再評価されることとなりました。
5thシングル。1992年9月9日リリース。 作曲・春畑道哉、編曲・明石昌夫。 TUBEのギタリストである春畑道哉がZARDに初の楽曲提供。ややロックテイストが交えられたマイナー歌謡ナンバー。前作『HOLD ME』収録の『サヨナラ言えなくて』にタイプ的には近いですね。 この曲が実に良質。早くもこの手のサウンドではひとつの完成形を作り上げてしまったとさえ言えるのではないでしょうか。イントロから訴えてくるものがあります。とにかく溢れ出る焦燥感が凄いですね。泉水さんの歌も感情が籠もっています。サビのラスト、「Let me hold you in my arms tonight~♪」というフレーズは悲痛にも似た訴えがこちらに伝わってきて、涙を誘います。 歌詞をもう少し整理してくれていれば完璧だったと思いますが、それにしても、大ブレイク前の曲だからといって見過ごすには勿体無い名曲と言えるでしょう。ここまで感情で突き動かしてくる楽曲は、ZARDのレパートリーの中でも数少ないです。 現在では、このアルバムの他に『ZARD BLEND ~SUN & STONE~』・『Golden Best』等にも収録されています。
作曲・栗林誠一郎、編曲・明石昌夫。 ピアノから始まり、徐々に楽器が加わっていくという王道のバラード。同じ布陣で制作された3年前の『It's a Boy』などと比べると、隔世の感がありますね。この曲は、泉水さんの切々としたヴォーカルが上手くハマっています。「ああ どんなにあなたを呼んでも」の歌い方などは、日本人のDNAに刻みこまれた感動のツボを見事に押さえています。 難点を挙げるなら、間奏におけるドラマティックな展開が、やや粗雑な印象があること。もう少しシンプルのまとめても良かったと思います。 とはいえ、ZARDのシングルA面以外のバラードの中では、『遠い日のNostalgia』や『遠い星を数えて』と並んで、最もファンに人気のある楽曲かもしれません(個人的にはそこまで飛びぬけて好きな楽曲ではないですが)。『ZARD BEST ~Request Memorial~』にも、人気投票第13位にランクインして収録されています。